クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド10第11話「永遠の人々」。
ネバダ州で発見された遺体は…凍っていた!
表面だけでなく、血液までも凍っている
え、でも待って、そこまで外気温は低くない!
待ち受けるミステリー、それに挑む我らがBAUメンバー
やがて顔を出すあるカルト集団の存在…
今回の犯人も、変わった性癖を持つ、なかなかキモいやつ!
クリミナル・マインドシーズン10第11話「永遠の人々(The Forever People)」のあらすじと感想です。
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ネバダ州ボルダーシティのフーヴァーダム。
布に包まれ、重石をつけて沈めたとみられる女性の遺体が発見された。
身元は判明されておらず、死後どのくらい経っているかという特定も難しかった。
女性は凍っており、血管も凍っていたが、遺体が発見された周辺は体内の血液が凍るほど寒くはない。
遺体の画像を詳しく見ていたJJは、遺体の胸骨の上に感電した痕を見つける。
ロッシは、フーヴァーダムはラスベガスからそれほど遠くなく、ヒットマンの可能性を指摘する。
リードは、犯人は遺体を包んで重石をつけて沈めるという犯人の行動を指摘する。
これらの作業は誰かの目に触れられる危険があるだけでなく、凍った遺体はジュースの中の氷のように、浮かびやすいからだ。
モーガンは、犯人は殺人に慣れていなく、今回が初めての犯行ではないかと推測する。
いずれにしても被害者の身元を割り出すのが最優先だったが、なかなか見つけることができなかった。
遺体が発見されたミード湖は、ネバダ州とアリゾナ州の境界線にまたがっていることに気がついたモーガン。
ガルシアが、ネバダ州で情報を収集すると、やがて歯の治療記録から被害者は、アリゾナ出身のサラ・ローズという、判明する。
サラはボビー(Bobby)という10歳の息子を持つシングルマザーでアリゾナに住んでいたが、ボルダーシティ内の複数のATM機を利用していることが分かっており、毎月決まって260ドルを引き下ろしていた。
サラの検死を行った検死官から報告を聞くJJとリード。
サラの爪には着ていたとみられる衣類の繊維が残っていた。
リードは、人間の核心温度が85度に達すると血管の収縮が狂い、心臓が極度に働く感覚に襲われ、たとえ極寒の中でも服を引きちぎってまでも脱いでしまうということを指摘する。
JJは、犯人がダッハウ強制収容所で行われていたような人体実験を行っているのではないか、と考える。
更に2人は、サラの左脇に感電した痕を発見、サラは強制的ではなく、自発的に冷凍庫に入り、その後犯人によって電気ショックを使って蘇生を試みられたと分析する。
JJとリードはボビーの消息を探すため、アリゾナに住むサラの友人と会って話を聞く。
友人は、ボビーの父親について、サラは一度も話したことがないと答え、全く手がかりがつかめなかった。
サラが去った理由も、友人はあるママたちが集まるグループに参加するためと説明を受けていただけで、その後はほぼ音信不通となっていた。
サラはカルト教団に入信し、これまでの交友関係を絶っていたのだ。
サラが入信したカルトを見つけるのは困難を極める。
しかしこの教団は、信者を冷凍させて蘇生させるといった「洗礼」を行っていることから、ホッチナーたちは過去に凍傷にかかって治療している信者がいるはずと推測する。
その後の調べでガルシアは、トム・ファロン(Tom Fallon)という男性が、3年前に凍傷の治療を受けていたことを発見する。
モーガンとケイトはトムの家を訪れ、未だに洗脳されている本人と会話をする。
そこでようやく「永遠の人々」という、カルト教団の名前を知るのだった…
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久々のカルト系のエピソードでしたね。
カルトは私の想像を超えるような展開が多いのですが、このエピソードもそうでした。
冷凍⇒蘇生⇒合格!
なんだよそれ(;・∀・)
このエピソードのアンサブも、チャーミングで狂ってるリーダーかな、ってず~っと思ってました。
でもそうでなかったこのどんでん返し。
教祖じゃなかったんですよね、犯人が。
これはまったく予想外でしたので、徐々に犯人が明らかになっていったときは、ドキドキハラハラしながらドラマの展開を見守りました。
行方不明のボビーとお父さんをつなげるストーリー展開も、意外性ありましたよね。
こちらの場合は、なかなか味があって惹きつけられました。
最後は親子の絆にぐっときて、涙腺崩壊。
JJのPTSDと並行して、感情移入ができたエピソードでした。
真犯人は、人間を凍らせることに快感を覚える犯人でした。
ジョン・カナック
出典
そんな嗜好があるとは。
「永遠の人々」に入信したきっかけは、入信前の「冷凍」があるからでしたが、それだけでは飽き足らず、脱退したい信者を冷凍にして殺害していました。
ジョンは子どもたちの見守り役でしたが、「このメガネを掛けた人が犯人?!」と、目を疑うほどごくごく普通の外見。
それが正体ばれた後一気にシリアルキラーの顔になっていったのにはゾッと来ましたね~。
ジョンが冷凍に興味を持ったきっかけは、子供の頃山で遭難して、凍死寸前になる経験をしたからですが、サイコパスの気質がもともと備わっていたんでしょうね。
現場へ向かう機内で、スペンサーが、「ミード湖には1908艇のボートがある」と言いました。
それを不審に思ったケイトがどこからその数字が来たかと聞くと、人口密度から試算したと答えるスペンサー。
ますますスペンサーの数字に疑惑を抱くケイト。
それを見ていて勢いづいたのがモーガンでしたね!
「仲間を10年待っていた」って、ほんと嬉しそうだったけど、モーガンてけっこう執念深いですね^^;
ケイトとモーガンチームが優位かと思われましたが、ロッシの「スペンサーが正しい」という言葉に崩れましたね~。
スペンサー強し!
モーガンはもう10年末必要があるかも(笑)
JJはシーズン9「200」で、ティヴォン・アスカリに拉致されますが、それがPTSDとしてずっと引きずっていることが、今回のエピソードで描かれていました。
JJがトラウマで苦しんでいる様子をいち早く察したスペンサーに気持ちを吐露しますが
受けた精神的苦痛は想像以上に重く、抜けきれない状態の中仕事をしているJJの悲痛さが痛いほど伝わってきました。
忘れろと言われても忘れられないですよね、ホント。
最後はスペンサーがエミリーにお願いして作成したアスカリについての資料に目を通しますが、そのときにアスカリの幻想?と対話、JJを破滅させようと悪魔のように囁いてくるアスカリを
完全に拒否しました。
芯が強い、JJ!
前より吹っ切れたようだけど、どうなんでしょうね。
少しずつ立ち直ってがんばってほしいです(/_;)
遺体の状況から、JJがダッハウで行われていたような人体実験では、と推測しますが、ダッハウはナチスの強制収容所の一つで、ドイツのダッハウに建設されました。
エピソードでも触れられましたが、ダッハウ収容所では「超高度実験」と「冷却実験」という囚人を利用した人体実験が行われていたんですね。
○超高度実験…人間はどのくらい高度の低気圧に耐えられるかを調べるための実験
○冷却実験…冷たい海面に落ちたパイロットを救出できるかどうか調べるための実験
聞くだけでも恐ろしいですが、特に冷却実験は囚人を凍死させ、蘇生可能かどうか調べたということで、JJはここから今回の事件をリンクさせたのかもしれませんね。
エピソードの中で、実際に存在したカルトリーダーの名前が何人か挙げられましたが、簡単にご紹介しておきます。
1.ジム・ジョーンズ(Jim Jones)
キリスト教系カルト教団「人民寺院」の教祖。
貧しい黒人を中心に信者を増やし、次第に狂信的なカルトリーダーとしてのさばり始めます。
1977年およそ1000人の信者とともにアメリカから逃げるように南米ガイアナのジャングルにジョーンズタウンを設立。
そして1978年、追い詰められたジョーンズは「革命的自殺」として信者912人とともに集団自殺を図って死亡。
2.トニー・アラモ(Tony Alamo)
アラモミニストリーズ(アラモ・クリスチャン・ファンデーション)というキリスト教系カルトの教祖。
1969年、トニーは妻のスーザンとともにアラモミニストリーズを設立、1982年にスーザンが亡くなると、教団はミュージック・スクエア・チャーチ(MSC)と名前を変えます。
この頃から設立当初の目的が薄れ、トニーの悪行をカモフラージュする、隠れ蓑的な存在に。
1991年頃からトニーは幾度となく逮捕され、その中には児童性的虐待容疑も含まれていました。
びっくりたことに、アラモミニストリーズは未だ活動してるようで、トニーの名前を冠した「トニー・アラモ・クリスチャン・ミニストリーズ」というWebサイトがあります。
3.チャールズ・ディードリッヒ(Charles Dederich)
薬物やアルコール依存症で苦しむ患者を救施設シナノン(Synanon)の設立者。
シナノンは1958年に設立され、当初は2年間の強制プログラムを実施ていました。
ところがあまり効果が現れなかったため、ディートリッヒは「ゲーム」を実施。
内容はグループセラピーや、メンバーを侮辱することによって自分の弱さを克服する「ソシアルコントロール」といったものでしたが、やがてディートリッヒの意思のもとに動く洗脳へと変化を遂げ、犯罪の巣窟と化していきます。
ディートリッヒは1978年に逮捕、リーダーを失ったシナノンは迷走を続けついに1991年実質的に解散しました。
人間を冷凍させて蘇生させる「人体冷凍保存」研究をしている、アメリカの非営利団体。
1972年チェンバリン夫妻によって設立、2010年には会員924名、冷凍保存されている遺体は98体あるとのこと。
アルコー延命財団には、アメリカ野球界のヒーローテッド・ウィリアムズの遺体も冷凍保存されているということで、すごいなあと思ったのですが、財団の内情はかなりグロい部分があったり、テッド・ウィリアムズを含め遺体を巡って裁判沙汰を何度も起こしていますし、会員の狂信的までな人体冷凍保存の執着には、一種のカルト的要素を感じてしまいます。
いろんな考えや信条があってもいいけど、無理くり人をつき合わせてはいけないですよね(;・∀・)
カルトの世界は深い、そして、一度ハマったらでてこれないような深い闇を感じます…
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JJ: "Every man has his secret sorrows which the world knows not; and often times, we call a man cold when he is only sad." — Henry Wadsworth Longfellow
(「どの人も人知れず悲しみを抱えている。そして我々が冷たいと呼ぶその人は、ただ悲しんでいるだけなのだ」ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー)