大都会で姿を消した被害者はどこへ…?

クリミナル・マインド12第18話

 

クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド12第18話『ヘルズ・キッチン』。

 

監視カメラが見張っているマンハッタンで、ディーンネイジャーが忽然と姿を消した!

 

16歳の誕生日に娘はいない、と嘆く両親。しかし、消息が全くつかめない!

 

進む捜査の先に浮かび上がる犯人像とは?

 

 

クリミナルマインド12第18話『ヘルズ・キッチン(Hell's Kitchen)』あらすじと感想です。


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『ヘルズ・キッチン』あらすじ

マンハッタンで15歳のケイティ・ハモンドが友人に会いに行く途中で姿を消した。

 

そして今日はケイティの16歳の誕生日。

 

監視カメラには、タクシーを降りたあと、携帯電話をタクシーに置き忘れたことに気づいたケイティの姿が映っていた。
それが彼女の最後の姿であった。

 

連続誘拐事件?

ケイティの失踪事件と、過去のコールドケース2件との関連性に注目したBAUメンバーたち。

 

コールドケースはどちらも、ケイティと同年代の少女が連れ去られ、ケイティが失踪した場所から5ブロックほど離れた場所で発生していた。
被害者の遺体には、鈍器で殴られた跡があり、3リットルもの血液が抜かれていた。

 

アンサブは被害者を殺害するまで1週間拘束している。ケイティが誘拐されてから5日。同じ犯人であれば、ケイティは生存している可能性が高い。

 

 

犯人は自分の犯したことを後悔している?

被害者の遺体を調べてみると、足と肋骨には骨折が見られたが、体はきれいに拭かれていた。
さらに遺体は仰向けに置かれ、両手を体の前でクロスした状態だった。

 

被害者の遺体はいずれも明け方に発見されたという。

 

犯人は、被害者に対して後悔の念を抱いているのか、それとも聖母的な存在なのだろうか。

 

 

カギはヘルズ・キッチンにある!

改めて過去10年間に発生した事件を調べ直したところ、コールドケースの2件以外にも類似事件が発生していたことがわかった。

 

さらに、複数の事件現場付近の簡易カメラにでは、共通の車両が映っていた。

 

そして、被害者のほとんどは、ヘルズ・キッチン周辺で姿を消していることが明らかになる。

 

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『ヘルズ・キッチン』感想

全体的に、どんよりとしたエピソードでしたね。

 

マンホールの中というシチュエーションが暗いし、犯人もネクラっぽいし、スペンサーの話もドロドロしてますしね。

 

"血”を求めるがゆえの犯行という設定からして、会話が通じなさそうな犯人を想像しますよね。
ごくごくと飲んでいる犯人を見て、オエッとなりました。

 

スペンサーのエピソードですが、友を失い、今度は純粋に守ってくれると思っていたカルヴィンが、悪の親玉だったことが明らかに。
最後はマルコム、カルヴィンそして他の囚人たちがヘロインの影響(?)でゴホゴホしていましたが、まさかスペンサーが細工をしたから?というような終わり方でした。

 

ひょっとして、スペンサー壊れてしまうの?

 

このまま今シーズン最後のエピソードまで引っ張るのかもしれませんが、スペンサーの話ちょっと引きずりすぎ?

 

早いとこ無実の罪を晴らして、釈放してあげてほしいというのが本音ですね~。

 

 

血を求めていなければいい人なのにねぇ…

犯人は、若い女性の血液をほしがる男でした。

 

ジョン・マローン
クリミナルマインド12第18話『ヘルズ・キッチン』あらすじと感想
出典

 

皮膚疾患の治療のため、被害者を拉致して血を抜き、飲む。
狂っているとしか言いようがないのですが、凶暴な面は見られませんでした。

 

被害者に対しても、できるだけ親切にしていたので(監禁しているから、普通の"親切"レベルではありませんが…)、「血を求めていなければ、いい人なのにねぇ」と、惜しい気持ちに。

 

独自の感性を生かして、ポエマーや作家になったらどう?
と、思わず突っ込んでしまった、珍しいタイプの犯人でした。

 

 

別に同情しているというわけではないのですが、終わり方があまりにあっけなくて残念でした。

 

ウォーカーのいきなり犯人を撃つ⇒「しっかりしろー」と励ますという行動もなんか「?」。

 

スリランカで身につけた瞑想ネタにつなげるためなのか、それとも暗闇から外に出たことのない犯人の哀れさを強調するためなのかわかりませんが、ややこじつけ感がありました。

 

 

サ・タ・ナ・マ

クンダリーニヨガとは、体内にあるチャクラを開いてクンダリーニ(人間の「根源的な生命エネルギー」)を意識レベルで感じることによって、心身の能力を高めるとするヨガのことです。

 

サ・タ・ナ・マは、クンダリーニヨガで実践されるキルタンクリア瞑想で唱えるマントラで、以下のような意味があります。

  • サ:無限
  • タ:生命
  • ナ:死
  • マ:転生

 

クンダリーニの考え方は、ヒンズー教が由来と言われています。
スリランカでは、ヒンズー教は2番めに多く支持されている宗教ですが、クンダリーニヨガが盛んなことと関係あるのかもしれませんね。

 

スリランカ内戦

ウォーカーはクンダリーニヨガを、戦時中のスリランカにて覚えたということですが、この「戦争」とは、1983年から2009年にかけて続いた「スリランカ内戦」のことでしょうね。

 

スリランカ内戦は、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) との争いと言われていますが、もとは同国に古くから住んでいるタミル人とシンハラ人との民族対立に端を発しています。

 

シンハラ人の優遇対策が進むにつれタミル人の反発が強まり、タミル人は1970年代にLTTEを組織。LTTEのテロ行為にシンハラ人も暴力で応戦、両者の対立はインドやノルウェーなど他国を巻き込み、最終的にスリランカ政府がLTTEを鎮圧して紛争は終わりを告げました。

 

 

ギデオン

カルヴィンがチェスをしながら、「入場のさせ方(キャスリング)を教えたのはロッシ?」とスペンサーに聞きました。

 

シーズン1から観ていればわかると思いますが、この時スペンサーが言った「友人のギデオン」とは、元BAUメンバーのジェイソン・ギデオンのこと。
シーズン3でBAUを去り、シーズン10で、因縁の男に襲われて命を落としました。

 

 

ヘルズ・キッチン

インパクトのある名前ですよね。

 

ヘルズ・キッチンは、マンハッタン内にあるエリアで、その名は19世紀頃の治安の悪さに由来します。

 

当時ヘルズ・キッチンにはアイルランド系移民など貧困労働者が多く住んでいて、その一部は暴徒化し、ガラの悪いエリアでした。
南北戦争後は、ギャングたちの活動が目立つようになり、治安は悪化の一途をたどります。こうした状況をメディアは「アメリカ大陸で最も危険な地域」と表現しましたが、以降「ヘルズ・キッチン」と、呼ばれるようになったということです。

『ヘルズ・キッチン』ゲスト

  • アルフレッド・アダリー(Alfred Adderly) マルコム
  • ギデオン・アドロン(Gideon Adlon) ケイティ・ハモンド
  • エディー・アルファノ(Eddie Alfano) フレイジャー
  • ディエゴ・アマロサ(Diego Amarosa) デュアソン
  • ヘザー・アンケニー(Heather Ankeny) リズ・ハモンド
  • ハル・デヴィ(Hal Devi) タイラー看守
  • アダム・フェララ(Adam Ferrara) ボブ・ハモンド
  • リック・ギフォード(Rick Gifford) ハル・クレイトンFBI支局捜査官(ASAC)
  • リチャード・T.・ジョーンズ(Richard T. Jones) ライオネル・ウィルキンス看守
  • ケニエッタ・レスブリッジ(Kenyetta Letheridge) ドライバー
  • ニコ・ニコテラ(Niko Nicotera) ジョン・マローン
  • ハロルド・ペニーロ(Harold Perrineau) カルヴィン・ショウ

『ヘルズ・キッチン』で引用された格言

リード: "How can I be substantial if I do not cast a shadow? I must have a dark side also if I'm to be whole." – Carl Jung
「影を持たずに実在することができるだろうか。闇があってこそ、人として完全なのだ」 カール・ユング

 

リード: "Cannot be seen, cannot be felt. Cannot be heard, cannot be smelt. It lies behind stars and under hills, and empty holes it fills. It comes first and follows after, ends life, kills laughter." – J.R.R. Tolkien
「それは見ることも、感じることも、聞くこともできず、匂いもない。星の向こう側や丘の下に横たわり、空っぽの穴を埋めてしまう。それは最初に来て後ろに続き、命を終わらせ、笑いを殺す」 J・R・R・トールキン

『ヘルズ・キッチン』で使用された挿入曲

クリマイ挿入曲 マッシブ・アタック「ハート・マイザー」("Heat Miser" by Massive Attack)

 

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