小説に傾倒する爆弾魔?!

クリミナルマインド2 第8話「エンプティ・プラネット」のあらすじと感想

出典

 

 

公共の場に爆弾を仕掛ける爆弾魔が登場!

 

 

不気味な爆弾予告を続ける犯人の意図は?

 

 

犯人がサイエンス・フィクション小説「エンプティ・プラネット」に傾倒するのは、ただ内容に興味があるだけではなかった。

 

 

その真の理由がラストで明らかになる!

 

 

クリミナルマインドシーズン2 第8話「エンプティ・プラネット(Empty Planet) 」のあらすじと感想です。

 

 

 

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「エンプティ・プラネット 」のあらすじ

ナショナル・ニュース・ネットワークに、「爆弾を仕掛けた。今日の午前中には爆発するだろう」という予告電話が入った。

 

他のニュースネットワークにも同様の脅迫電話がかけられてきたが、ホッチナーたちが捜査要請を承諾した時は、どこに爆弾を仕掛けたのか不明で、犯人が本当に予告通り爆弾事件を起こすかどうかもわからなかった。

 

 

しかし犯人の

"This is only the beginning until it is brought back under control."
(これは「それ」がコントロール下に戻されるまでの始まりに過ぎない)

 

というメッセージから、爆弾が本当に仕掛けられ、爆破させるという可能性は強いと、ホッチナーたちは見ていた。

 

メッセージの「it」は何を指しているのかという疑問が残る。

 

 

 

犯人の予告通り、シアトルでバスが爆破された。

 

 

現場検証をするギデオンたち。

 

JJは、犯人が接触してきやすいように「今回の爆発は、事件ではなく、事故かも知れない。」と、メディアに向かって発表し、ギデオンあてに情報提供をするよう呼びかけた。

 

 

一方、Askins(アスキンス)爆破物処理班は、復元した爆弾を、仕掛けられた爆弾の分析を行なっているモーガンとリードのところに持ち込む。

 

そして2人は、矢が刺さったロボットのようなイラストが彫られているのを発見する。

 

矢が刺さったようなロボットの絵

 

 

犯人はもしかしたら反テクノロジー主義者かもしれない。

 

 

シアトルエリアで、半テクノロジストによる過激活動がないかどうか調べていたガルシアは、1ヶ月前、タコマにある科学研究所でコンピューターを次々に破壊している男の映像を発見する。

 

 

さらに、セント・デニス大学のインターネットカフェが標的にあい、フロッピーディスク爆弾が送りつけらる。
そこにはやはりロボットのマークが書かれたメッセージが残されていた。

 

 

ここでようやくギデオンは、犯人が残したメッセージの"it"の意味を理解する。

 

 

ホッチナーたちは犯人のプロファイルを発表する。

  • 犯人はシアトルに住む独身男性で、自営業と見られる。
  • 管理能力が高く、慎重で物腰がとても柔らかい。
  • しかし、感情面で問題が有り怒りっぽく、よそよそしい態度をとったりする。
  • 彼を知る人間は、変わり者と見ていて、彼が逮捕されても近隣住民は驚かないといったタイプの人間。

 

 

その時、ティップラインにギデオン宛に犯人から電話が入る。

 

犯人はFFTという組織の人間で「Allegro(アレグロ)」と名乗り、予告電話をかけたのに、誰の責任でもないと解釈していることに怒りをぶつける。

 

そして会話の終わり際、ガソリンスタンドを爆発させたのだった。

 

 

爆発のあった現場に向かい、そこでギデオンたちは犯人のマニフェスト冊子を発見する。

 

犯人の要求は、まったく非現実的で、「アメリカ人労働者たちに取って代わった機械類をすべて1週間以内に停止すること、さもないと大きな爆弾を爆発させる」というものだった。

 

 

アレグロという名前が主人公の小説を、子供の頃に読んだことを思い出したリード。

 

その本は、David Hansberry(デーヴィッド・ハンスベリー)の「エンプティ・プラネット」。
人間を再生産する方法を見つけたロボットが、世界を征服し、人間性の危機を12歳の主人公アレグロがロボットたちに立ち向かうというものだった。

 

 

その話を聞いている時にJJは、爆発したバスに、テクノロジー専門家のクック博士が乗っていたことを思い出す。

 

さらに、クック博士が座っていた座席の下に初めは爆弾が入った傘が置かれていたが、傘に気がついた乗客が運転手のところにそれを持っていったことにより博士は命拾いしたのだ。

 

 

つまり、犯人は無差別に人を狙っているのではなく、特定の人間を殺害するために、爆弾を仕掛けているのだ。

 

 

クック博士に面会し、話の中で、クック博士がハンスベリーとは友人であることがわかる。

 

さらにその後の調べで、ハンスベリーというのは実はペンネームで、本名はUrsula Kent(ウルスラ・ケント)というセントデニス大学でポストモダン文学を教える教授ということがわかる。

 

 

クック博士に身の危険を感じたギデオンは、護衛を申し出るが、クック博士はこれを拒否する。

 

しかし、その直後車に仕掛けられた爆弾で殺害されてしまった。

 

 

ギデオンとリードは大学に行き、ケント教授と面会する。

 

ケント教授は、身に覚えがないと話していたが、例のロボットの形をしたネックレスを身に着けていた…

 

 

 

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「エンプティ・プラネット 」の感想

犯人は反テクノロジー主義者という設定。
相変わらずこういう設定には驚かされます!

 

しかも、架空の小説まで用意されていて、なかなか凝ってますね~。

 

 

この小説、ほんとうにあるのかと思ってググってしまいましたよ^^;

 

 

犯人が初め爆弾予告をしたときに、本当に起こるのかどうか、起こるとしたらどこか、というのは特定出来ませんでした。

 

というか、不可能に近いですよね、1本の電話でそれを知るには。

 

 

なので、起きてみないとわからないとなってしまうのですが、ここにプロファイリングの限界を感じました。

 

といっても、プロファイリングはもともと連続殺人事件を解決するための方法なので当たり前といえば当たり前なのですが…

 

 

どこかで起こるはずなのに、それを起こるまで待っている、って嫌な気持ちになりますね(-公-`;)

 

 

で、実際に爆発が起きて、ギデオンたちが捜査に乗り出すことになりましたが、事件があったバスの中を見渡したギデオンの顔が、とても印象的でした。
爆発するとは1ミリも疑っていなかったであろう乗客たち。

 

その人達が送っていた何気ない日常を思い浮かべていたのでしょうか。
それとも、爆発が起きるまで動くことができず、救えなかったことに悔しさをにじませていたのでしょうか。

 

ギデオンの目には涙が浮かんでいるようにも見えました。

 

 

何か起きなければ動けない。
これはどうしようもないことなのですが、同時に、自分の力の限界を感じる時でもありますよね。

 

 

いずれにしても、一番悪いのは犯人!
犯人は「エンプティプラネット」に傾倒して、その世界を実現させようとしますが、物語の主人公になることで、自分はヒーローになれるとでも思っていたのでしょうか。

 

養子だったため、同じ時期に子供を手放したケント博士のことを実の母親と信じ込む始末。

 

物語の最後が、主人公が母親を殺害するということで、犯人はケント博士の命を奪おうとしますが、事件に巻き込まれたケント博士は気の毒でした。

 

ケント博士が手放したのは、娘なのに、説明しても聞く耳持たない犯人。
よっぽど「自分はケント博士の実子だ」ということにしておきたかったのでしょうね。やれやれ。

 

 

スリルがあって、犯人は勘違い野郎で、架空のSF小説が登場する。
こうした要素が絡み合って、興味深いエピソードに仕上がっているなと思いました!

 

 

モーガン、かっこよすぎ!

ケント教授は、クック博士ともう一人、Brazier(ブルージャー)博士にも講義を頼むことがあって、この教授もターゲットになりました。

 

 

仕掛けられた爆弾にの車に乗ってしまい、動くと爆発するので、教授は運転席に座り続けるしかありませんでした。

 

 

爆弾処理班の作業中、ずっと教授の手を握りしめていたモーガン。

 

ホッチにどくようにと言われても、「爆弾が取り除かれるまで自分はここを動かない」ときっぱり。

 

 

うわ~、やっっぱりかっこいー!

 

ハンサムすぎる、モーガン。

 

 

ブルージャー博士になりたかった(笑)

 

 

それは置いといて、博士がモーガンのおかげで踏ん張れたのは間違いないですよね。

 

 

いい味出してたアトキンス

それと、サブキャラですが、アスキンス爆弾処理班員の活躍にも見どころでしたね~。

 

爆発した爆弾を見事に復元したり、ブルージャー博士の車に仕掛けられた爆弾を無事取り除いたり。

 

この方の活躍抜きではロボットのマークもわからなかたし、話が進みませんからね。

 

 

また何かの形で登場して貰いたいな、と思いました!

 

 

機内でのシーンが良かった♪

事件が解決して機内でくつろぐBAUメンバーたち。

 

ホッチ、スペンサー、JJの3人は、トランプカードでゲームをしていましたが、ホッチが途中で席を立ちます。
そのときホッチがスペンサーに「ズルするなよ」とクギを刺しますが、その直後にスペンサーはホッチのカードをチラリ。

 

全然いう事聞いていない(笑)

 

プライベートでは、ホッチの指示は軽視されてるようですね^^;

 

 

そしてモーガンとギデオン。
そういえば、モーガンとギデオンの絡みってあまりありませんでしたよね。

 

だからこのシーンはかなり興味深かったです。

 

モーガンがブルージャー博士のそばについているとき、ギデオンはそれを心配していました。
高く評価している若者だからなおさら、と。

 

それをモーガンが「聞いたんだけど」ってギデオンに告げます。

 

ギデオンは、「モーガンの行動は馬鹿げている」と言います。
でもこれは、心配しているがゆえのことで、モーガンがそういう状況を黙って見過ごすことのできない人間ということは十分理解しているようですね。

 

「君の行動は間違ってるとは言っていない」という言葉にそれを感じました。

 

気にしてる素振りを見せないけれど、実は気にかけてるギデオン。

 

モーガンとスペンサーの立場が、オーバーラップしてしまいました。

 

 

セオドア・カジンスキー

セオドア・カジンスキー
出典

 

 

プロファイリングを発表しているときに、スペンサーが事例として挙げた「セオドア・カジンスキー」は、通称「ユナボマー」と呼ばれる、爆弾魔。

 

カジンスキーは、1978年から1995年にかけてと、長期に渡り自作の爆弾を、航空会社や大学、企業などに送りつけました。
この一連の爆破事件で、3名が死亡、29人以上が負傷しました。

 

カジンスキーは、16歳でハーバード大学に入学するほど、IQと学力がずば抜けて高い人物。
25歳には、カリフォルニア大学バークレー校の助教となり、将来が期待される存在に。

 

ところが、1969年、就任後わずか2年あまりで退職し、その後モンタナ州の郊外に建てた山小屋にこもって生活するようになったのです。
事件に使われた爆弾は、ここで製造されたんですね。

 

 

今回のエピソードで、犯人が爆破したガソリンスタンドに、「マニフェスト」を残しましたが、カジンスキーも、「ユニボマー・マニフェスト」と呼ばれる犯行声明文(「産業社会とその未来」)を、ニューヨーク・タイムズと、ワシントン・ポストに送りつけました。

 

これは1995年のことですが、掲載されたマニフェストを見たカジンスキーの弟が、「兄では」と気づき、FBIに通報したことがきっかけで、カジンスキーは翌年逮捕されます。

 

エピソードでは、マニフェストを呼んだケント博士は、犯人が自分の教え子ということに薄々気づき、かばおうとしました。そして、自分が撃たれても犯人をかばい続けていましたが、カジンスキーのケースと、対照的ですよね。

 

 

逮捕されたカジンスキーは裁判で終身刑を受け、フローレンス刑務所に服役中です。

 

 

 

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「エンプティ・プラネット」キャスト

  • トム・チョイ(Tom Choi) ニック・ケーシー特別捜査官
  • ジェイミー・エルマン(Jamie Elman) ケネス・ロバーツ
  • シェリル・フランシス・ハリントン(Cheryl Francis Harrington) ベッツィー・ブルージャー博士
  • ジェニファー・ジャリーン(Jennifer Jalene) カサンドラ・アトキンス
  • ダニエル・リアリー(Daniel Leary) ドリュー
  • バニー・レヴィーン(Bunny Levine) シルヴィア・コーヘン
  • ガビー・サナリトゥロ(Gabby Sanalitro) マーサ
  • ゲイリー・ウェンツ(Gary Werntz) エモリー・クック博士
  • ジョベス・ウィリアムズ(JoBeth Williams) ウルスラ・ケント教授

「エンプティ・プラネット」で引用された格言

ギデオン: Robespierre wrote, "Crime butchers innocence to secure a prize, and innocence struggles with all its might against the attempts of crime."
(マクシミリアン・ロベスピエール「欲望のため、悪は善を惨殺する。善は持てる力のすべてを尽くし、悪の試みに抵抗する。」)

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