クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド10第12話「英雄の死」。
奇妙な連続殺人事件がフロリダで発生!
犯人は被害者を安全な場所に送り届けて殺害?
殺害前に911コール?
殺害に乗り気じゃない?
謎に隠されている解決の種を一つ一つ見つけるホッチたちのチームプレーに注目!
そしてロッシは大事な人の死に直面…
エピソードを超えた思いがつまる
クリミナル・マインドシーズン10第12話「英雄の死(Anonymous)」のあらすじと感想です。
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ジョイと家族に会えることを心待ちにしていたロッシのもとに思いがけない訃報が届く。
ハリソン・スコットが、骨肉腫で亡くなったというのだ。
ロッシは予定を変更し、神妙な面持ちで一人ロサンゼルスに旅立つ。
一方のBAUメンバーたちは、フロリダ州タラハシーで発生した不可解な事件の捜査にあたることになった。
3日前、ベティ・ライト(Betty Wright)という黒人女性が、病院の前で死亡しているのが発見された。
ライトは病院から10マイル離れた場所で交通事故を起こしており、犯人がライトを病院まで運び、そこで彼女を射殺したのだった。
同一犯による事件は以前にも発生していて、クリフ・ダニエルズ(Cliff Daniels)という黒人男性が、教会の階段でやはり射殺体となって発見されている。
両方の事件で同じ銃が使われたことから、同一犯によるものと断定されたのだった。
現地へ急ぐホッチナーたちのもとに、今度はヴィクター・ホール(Victor Hall)という白人男性が撃たれたとの報告が飛び込む。
ホールの友人によると、その日はホールとともにカウンセリングを受け、建物の中から出てホールと別れたあとに、事件は起きたという。
友人は、ホールに襲いかかる犯人の姿を目撃しており、犯人は始めにヴィクターの頭を殴った後銃を頭に向けたが、どこを狙おうか迷ってるような行動を覚えていた。
さらに、ホールの方を振り向いたのはサイレンの音を聞いたといい、犯人が自ら事前に電話をかけた可能性が強まる。
ダニエルズ検死結果の報告を聞くリードとケイト。
犯人はダニエルズの頭に銃弾を打ち込んだものの、ダニエルズの直接の死因でないことに2人は疑問を抱く。
犯人は被害者を殺害するのが目的ではない?
911通報から、ホールが殺害されるまで時系列で分析を行ったホッチナーたちは、犯人が被害者を生かそうとしているのではないかという可能性が浮上する。
そんな中、新たな事件が発生。
犯人は犯行前に911に電話をかけているが、新たな被害者は他の被害者と違い5発の銃撃を受けており、初めから殺害目的であったような状態だった。
ガルシアの調べで、ダニエルズが教会の前で発見された日、いつも行われている礼拝がたまたまキャンセルされたことがわかる。
そのため、ダニエルズは発見が遅れて死亡した。
それを回避するため、以後911に電話をかけてから被害者を襲うようになったのではないか。
なぜ犯人は被害者を生かそうとするのか。
犯人の不可解な行動を理解するため、ホッチナーたちはもう一度ライト殺人現場の監視カメラを分析する。
監視カメラには、犯人がライトを病院の前に置いてから殺害するまでの一部始終が収録されていた。
映像を見ていたホッチナーは、犯人がライトの腕のブレスレットを見てから態度が変わったことを見逃さず、さらに分析を進めると、ライトの腕につけていたブレスレッドは、メディカルアラートブレスレッドで、ライトは臓器ドナー登録者だったのだ。
そして、これまでの被害者がみな臓器ドナー登録に登録していることがわかる。
ホッチナーたちは犯人のプロファイルを発表する。
やがて新たな事件が発生するが、今度の被害者は、臓器提供者ではなく、移植待ちの患者であった…
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犯人は始めからわかっていましたが、「殺人に消極的なシリアルキラー」という設定がクリマイにしてはなかなか新鮮でしたよね。
なぜ犯人がそうするのか、理由はどんどんわかっていきますが、「そうなるなら、始めからそうすればよかったじゃん!」と言いたくなる終わり方でしたね(;・∀・)
犯人が臓器ドナーかどうか、どうやって見つけるのか、その方法がわかったときには「なるほど!」という感じでした。
犯人の気持ちはわからないでもないけど、そのために大事な命を幾つも奪うというのはやっぱりダメですよね。
クリマイですので、
事件が起こる⇒プロファイリングで解決する
というのがメインですが、今回は邦題にもあるように、ロッシとスコットのほうが印象に残りました。
スコットさん。
好きなキャラだっただけに、残念です(涙)
フランク・コスグローブ
出典
胆汁うっ滞になり、肝臓移植が必要になった娘、エステルとその息子を抱えるフランク。
エステルは、移植を待つ長いウェイティングリストの一人。
待っていたら命が尽きてしまう。
娘を助けるために臓器ドナー登録者を狙っていましたが、ついには同じように待っている患者にまで手をかけましたよね!
それほど切羽詰まってる状況というのはわかりますが。
娘を助けたいあまりに凶行に走ってしまった犯人。
どこかで娘に対する愛情が歪んでしまったようですね。
最後フランクは、自らの命を断つことで肝臓をエステルに影響する道を選びました。
決して最善とは言えないけれど、他人に危害を加えるなら、もっと早くこっちを選んでいればよかったのに、ですよね。
はぁ。
エピソードの冒頭、ロッシのオフィスでおもちゃの釣りを楽しむモーガン。
何度か挑戦して、ようやく1匹釣れた!!
子供のように喜ぶモーガンとロッシ。
終いに
ロッシ:「(魚が釣れたので)じゃあ必要なのは小さなガーリックバターと2008年もののプイィ・フュイッセ(辛口の白ワイン)だな」
モーガン:「小さなミートハンマーがあってもいいな」
なんて冗談が飛び出す始末(笑)。
おもちゃとは言え、初めて魚釣りを成功させたモーガンと、ジョイとの再会を心待ちにしているロッシの喜び度合いがよく分かるシーンでした。
まあ、今更ですけど。
捜査の進展の大きな転機になったのが、ホッチが監視カメラを分析して、ベティの腕のブレスレットを見た時、犯人のボディランゲージが変わったことを見逃さなかったところ!
そして、犯人がどうやって被害者に目星をつけたかというのも、被害者の共通点を探し出し、皆陸運局が関係していると突き止めたところ!
さすがや、さすがBAUのリーダーや!
と、興奮してしまいましたね~(笑)
そんなすごいことを涼しい顔してするので、もう、ホッチの魅力大爆発!の瞬間でした。
スコットの訃報を聞き、落ち込むロッシにハグしたガルシア。
あ~、やっぱりガルシア。
ロッシの気持ちを察して、本当に優しいです。
スコットのことは2人の秘密ということになりましたが、その後ロッシがガルシアに電話をかけたとき、「今の所嘘ついてますが、嘘ついている時の顔をしているようで…」と、ロッシに訴えましたよね。
ロッシとの約束を頑張って守ってるガルシアのひたむきさに笑ってしまいました。
これもガルシアらしいですよね(笑)
ロッシが娘ジョイをランチに誘い、「トニー・ベネットの曲を演奏するイタリアンレストラン」に行こうと言いますが、トニー・ベネットは、アメリカの大御所歌手。
イタリア系アメリカ人で、1950年代から1960年代にかけて
「ビコーズ・オブ・ユー」
「コールド・コールド・ハート」
「霧のサンフランシスコ」
といった大ヒット曲を飛ばし、一時代を築きます。
その後もコンスタントに曲をリリースしたり、若手歌手らとデュエットしたり、人気や活躍の場を広範囲に広げています。
2016年で90歳を迎えましたがまだ現役で、第一線で歌っているというのがすごいです!
ロッシの音楽の趣味は、本当に渋くていいですね~。
再会以来、衝突しながらも温かい友情を育んできたロッシとスコット。
今回は悲しい別れになってしまいましたね。
スコットの息子、トーマスによれば、ロッシとスコットが最後に会った時(「帰郷」)、すでに自分ががんに冒されて死期が近づいているのを知っていたそうです。
なんか、頑固者のハリソンらしいというか、でもやっぱり何も言わずに去ってしまうなんて、悲しいですよね(/_;)
好きなキャラクターだっただけに、これは寂しいです。
ハリソン役のメシャック・テイラーも、2014年に直腸がんで亡くなっていて、「帰郷」のエピソードが、彼の最後の出演でした。
実はジョーとメシャックは、44年来の友人。
役者として初めての仕事も一緒、そして最後の仕事も一緒だったとか。
なんか運命を感じますね(涙)
「帰郷」の中で、ロッシとハリソンが中華を食べていて、ロッシがフォーチューンクッキーを開けるようにハリソンに勧めますが、ハリソンがそれを拒むというシーンがありました。
病魔にかかっていたのがわかっていたから、将来のことは知りたくなかったのかもしれませんね。
このときハリソン同様メシャックも、自分の命がもう長くないことを知っていたと思ったら、メシャックがハリソンとして出演したことに運命みたいなものを感じました。
そして、今回のエピソードで一番感動的で、一番強烈に印象が残ったシーンが、最後のハリソンの葬儀シーン。
ロッシはガルシアに頼んで、ハリソンと縁のあるベトナム時代の戦友を探し出し、葬儀に参列しますが、この人達は実際のベトナム戦争時代のベテランたち。
ロッシの友人の一人、空軍大佐も出演しています。
さらに、アメリカ国旗をトーマスに渡した人物は、本物の3つ星将官で、海兵隊式の葬儀は実際に行われる場合とほぼ同じなんだとか。
今回のエピソードは、ジョー・マンテーニャが監督しましたが、丁寧に作られていたんだなあ、と改めて感じました。
ロッシがハリソンに敬意を表する気持ちと、ジョーがメシャックを偲ぶ気持ち両方が、ストレートに伝わってきたのがこの葬儀のシーンでした。
トーマスじゃないけど、ぐっときすぎて涙こらえるの辛かったです(´;ω;`)
私の好きなエピソードの一つに決まりです♪
ベトナム戦争時代、負傷したロッシにハリソンが渡したパープルハート章。
これは、名誉負傷章のことで、戦地で負傷したり死亡したり、行方不明などになったアメリカ軍兵士に対して送られる勲章です。
記章の表面にはワシントンの胸像レリーフが、裏面には“FOR MILITARY MERIT”という文字が彫られています。
1932年に、マッカーサー陸軍参謀総長(当時)によって始められましたが、その前身は、アメリカ独立戦争に遡り、ジョージ・ワシントンが1782年に制定したバッジ・オブ・ミリタリーメリットなんですね。
ちなみに当初の記章は、ハート型の紫色の布片でした。
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キャラハン: "Death is the only god that comes when you call." — Roger Zelazny
(「呼び出す時に唯一来るのは「死の神」だけ」ロジャー・ゼラズニイ)
ロッシ: "As life runs on, the road grows strange with faces new. And near the end, the milestones into headstones change, 'neath every one a friend." — James Russell Lowell
(「人生という道は、見知らぬ顔との出会いとともに進んでいく。そして終わりに近づくと、人生の転換期が墓石に変わる。その下では皆友人だ」ジェイムズ・ラッセル・ローウェル)
マーク・マンシーナ「メイン・タイトル」(Main Title by Mark Mancina)
ボビー・ヴァレンティノ「アノニマス」(Anonymous by Bobby Valentino (feat. Timbaland))
キャシー・ハート「マンデッド・ソウルズ」(Mended Souls by Casey Hurt)
ロッシがハリソンの棺にパープルハート章を置きますが、そのときに流れていました。
いつもながら、シーンに本当にマッチしてますよね。
文句のつけようがないです!