謎の若者が連続殺人犯?!

クリミナルマインド2 殺人衝動

 

 

リードが出会った謎の若者は、報道される前にすでに殺人事件の詳細を知っていた!

 

一連の娼婦殺人事件の犯人?!

 

と、誰もが思うけど、結末は最後の最後までわからない!

 

 

スリリングな中にも哀愁漂う
クリミナルマインドシーズン2 第11話「殺人衝動(Sex, Birth, Death)」のあらすじと感想です。

 

 

 


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「殺人衝動」のあらすじ

出勤途中のリードは、駅構内で一人の若者に声をかけられる。

 

 

若者は、ノースウエスト高校の学生で、ジョージタウンでリードの性的サディストについての講義を受け、リードに興味を持ったという。

 

話は娼婦殺人の話になり、「被害者を何度も刺して、髪の毛を切ったりするのは…」と、具体的に描写し始めた若者に、不信を抱いたリードは、一緒にBAUに行こうと誘うが、男子高校生は足早に去ってしまった。

 

 

BAUに到着するなり、地元警察に電話をかけて確認すると、まだ公表されていないが、首都で相次いで娼婦をターゲットにした連続殺人事件が発生していたことがわかる。

 

しかも、新しい被害者は、何度も刺され、髪の毛を切り取られており、あの男子高校生が描写したのとほぼ同じ内容だった。

 

 

今回発見されたのは2件目とみられる事件で、1件目の事件も早朝発生していた。

 

しかし2番めの被害者の腹部には、大きく"HELP"(助けて)と刻まれていた。

 

 

司法解剖の結果を聞くギデオン、ホッチナー、リードの3人は、刻まれた文字を目の当たりにする。
周囲にためらい傷も多くあり、遺体の状況を見たギデオンは、若者の犯行と推理する。

 

リードと出会った男子高校生が容疑者として有力視され、リードは彼を取り逃がしてしまったことを後悔する。

 

 

 

一方、被害者が発見された現場を検証するモーガンとプレンティスは、娼婦仲間にリードがスケッチした若者の似顔絵を見せると、そのうちの一人が見かけたことがあるといい、いつもこちらの様子をうかがっていた、と説明する。

 

 

 

Karen Steyer(カレン・ステイヤー)下院議員がホッチナーのオフィスを訪れ、この事件捜査に介入するなら、事件の詳細は報道しないでほしい、と注文する。

 

ステイヤー下院議員は、売春と麻薬の犯罪率が、取締りによって下がってきたということをアピールするためだった。

 

事件解決を優先しようとするホッチナーに、ステイヤー下院議員は、事件を公表したら、捜査から外す、と暗に脅しをかけ、部屋を出る。

 

 

その後プレンティスとステイヤー下院議員が親しげに話しているのを見たホッチナーは、プレンティスが何か絡んでいるのではないかと疑問を持つ。

 

 

似顔絵とリードの記憶を頼りに、例の男子高校生を探すリードとガルシア。

 

そしてついにその身元を突き止めた。

 

Nathan Harris(ネイサン・ハリス)という私立高校に通う学生だった。

 

 

リードはギデオン、モーガンとともにネイサンの家を訪れると、ネイサンは待っていたようにリードたちを出迎えた。

 

そして、「娼婦の殺人はしていないが、殺人はしたいと思っている」と告白する。

 

ネイサンは母親の目を盗んで売春地域に出かけ、娼婦たちの行動を見ていたのだった。

 

 

リードに被害者の遺体について描写できたのは、2件目の被害者の遺体を発見したからだと説明した。

 

 

ネイサンの取り調べでをしたギデオンは、殺人衝動を持つネイサンに対して精神鑑定の必要性を感じ、母親に許可を得て預かることにした。
(※正しくは"juvenile authoritiesというところで預かることになります。
少年院?児童施設?少年課?訳語が正確にわからなかったので、省略しました")

 

 

ネイサンを拘束中に、新たな事件が発生する。

 

被害者の腹部には、今度は"FAILURE"(無能)と刻まれていた。

 

前の犯行から2日しか経っていないこと、メッセージが攻撃的になっていることから犯人の怒りがどんどんエスカレートしていることが感じ取れた。

 

 

犯人が次の犯行を起こすのは明らかだった。

 

 

一方ネイサンの精神鑑定が専門家立ち会いのもとギデオンによって行われた。

 

 

鑑定を終え、ギデオンはネイサンが将来殺人を犯す可能性が高いと判断、ネイサンの母親に入院させて治療させることを強くアドバイスするが、母親はこれを拒否、ネイサンを連れて帰宅してしまう。

 

 

BAUに戻ったホッチナーは、プレンティスをオフィスに呼び出し、プレンティスのことを信用しきれていないこと、ステイナー下院議員との関係を疑ってることを話す。

 

 

プレンティスは「自分は政治とは距離を置いている。話はそれだけなら、犯人を捕まえたいので現場に戻る」と言って、部屋を出る。

 

 

 

ネイサンの様子が気になった母親が、ネイサンの部屋を開けるとそこにネイサンの姿はなかった。

 

 

ネイサンの行方がわからなくなった夜、またもや売春婦が殺害された。

 

今度はメッセージもなく、これまでの犯行に見られた犯人の特徴は発見されなかった。

 

 

リードは、この殺人事件で礼拝堂にずっといたというネイサンを容疑者として逮捕する。

 

 

この事件は殺人衝動に駆られたネイサンが起こしたのか、それとも?

 

 

そして一連の娼婦殺人事件の犯人は?

 

 

 

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「殺人衝動」の感想

殺人衝動に突き動かされて事件を犯す犯人と、殺人衝動で将来殺人犯になってしまうのでは、と、葛藤し続けるネイサンがとても対照的でした。

 

事件の犯人と言うよりも、殺人衝動を持つ少年、ネイサンのほうが印象に残ったエピソードでしたね~。

 

 

殺人をしたいという欲求に悩まされているネイサンが、どんなふうに苦悩しているのか、その心の悩みが痛いほど伝わって来ました。

 

 

その苦悩しているネイサンを助けようと必要以上に気遣うリードですが、悩み続けているネイサンがとても悲しく、そしてネイサンのために必死なリードの姿。
最後の場面では泣きましたね~。

 

初め、犯人はネイサンじゃないかな、と思って心配してしまいましたが、犯人は別にいてホッ。

 

これはホント、良かったです。
ネイサンのキャラがすっかり好きになってしまったので、犯人にだけはなって欲しくなかったから。

 

最後、ナイフを取り出したシーンにもドキッとしましたが、相手を傷つけるためでなく、自分を傷つけるためでした。

 

ここでは「ネイサン死んでしまうの?!」と、心配になりましたが、スペンサーのおかげで一命を取り留めてホッとしましたよ。

 

 

スペンサーは、ネイサンを助けたことで将来犠牲者が出てしまったら、と、自分の行動に疑問を持ちましたが、ネイサンが将来人を殺すかどうかわかりませんし、少なくともネイサンの母親は、息子が命拾いしたことで安心するでしょう。

 

ギデオンの「ネイサンが人を殺したら捕まえる」という言葉には、犯罪を予防するという点では限界がありますが、その時は自分たちの仕事をするまでなんですよね。

 

治療をちゃんと受けて、人に危害を加えないネイサンになってほしいです。

 

 

 

あと、ホッチが未だにエミリーを信用していないというのは、ちょっとさみしいなー、と思ったんですが、その時のエミリーの対応は大人で立派でした。

 

犯人特定のきっかけとなったのは、「内密に捜査するよう」ホッチにクギを刺したステイナー議員の記憶だったというのは皮肉でしたよね。

 

 

全体的に哀しいエピソードでしたが、ネイサンとスペンサーの関係が、泣けるほど良かったことがとても印象的で、大好きなエピソードの一つになりました。

 

 

スペンサーとネイサン

このエピソードで一番光ったのが、スペンサーとネイサン。

 

2人は友情にも似た、不思議な感情で結ばれていたような印象を受けますが、出会いから最後自殺しようとしたネイサンを救うまでが、つい2人を男女に置き換えてしまうほど、ドラマチックな演出でした。

 

通勤途中のスペンサーにネイサンが声を掛けるという設定からインパクトありましたよね(スペンサーはオフィスまで電車通勤なんですね~)。

 

そして、

  • 似顔絵だけを手がかりにネイサンを探し出す。
  • さらに殺人衝動を必死に抑え、「人を殺すくらいなら、自殺したほうがいい」というまで思いつめてるネイサンを放っておけなくなるスペンサー。
  • 事件が解決して、別れの言葉を交わし、名残惜しそうに別れる2人。
  • スペンサーの名刺を脇に置いて自殺を試みるネイサン。
  • そして、必死でネイサンを助けるスペンサー。

 

こうしてみると、設定をちょっと変えれば(例えば女性が不治の病にかかるとか)、ラブストーリーになるほどの展開ですよね!
だからなおさら2人の間には、友情にも似た、特別な「何か」を感じてしまうんですよね~(2人の間に恋愛感情は感じませんが)。

 

 

殺人衝動を必死で抑えるネイサンが健気でしたが、シリアルキラーは、長い間の妄想を現実に移したいという衝動が大きくなって殺人事件を起こすと言われています。
殺人を思いとどまらせるためには、この妄想を鎮めたりするケアが必要なんですね。

 

今プロファイリングがどんどん普及してきて犯人逮捕に役だっているのなら、今度はネイサンのように、殺人衝動に悩まされている人たちをケアする方法が発達して欲しいですね。

 

 

ところで、ネイサンが聴講したというスペンサーの講義はシーズン2第9話に登場した、「ミル・クリーク・キラー」です。

 

もう一つ裏ネタ。
ネイサンを探す時に、スケッチを見せていましたが、そのスケッチは、リード役のマシュー・グレイ・ギュブラーが実際に描いたものなんですね。

 

マシュー 似顔絵

 

 

似てる似てる。
あの頬のこけ具合と、目の辺りがネイサンそっくりですね。

 

マシューは絵が得意!

 

こうした小さなことも、クリミナルマインド見てないとわかんないので気づけることが嬉しかったり♪

 

 

やっぱりいいですね、クリマイは。

 

 

ネイサン役はアントン・イェルチン

ネイサンを演じたのは、アントン・イェルチン。

 

クリミナルマインド2 第11話「殺人衝動」のあらすじと感想
出典

 

 

1989年3月11日、ロシアのサンクトペテルブルグ(当時はソビエト連邦ロシア連邦共和国レニングラード)で生まれ、1989年にアメリカへ渡ります。

 

アントンは、9歳の頃から俳優として活動していて、なるほど、エピソード内の存在感は、こうした下地があったからなんですね~。

 

 

アントンは
「アトランティスのこころ」
「15ミニッツ」
「スタートレック」
「ターミネーター4」
などに出演しています。

 

俳優としての地位を確立し、これから、というときの2016年6月19日、自分の車と郵便受けに挟まれて亡くなっているのが発見されました。

 

享年27歳。

 

これからの活躍を期待していただけに、とても残念です。

 

 

ちなみにスペンサー役のマシュー・グレイ・ギュブラーとアントンは、友人同士だったそうです。

 

 

 

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「殺人衝動」キャスト

  • ロンダ・マリー・アルストン(Rhonda Marie Alston) 路上の売春婦
  • グレッグ・バーグリア(Greg Baglia) 警察官
  • トリシェル・カナテラ(Trishelle Cannatella) ジェーン
  • トーマス・クロフォード(Thomas Crawford) ロナルド・ウィームス
  • ジャニー・ハダッド(Janie Haddad) 笛を鳴らした売春婦
  • エミリー・ブローク(Emily Brooke Hands) ロンダ
  • メル・ハリス(Mel Harris) カレン・ステイナー下院議員
  • ベン・ヘルメス(Ben Hermes) 制服警官
  • ロナルド・ハンター(Ronald Hunter) ヴィクター・バーンズ刑事
  • バナディーン・ジョーンズ(Burnadean Jones) マエ
  • スージー・カンター(Susie Kantar) クリスタル
  • アニー・ラルーサ(Annie LaRussa) リンダ・ウィームス
  • ケイティ・マグナソン(Katy Magnuson) ホーリー
  • マルコ・アントニオ・マルチネス(Marco Antonio Martinez) メディック
  • ジョアンナ・ランボー(JoAnna Rhambo) 売春婦
  • マルヴィン・シャピロ(Marvin Shapiro) 弁護士
  • ジェシカ・タック(Jessica Tuck) サラ・ハリス医学博士
  • アントン・イェルチン(Anton Yelchin) ネイサン・ハリス

「殺人衝動」で引用された格言

リード: T.S. Eliot wrote, "Between the idea and the reality, between the motion and the act, falls the shadow."
(T・S・エリオット「思想と現実の狭間、提案と実行の狭間に、影が差すのだ。」)

 

 

リード: T.S. Eliot wrote, "Between the desire and the spasm, between the potency and the existence, between the essence and the descent, falls the shadow. This is the way the world ends."
(T・S・エリオット「欲望と衝動の狭間、潜在と実在の狭間、本質と適正の狭間に、影が差す。こうして世界は終わる」)

「殺人衝動」で使用された曲

クリマイ挿入曲 ザ・ピクシーズ「ワェア・イズ・マイ・マインド?」 (Where Is My Mind? by The Pixies)

 

 

クリマイ挿入曲 イーグルス・オブ・デス・メタル「アイ・ゴッタ・フィーリング(ジャスト19)」(I Gotta Feeling (Just Nineteen)) by Eagles of Death Metal)

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