クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド12第1話『クリムゾンキング』。
13人のシリアルキラーを次々とお縄にする敏腕マンハンター、ルーク・アルヴィスがBAUに参戦!
被害者の腹部に刻まれた「BAU」の文字が意味するものは?
新たなメンバーが加わったBAUの活躍に乞うご期待!
ガルシアはちょっとおもしろくないみたいだけど(笑)
クリミナルマインド12第1話『クリムゾンキング』あらすじと感想です。
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刑務所のロックダウンを防いだ後、3つの州で再びロックダウンが発生し、13人のシリアルキラーたちが脱獄した。
その知らせを聞いたBAUは、脱獄したシリアルキラーたちの行方を追う。
テンピから88マイル(約142km)離れたソノラ砂漠で、拘束具をつけた男性が保護された。
男性の名前はブライアン・フィリップス。彼の腹部には、鋭利な刃物を使い"BAU"との文字が残されていた。
その文字を見たエメット警察署長は、デューイ巡査にBAUに連絡を取るよう指示する。
エル・パソから40マイル(約64km)郊外にあるチワワ砂漠。
ルーク・アルヴェスは、おとり捜査官として逃亡したシリアルキラーの一人を逮捕した。
これで逃亡しているシリアルキラーは残り5人。アルヴェスの活躍に注目したロッシは、BAUに参加するよう提案するが、アルヴェスは固辞する。
しかし、ダニエル・カレンが逃亡中であることを知ると、アルヴェスはロッシの捜査に協力することを決めた。
3年前、カレンを逮捕したのはアルヴェスだった。
今回発生した事件は、カレンの犯行の手口と似ているが、異なる点もいくつかあることに気づくBAUメンバー。
カレンはいわゆる「不正を受けた恨みを晴らす」タイプのシリアルキラー(Injustice collector)で、被害者のブライアンはカレンのターゲットとは異なる。
また、ブライアンの腹部につけられた傷は浅く、ためらい傷がある他、3年前のカレン逮捕にはBAUは関わっていなかった。
服役中に、何者かにBAUについて吹き込まれたかも知れないが、コピーキャットの仕業が有力となる。
ブライアンは、誘拐された後、ガスマスクみたいなものをかぶされ、煙をかがされたと説明した。
タラが「煙の香りは?」と聞くと、ブライアンは「バブルガムのような匂いだった」と答える。
犯人はカレンではなく、Mr.スクラッチことピータ・ルイスだったのだ。
ブライアンの前に類似の事件が発生していないかどうか調べていたガルシアは、911コールの中に、「ジェニファー・ジャロウについて」「ロッシ・アヴェニュー54321番地」という通報を発見する。通報時のGPS履歴から住所を割り出し、駆けつけたホッチナーたちは、額に「ホッチ」と刻まれた女性を発見する。
保護された女性はチェルシー・カーターで、ブライアンと同じく解離性同一性障害(DID)を患っていた。
ピーター・ルイスは、テンピ大学で開催されている、DIDを対象にしたサマーキャンプに参加した患者をターゲットにしているのでは、とホッチナーたちは推測する。
ブライアンと再び面会したタラは、ブライアンに「DID患者リストの中から聞き覚えのある名前を聞いたら知らせて欲しい」と告げる。
ホッチナーはアルヴィスに、「われわれのプロファイリングとは異なる意見を聞かせて欲しい」ことを伝える。
アルヴィスはピーター・ルイスは脱獄後すぐに行動できた点と、テンピに潜伏している点から、ピーター・ルイスの目的を探るよう助言する。
「BAU」という文字を刻んだブライアンを生かしたのは、BAUをおびき出すためではないだろうか。
ピーター・ルイスが欲しがっているものは、DID患者のリスト。そして入手方法は、薬物を使い「クリムゾン・キング」と思い込まされている、ブライアンだった。
しかしタラはDIDリストをブライアンに送るようにガルシアに依頼しており、ホッチナーたちがガルシアに連絡を入れた時、ガルシアはちょうどリストをデューイ巡査に送った後だった…
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クリマイシーズン12、突入しましたね!
新たにルーク・アルヴィス捜査官が参加するエピソードでしたが、シーズン開始のエピソードとしては十分な仕上がりだったと思います。
シーズン11の最終話からのクリフハンガー。
13名のシリアルキラーの逃亡と、ルークの登場を上手く絡ませたな、と感心してしまいました。
スペンサーが休暇からBAUに戻り、旅の話に花を咲かせ、BAUの新メンバールークの話に振る。
そしてその流れで「ガルシアは…?」という場面も自然で良かったです(笑)。
Mr.スクラッチことピーター・ルイスが今回の事件に関わっていたとわかった時、またクリフハンガーになるかな、と思ったらやっぱりそうでした。
あ~やれやれ。
タラもだんだんBAUに馴染んできたのが良く伝わってきたのも、このエピソードの好きなところです。
正直に言いますと、このエピソードを初めて観た時の感想:「モーガン(涙) ルークじゃ物足りないよ(涙)」
そして2度めに観た時の感想:「ルーク、いいキャラしてるじゃん!」
でした(笑)。
ルーク・アルヴェスは、逃亡者の追跡を専門とするタスクフォースに属し、エピソードに初登場した時点では、13人のシリアルキラーのうち、8名をとっ捕まえていました。
ルークの活躍に注目したロッシは、BAUに誘いますが、「俺はハント専門だから」と、一度は断ります。
この対応、男らしいですよね。
ダニエル・カレンが逃亡中と知ってBAUに参加しますが、3年前にカレンを逮捕したのがルークでした。
そして、この逮捕劇にもドラマがありましたね。
カレン逮捕の際、パートナー(フィル・ブルック)がカレンから拷問を受けてしまいます。
カレン逮捕にこだわったのは、こうした理由があったからですね。
パートナーのために。ここにもルークの男らしさを感じます。
ホッチたちのプロファイリングとは異なる視点を持っていたルークですが、それが逮捕につながりました。
BAUメンバーに助言するようホッチはルークにアドバイスしますが、さすがボスですね。視点が鋭い!
そして、逃亡者の行動について知り尽くしているルークの助言は、捜査の流れに勢いをつけることに。
ピーター・ルイスは逃げてしまったけど、フィリップスとカレンの身柄を拘束できたのは、ルークの活躍なしにはできませんでしたね。
ルークはモーガンの後継なので、初めはどうしても比べてしまったのですが、「ルーク・アルヴェス」という目で見ると、いいキャラしていると思います。
今回の黒幕は、Mr.スクラッチだったというオチ。
ピーター・ルイス
出典
ブライアンをクリムゾンキングに仕立て上げ、元祖クリムゾンキングとも言えるカレンの記憶をごっそり消し去りました。
この手腕、まさにマインドコントローラーですね。
しかし相変わらず実態がつかめずキモい。
そして今回も逃げおおせてしまいました。
チッ、なんてもどかしい。
そして、最後のニヤッと笑った顔に、とどめを刺されてしまいました、「だ、誰かこいつを捕まえて~!」
ルークに対するガルシアの態度は想定内というか、やっぱりガルシアらしくて面白かったですね。
モーガンがBAUを去り、その後にタイプの違うルーク。
ガルシア姉さんの気持ちが痛いほど伝わってきましたよ。
私も一番初めにこのエピソードを観た時そう思いましたから。
エレベーター内でのやり取りが本当におかしかったので、別記事にまとめてみました。
⇒ ガルシア:「同僚にプライベートなことは話さない主義なんです」
今回は、タラの活躍が目立った気がします。
ブライアンと心を通じ合わせたのが伝わってきましたからね。
でもまさかMr.スクラッチがブライアンを操り、彼が殺人鬼と化すとは誰も予想していませんでした。
Mr.スクラッチの目的が、DIDリストをゲットすることだということを知るまでは。
リストをブライアンに見せるのを指示したのはタラ、そしてそのためにデューイ巡査が命を落としてしまいました。
罪悪感に苦しむタラ。切ない気持ちが痛いほど伝わってきました。
リアルのFBI捜査官も、同じような思いをしているのかもしれませんね。
毎回上手くいくわけではないし。
最後まで責任感を持って事件解決に貢献したタラは、立派な捜査官です。
落ち込みそうなタラをさり気なく気遣っていたJJも良かったですね。
ホッチワークデスクに、ジャックとヘイリーとホッチの3ショットが飾ってありました。
今回観たのが初めて、というわけではありませんが、ずっと家族のことを愛し続けるホッチの一途さに、心打たれました。
ヘイリーはもうこの世にいないから…
一緒になりたくてもなれない。それを感じると、なおさら悲しくなります。
ところで、写真の隣にある、卓上時計が気になります。
なんで3つも時計が並んでいるんだろう。時差のチェックかな?
クリムゾンキングとは、スティーブン・キングの小説『ダークタワー』『不眠症』『ブラックハウス』などに登場する「深紅の王」のこと。時間と空間を司るダークタワーを破壊し、宇宙を混乱させ、究極の支配者になろうと画策する黒幕として描かれています。
解離性同一性障害とは、かつて「多重人格障害」と呼ばれていた精神障害のことです。
1人中に他の人格が同居し、何かのきっかけで別の人格が顔を現し、肉体を支配します。
解離性同一性障害の原因は、大きなストレスと言われています。
苦痛や苦しみから受けるダメージを軽減させるために別の人格を乖離させるようになります。
別人格が現れている時は、主人格には記憶がないとか。
解離性同一性障害の実話もよく聞きますが、クリマイにも解離性同一性障害のキャラが良く登場しましたね。
たとえばアダム・ジャクソンやトバイアス・ハンケル。
どちらも心から憎めない、悲しいキャラでした。
ロッシがルークの人柄を、"first in, last out kind of guy"と表現しました。
first in, last outには、「先入れ後入れ」という意味がありますが、「真っ先に行動に出て、最後まで任務を遂行するような、信頼の置けるヤツさ」と描写したかったのでしょうか。
日本語でどんなふうに訳されているかわかりませんが、面白い表現だな、と思います。
エピソードの最後で、ピーター・ルイスが「デズモンド・ホルトン」なる人物に丸をつけていましたが、また今回もクリフハンガーで終わってしまいましたね。
ピーター・ルイスの次のターゲットだと思うのですが、さて、どんなふうに「Mr.スクラッチ」していくのでしょうか。
今から心がザワついて仕方ありません!
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ロッシ: "Anger's my meat. I sup upon myself and so shall starve with feeding." – William Shakespeare
「怒りは我が肉。己を喰らえば喰らうほど、私は飢えていく」(ウィリアム・シェイクスピア)
ホッチナー: "The evil that men do lives after them. The good is oft interred with their bones." – William Shakespeare
「人間の悪行はその死後も生き続け、善行はしばしば骨と共に葬られる」(ウィリアム・シェイクスピア)
"Midnight Train"(ミッドナイト・トレイン) by Escondido(エスコンディード)