クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド10第18話「議員夫人の誘拐」。
議員夫人が何者かに誘拐された!
犯人の狙いは夫、それとも夫人自身?
政治の利害関係からロシアンマフィアにまで捜査は広がる。
時間と闘いながらの捜査、予想以上に複雑に絡み合う事件の真相。
がんばれBAU!
クリミナル・マインドシーズン10第18話「議員夫人の誘拐(Rock Creek Park)」のあらすじと感想です。
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ベンジャミン・トロイ(Benjamin Troy)国会議員の妻ソフィーが何者かに誘拐された。
FBI長官がホッチに個人的に捜査を要請、BAUメンバーはソフィーが誘拐されてからおよそ12時間20分後に招集される。
医療弁護士のソフィーは夫とランチをし、帰宅途中の議員図書館ロビーで姿を消した。
BAUに姿を表したベンジャミンの話によると、彼には
といった"敵"がいて、脅迫めいた手紙やメールも届いていたという。
しかし犯人の目的は、ベンジャミンかそれともソフィー自身か、現段階でははっきりしなかった。
ソフィーが誘拐された現場の監視カメラを分析した結果、映像は古いものでループしていることがわかる。
秘密裏に始まった捜査だが、何者かがリークしたことによってソフィー誘拐が報道されてしまう。
ホッチナーたちはフラッキング(水圧破砕法、原油採掘方法のひとつ)の賛否投票も控え、企業から圧力もかかっていることから、万が一を考えてベンジャミンだけでなくベンジャミンの兄と母親も保護することを決める。
テロリズムや組織的犯罪の線も視野に入れていたが、盗聴器を仕掛けロシアンマフィアについて捜査を進めていた組織犯罪課は、ソフィー誘拐を示唆するような会話を拾ったとホッチナーたちに伝える。
組織犯罪課が盗聴しているのは、ロシアン・マフィア組織の下部に属する構成員で、自分たちの稼ぎのためフリーランスで働くこともあるという。
誘拐など、直接手を下すと危険な仕事を請け負うのだ。
構成員たちは「Dyadya(ジャジャ、ロシア語でおじさんの意味)」からの連絡を待っているということで、この人物を特定するため、BAUはこちらの捜査にも加わる。
リードは、盗聴しているアパートの向かいで盗聴活動を続けているドリアン・ローカー(Dorian Loker)捜査官と合流する。
リードとローカー捜査官が盗聴しているのはマフィアの構成員、ロマン・アザロフ(Roman Azarof)とタラス・ユージン(Taras Yudin)の2人で、アナコスティアのトラック運送会社で働いている。
2人のアパートには、ファナ(Fana)というナイジェリア人女性が掃除係として出入りしていた。
一方BAUのオフィスでは、メンバーたちがロシアン・マフィアとベンジャミンの政治的に敵対する団体との関連を調べていたが、有力な情報はつかめずにいた。
そんな折、女性レポーターがホッチナーの元を訪れ、犯人からビデオメッセージが届いたと告げる。
それと引き換えにベンジャミンとの単独インタビューを行いたいという女性レポーターの申し出をホッチナーは受ける。
ビデオメッセージにはソフィー本人が映っており、身代金として2000万ドルを、真夜中までに用意しなければ、ソフィーの命はないというものだった。
ベンジャミン個人にはその金額を用意することはできないが、政治資金として5000万ドルの寄付を受けていることを犯人は知っているようだった。
ホッチナーの提案により、モーガンとJJはメディアを通じて、犯人の要求を受ける準備がこちら側に出来ていることと、人質の見の安全が最優先であることを強調する。
一方のベンジャミンも、単独インタビューを受け、辛い胸の内を明かす。
ローカー捜査官とともに盗聴を続けていたリードは、ジャジャが身代金を200万ドルから2000万ドルに引き上げたという会話をキャッチする。
ソフィーの誘拐とロシアン・マフィアの関連が濃厚になってきた。
犯人からBAUに電話がかかってくるが、逆探知に失敗する。
しかし、犯人のメッセージを紐解いていたロッシらは、犯人はベンジャミンの周辺人物ではないかとの見方を強めた。
ベンジャミンの兄ポール(Paul)は麻薬常習犯で、リハビリ施設から出てきたばかりだった。
さらに、ロシアン・マフィアに借金があることがわかりそれを精算している。
初めは言い渋っていたポールだったが、JJたちの追求に観念し、お金を出したのはベンジャミンで、自分の不倫関係を口外しないための口止め料だった。
ガルシアの執念で誘拐犯がどこから電話をかけてきたのか見つけることに成功、場所はベンジャミンとソフィーが結婚記念日のデートの後2人で歩いたロック・クリーク・パーク(Rock Creek Park)だった。
現場に急行するホッチナーたち。
しかしそこにはソフィーの姿はなく、贈り物用の箱が置かれているだけだった。
ホッチナーが箱を開けると、そこにはベンジャミンがソフィーに贈ったイヤリングを付けた、ソフィーのものと見られる片耳が入っていたのだった…
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ロシアン・マフィアに政治的しがらみ、不倫、身内の麻薬疑惑など
かなり複雑な展開のエピソードでしたね!
でも、「2時間ドラマだったらいいのに」というような感じも受けず、1時間にスッキリ収まっていたと思います。
登場する人がみんな怪しかったので、犯人が誰だか謎に包まれていましたよね(笑)
だから、犯人がわかったときは意外だったのと、「あ~、この人か」という、納得感がありました。
一番最後、ベンジャミンと母親の会話のシーンがありましたが、ベンジャミンの一言で、彼の印象まるっきり変わりましたよね。
なに、この腹黒親子!!
誘拐されたソフィーの身を心から案じ、ミシェルという不倫相手はいたものの、それは相手が結婚生活を破綻させようと爆弾を抱えているような女だったから仕方なくズルズルしてただけかとすっかり思っていたのに。
妻は助かったし、支持率上がったし♪
ってところでしょうか。
やっぱり政治家なんですね…
すごく嫌なシーンでしたが、このシーンがあるからこそこのエピソードのインパクトがものすごく強くなったのも確か。
強烈なスパイスの働きをしていて、良かったな、と思います。
事件後人気急上昇したベンジャミンを見たロッシは、「未来の大統領候補」と言いましたが、それはダメ~><
ですよね^^;
盗聴しているときにスペンサーが似顔絵書いていたけど、マシュー自体絵が得意なんですよね。
独特のセンスを持ってる人だな、と改めて思いましたが、前にも自分で描いたスケッチ公開していましたよね(「殺人衝動」)。
スペンサーに絵の才能があるというのは知ってましたが、今回びっくりしたのがスペンサー、ローカー捜査官とロシア語で会話していましたよね?
ファナが西アフリカで使われているヨルバ語を、西ナイジェリアなまりで話しているということにも気が付きましたし。
シーズン9「帰郷」では、韓国語がわかると言っていましたが、実はスペンサー、言語にも精通していた?!
複数の言語が操れるって、エミリーみたいですね^^
ローカー捜査官が読みかけていたのは、チャールズ・ディケンズの「大いなる遺産(Great Expectations)」。
物語は、貧しい生活を送っていた主人公の少年ピップが、囚人を助けるところから始まりますが、やがて自分のところに莫大な遺産が手に入ることになり、人生が意外な方向に向かうというストーリーですが、人間模様や恋愛事情が複雑に織り混ざり、ディケンズの最高傑作とも言われています。
もう一冊、最後にローカー捜査官が言った「荒涼館(Bleak House)」もディケンズの本で、荒涼館をとりまく人間模様が描かれた小説です。
ロッシがベンジャミンの母を例えるときに使ったのが、「影なき狙撃者(The Manchurian Candidate)」の中に出てくる母親。
これは、リチャード・コンドンのスパイ小説で、それをもとに1962年に「影なき狙撃者」として映画化されています。
映画の中に登場する母親は、自分の再婚相手であるアイスリン上院議員を次期大統領の椅子に座らせる野望を持っていました。そして、捕虜のときに洗脳の実験台にされ、開放された後も洗脳が続いている息子を利用してライバル議員を暗殺させようと画策します。
自分の目的のために息子を利用する…
なんとなく今回のエピソードとリンクするところがありますね。
ただ、映画の場合、最後は洗脳が解けた息子が母親と義理の父親を殺害、自らも命を絶つという最悪の結果で終わっているようです。
洗脳とか暗殺とか、おだやかじゃないですね(;・∀・)
スペンサーが初めてローカー捜査官に出会ったとき、握手を拒否しましたよね。
そして、ローカー捜査官がポンポン、と、スペンサーの手を叩いたときのスペンサーの「ちょっ…」というリアクションが笑えました。
その後、ロシア語で会話ができ、ディケンズ愛読者で急接近、最後は部屋の片付け手伝って…
スペンサー、ローカー捜査官をコーヒーに誘いましたよね。
そしてローカー捜査官もそれを待っていた!
そして2人は握手~。
おお、いいんじゃない?!
と思ったのですが、その後進展なし。
ちょっと残念な気もしますが、スペンサーは読書趣味が会う女性に惹かれやすいのかな^^;
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リード: "The truth is rarely pure and never simple." — Oscar Wilde
(「真実が純粋であるのは稀で、単純であることはまずない」オスカー・ワイルド)
シー・スターズ「ハロー」(Halo by Sea Stars)