クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド12第3話『タブー』。
ホッチが特殊任務でBAUを離れ、代わりにエミリー・プレンティスが登場!
カリフォルニアで相次いで発生している殺人事件。
犯人は、生きたまま被害者をコンクリート詰めにするという、残忍なヤツ!
なかなかしっぽがつかめず苦労するロッシたち、そして犯人像が明らかになった時、そこには禁断の真実が!
クリミナルマインド12第3話『タブー(Taboo)』あらすじと感想です。
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上層部から特別任務に就くよう求められたホッチナーは、インターポールで活躍している元BAUメンバーのエミリー・プレンティスに、代行を依頼する。
プレンティスとの再会を喜ぶBAUメンバーだったが、新たな支援捜査の報告を受け、空気は一転した。
フロリダ州のとある不法投棄場に、ドラム缶に入った女性の遺体が発見された。
女性は35歳のリサ・バークレーで、13歳になる息子とともに、ボイントン・ビーチに住んでいた。
ウルトラサウンドによってリサの恐怖に歪んだ顔が映し出され、生きたたまコンクリート詰めにされたことが判明する。
現地に移動中のBAUメンバーたちのもとに、新たな遺体が発見されたとの一報が入った。
2番めの被害者もリサと同じようにコンクリート詰めにされていて、リサが発見された場所からそう遠くない不法投棄場に遺棄されていたという。
遺体が遺棄されていた不法投棄場を訪れるロッシとプレンティス。
現場の状況から、コンクリート詰めにされたのは別の場所で、犯人はドラム缶をこの場所に運び込んだと考えられた。
しかし、コンクリート詰めにした人間を入れたドラム缶を運ぶには、ダブルタイヤの大型車が必要など、手間のかかる作業だった。
そこまでしてドラム缶を運び込む理由が犯人にはある。
アンサブにとって、不法投棄場は、儀式的な場所なのではないだろうか。
ドラム缶は棺に、コンクリートは墓石に見立てられる。
犯人にとって、ここは埋葬場所なのかもしれないと、ロッシは推測する。
検視官から被害者の検死結果の報告を聞くリードとアルヴェス。
報告によると、リサの死因は、コンクリートによる溺死であることが判明する。
もうひとりの被害者は、リサよりも腐敗が進んでいたため、リサよりも前に殺害されたと検視官は指摘した。
コンクリートを調べたアルヴェスは、コンクリートは出来合いのものではなく、犯人自ら混ぜ合わせたものだと気づく。
犯人はコンクリートを混ぜ合わせるスキルを持っているか、関連の仕事についている可能性が高まった。
2番めに発見された遺体は、デルレイビーチに10歳の息子とともに住む、シャロン・ランドンという33歳の女性であることが判明した。
シャロンは夫を亡くしていたが、リサもシャロンも10代の息子と共に住むシングルマザーだった。
さらに2人も男性と浮いた話はなく、息子に愛情を一心に注ぐタイプという共通点もあった。
その後第3の事件が発生する。
キム・コンティが、行方不明になった。
キムは33歳のシングルマザーで、息子とともにボカビーチに住んでいた。
失踪当日キムは息子を友人とともに映画館に送り、そのまま姿を消したのだった。
後日キムの遺体が発見されるが、ほかの被害者同様、ドラム缶内でコンクリート詰めにされていた。
コンクリートは完全に乾ききっておらず、遺体の状況を調べていたリードは、鼻についていた、薬物によるやけどを発見する。
ロッシたちは犯人のプロファイリングを発表する。
ガルシアが被害者たちの周辺調査をしていると、彼女たちが住んでいた団地はみな、同じ管理会社が総合的に管理していることがわかった。
しかし、容疑者らしき人物の絞り込みには至らず、捜査は難航する。
BAUメンバーは、犯人にとって遺体遺棄現場は何かしら意味がある、犯人は現場に戻ってくると推測、プレンティスとアルヴェスは現場の張り込みを始めた。
やがて、夜の不法遺棄現場に、1台の車が現れた…
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エミリーが帰ってきてびっくりなエピソードでしたね!
もう何年もBAUで活躍していると錯覚しそうなほど、馴染んでいたような気がします。
ルークとは初め気まずい感じでしたが(笑)
エピソード内では良いコンビネーションを見せていました。
犯人の目的はなんだろう、ってずっと気になっていて、わかった時はちょっと「オエッ」でしたね~。
クリマイにはキモい犯人が登場するのは珍しくありませんが、今回もそのタイプに入るでしょう。
今回タラとホッチは不在でしたが、エミリー、ロッシ、ルーク、スペンサー、JJ、ガルシアそれぞれがまんべんなく活躍した、そんなエピソードでした。
今回の事件は、実の母親とは知らず、恋い焦がれた男による犯行でした。
スチュアート・バーカー
出典
実の母親とは知らず、恋してしまったことはまあ仕方ないとして。
彼女に張り付くようにストーカーをして、自由奔放な恋愛生活を一部始終見ていた、というのがキモいですよね。
『タブー』というエピソードのタイトルは、禁断の恋にからめているのかもしれませんね。
スチュアートのおばあちゃんは、やや厳しい面もあったかもしれませんが、娘に親として子供を育てる能力がないからと、スチュアートを息子として受け入れました。
その親切心が裏目に出てしまったようです。
里子ではなく、実の姉と弟として育てていれば、母親に恋愛感情を抱くこともなかったでしょうね。
それでも真実を知った時はショックでしょうが…
怒りに任せて実の母親を殺害し、さらに世のシンママは自分の母親のように淫乱だと思い込む始末。
複雑な境遇で育ったというのは可愛そうだと思いますが、この身勝手さはやっぱりダメですよね。ヤレヤレ。
エピソードの冒頭は、ルークと飼い犬・ロキシー(Roxi)の共同生活ぶりが描かれていました。
ロキシーの仕草がとにかくキュート!
ルークがシャワーを浴びている間にいびきをかくロキシー。
ご飯が出てきた時大喜びするロキシー。
ルークが出かける時「キューン」と、寂しそうにするロキシー。
本当に表情豊かで、あっという間にやられてしまいました。
孤独なルークですが、ロキシーとの生活は充実しているようですね。
ホッチの代行としてBAUに戻ってきたエミリー。
空席かと思って荷物を置こうとしたら、そこはルークのデスク。
エミリーはガランとしたデスクを見渡して、
「卓上に身の回り品を置かないのは、逃亡者ハンターだった名残ね」と、プロファイリングをスタート。
「おそらく、同じ場所に腰を落ち着けるのに十分な時間があると感じたことはない」
「家族写真もなし、身近な人の写真もなし、植物に水やりさえしない。つまり、アルヴェスは超孤独なタイプよ!」
そのとおり(笑)!
ここで終わりかな、と思ったら、まだまだ続く、エミリーのプロファイリング。
「(ここまで身の回り品を置かないのは)過去誰かにひどく傷つけられたことがあるからじゃないかしら?元カノ?おそらくね」
エミリーのセリフ"Somebody could've done a real number on this guy. An ex, maybe?"を訳しました。"do a number on somebody"には、「somebodyを傷つける」という意味があります。私にとって珍しい表現だったので、ここにメモしておきますね。
「軍隊生活が影響しているのは間違いないわ。秩序と規律が身にしみているって感じね。でもデスクがこの状態って、恋愛恐怖症かもしれないわね」
エミリーのプロファイリングスキルは衰えていませんが…
そこまで言うか~!?
エミリーのプロファイリングを聞いていた、スペンサーとJJの顔がある瞬間、「まずい」という顔に変わりました。
それに気づかずルークをプロファイリングし続けるエミリー。
しかしその背後には…
ルークが立っていました!
エミリー、うしろ~!!
ロッシがエミリーに近況を聞いた時、エミリーは「マークと上手くいっているわよ」と答えました。
マークはエミリーの恋人で、『模倣犯』(シーズン11第19話)に登場しました。
ロッシもヘイデン(ロッシの元妻で、ジョイの母)と上手くいっているようですね。
エピソード中に名前の挙がったジェフリー・ダーマーは、アメリカのシリアルキラーで、被害者にロボトミー手術をしたとして知られています。
自らの性的欲求を満たすため、被害者のゾンビ化を試みました。
ジェフリー・ダーマーについて、別記事にまとめましたので、興味があったら読んでみてください。
ジェフリー・ダーマーがロボトミー手術を試みたのは何故?カギは究極のファンタジー
ジェフリー・ダーマーとスチュアートも、性的な理由から被害者をコントロールしようとしました。
その点では、共通点がありますね。
ロボトミー手術とは、1930年代から1970年代にかけて実施されていた、精神疾患の外科手術です。
頭に穴をあけ、メスなどを使用して前頭葉を切断します。こうすることで精神病患者の症状を抑えることができると信じられていました。
しかし、手術によって人格が変わったり、重い障害が残ったりすることも少なくなく、場合によってはロボトミー手術で命を落とすケースもあったのです。
倫理上の問題も含むロボトミー手術は次第に廃れていきます(日本では、1975年にロボトミー手術廃止が宣言されました)。
ローズマリー・ケネディ(1918-2013)は、ジョン・F・ケネディの妹で、ロバート・ケネディの姉。
ロボトミー手術の被害者としても知られています。
成長とともに暴力的になるローズマリーに手を焼いた父・ジョセフは、ローズマリーがが23歳の時にロボトミー手術を受けさせました。
ローズマリーの性格は穏やかになったものの、重い後遺症が残り、普通の生活は困難になったと言います。
術後ローズマリーは障害者施設に入れられ、そこで一生を過ごすことになりますが、ケネディ家がロボトミー手術をローズマリーに施した事実をひた隠ししてきたことは、世間から激しく非難されました。
スチュアートの母が、交通事故により発症したというクリューバ・ビューシー症候群は、側頭葉の異常によって引き起こされる、病気の総称です。
病気の名前になったハインリヒ・クリューヴァーとポール・ビューシー両医師は、猿の側頭葉を切断するという実験を行い、特有の症状を発見しました。
側頭葉を切断することで、情緒や行動に変化が起こりますが、「性行動の変化」もそのひとつです。
猿の側頭葉を切断した実験では、側頭葉を切断された猿は、性行動が旺盛になり、通常では見られない同性愛行動も認められたということです。
人間が発症すると、性的行動に制限がかからなくなり、ありとあらゆることを試そうとするようになります。
クリューバ・ビューシー症候群の原因はいくつか考えられていて、事故などによるダメージのほか、認知症やてんかんなど、病気によって引き起こされることもあります。
ルークがかつて所属していた第75レンジャー連隊は、実際にある、米国陸軍の歩兵連隊です。
主な任務について、ウィキペディアから引用してみますね。
代表的な任務は、空挺降下による強襲や爆破工作、隠密偵察、目標回収任務などがある。他には、アメリカや同盟国の常備軍の支援なども行う。また、敵後方での任務にあたる縦深偵察小隊、特殊訓練を施された水中工作員を保有している。 (引用)
す、すごい部隊ですね。
第75レンジャー連隊について、簡単にまとめた動画を見つけました(英語)
連隊のすごさがよくわかります。
任務が過酷そう。国を愛する心がないと、続かなそうですね(汗)。
第75レンジャー連隊は大きく分けて、「連隊本部」と3個の「レンジャー大隊」があり、それぞれ異なる任務が割り当てられています。
レンジャー部隊に入るには、空挺資格を所有する空軍兵が条件で、志願者はレンジャー訓練性として訓練を受けた後、用意されたプログラムに合格する必要があります。
誰でもおいそれとなれるわけではなく、さらに入隊した後も過酷な任務が待っている。それを統率する大佐は、どんな人物なんでしょうね。
一般人からはとても想像できません!
事件解決後、BAUメンバーが飲みに行こうと話している時、ルークと目があったガルシアが、ルークに向かってこんな言葉を放ちました。
"No. I just... I don't want to feel your Jude-y McJudgerson looks on me as I daintlily sip my Mai-Tai."
(いいえ。ただあなたのJudgy McJudgersonが、私のこと上品にマイタイをすするなんて考えて欲しくないだけよ)
この「Judgy McJudgerson」には、自分以外を除いた人の行動をジャッジする人という意味があります。
ルークに先入観を持って欲しくない、ってことでしょうね。
「俺、何も言ってないけど」と、ちょっと戸惑いがちのルークに笑えました。
ちなみに「マイタイ」とは、カクテルの一種です。
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プレンティス: Tyron Edwards wrote, "Sinful and forbidden pleasures are like poisoned bread. They may satisfy appetite for the moment, but there is death in them at the end."
トライエオン・エドワーズは言った、「禁断の快楽とは毒入りパンのようなもの。一瞬食欲が満たされるが、最後には死が待ち受けている」と。
アルヴェス: "Three things cannot long stay hidden. The sun, the moon, and the truth." – Buddha
「隠し続けられないものが3つある。それは太陽と月、そして真実」 仏陀