クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド12第17話『昼と夜の狭間』。
フェニックスで連続殺人事件発生!
え、別件でも連続事件起きていなかったっけ?
一方気になるのは、スペンサーのこと。
ガルシアが泣き崩れるほど事態は深刻。
そして、事態を打開するために立ち上がったのは…ルーク!
クリミナルマインド12第17話『昼と夜の狭間(In the Dark)』あらすじと感想です。
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バーモント州バーリントン郊外。
狩りをしていた55歳のボブ・ジョプリンが、射殺体で見つかった。
類似事件がここ数週間で発生しており、今回が3人目の被害者だった。
BAUは、同地域で捜査支援を受けており、関連性も含めて捜査を開始する。
先に捜査をしていた事件では、女性2人が犠牲になっていた。
2人とも自宅で殺害されており、身体には無数の刺し傷が残されていた。
両方の事件には、共通点はない。
ハンターを狙った事件は、昼間発生しており、ライフルで被害者男性の心臓を狙い撃ちしている。
一方の女性を狙った事件は夜間発生しており、ナイフで被害者を何度も切りつけている。
そんな折、6人目の被害者が出る。
被害者は34歳のマイク・フッドで、自宅で心臓を一突きされた状態で発見された。
今回の被害者は男性で、これまでの女性とは異なる。
また、ハンターを狙った事件では、犯人はLNT(Leave No Trace)ルールに従い、現場にDNAを残していないが、フッドを殺害した犯人は、自らのDNAをそこら中に残している。
一つ共通点があるとしたら、致命的な傷は、心臓への刺し傷だ。
現場検証をしていたJJとルイスは、ハンターを狙った事件も殺傷事件も、同一人物によるものと結論づける。
それを裏付けるかのように、後日犯人のものと見られるDNAが、事件現場の森で発見され、それが刺殺事件と同じものであることがわかった。
新たな事件が発生する。
被害者は男女のカップル。
事件現場の実況見聞から、犯人は裸足で侵入し、犯行に及んだことが分かった。
昼間は道徳的に問題のある人物を殺害するという使命感から、夜は昼間抑圧されている殺人衝動を爆発させているのではないか。
BAUメンバーは、犯人のプロファイリングを発表する。
同一犯による全く異なる犯行の手口を描いた、ユニークなエピソードでしたね!
なぜこうも、やり方が異なるのか。
理由を聞いてなるほどね、と思ったものの、詳しい背景が描ききれてないからか、部分的なこじつけ感はありました。
スペンサーのエピソードが入っているから仕方ないと言えばそうなのですが…
同一犯による異なる犯行の手口、しかも夜間は睡眠状態というのはびっくりでした。
そして、もっとびっくりしたのは、ルークの活躍!
カルヴィンの弱みを握り、スペンサーを守るようプッシュしていましたね~。
仲間のためならできる限りのことをする、という誠実さが伝わってきた反面、「あの温厚なルークが」という気持ちが無きにしもあらず。
まあ、これだけ仲間思いで正義感のあるキャラだと好感持てますけどね。
意外なことが多かったという意味で、印象に残るエピソードだと思います。
久しぶりに、気の毒に思えた犯人でした。
トレイ・ゴードン
出典
同情するのは、け、決して「ちょっと好みだったから」というわけではありません!
物心ついたときから薬と性が身近にあるという、育った環境が悪すぎました。
精神障害になってしまうのも、分かる気がします。
夢遊病者となって、悪夢となった場所に戻り、犯行に及ぶなんて…
そこまで酷いことをされたのかなと思ったら、気の毒になってきました。
8人の命を奪ったことを聞いて、大きなショックを受けていましたよね。
ふてぶてしい態度でお縄になるヤツばっかりだったので、これは新鮮でした。
情報屋を殺害したとして、服役中のカルヴィン。
でも、犯行の動機は、スペンサーに語っていたのと違っていたのでした。
殺害した情報屋とデキていたとは。
ルークは、このケヴィンのシークレットと引き換えに、スペンサーを守るよう迫っていましたね。
これで状況が変わるといいけれど。
次回はどうなるんでしょうね?!
今回のエピソードは、ロックバンドPhish(フィッシュ)が誕生したバーリントン市が舞台でした。
フィッシュのメンバーは以下の4名。
そして、彼らの名前は、エピソード内の登場人物にも使用されています。
フィッシュは1983年に結成され、2004年に一度解散しました。
その後2008年に再結成され、現在も活動を続けています。
過去に来日し、コンサートも行っているんですね。
フェニックスで2006年に起きた事件として挙げられた、「ベースライン・キラー」と「シリアル・シューター」は、どちらも実際にあった事件です。
フェニックスのベースライン通りで、2005年から2006年にかけて、女性ばかりが狙われる事件が発生。
被害者はティーンエージャーも含む15人の女性で、性的暴行を受けた上、金品を奪われました。被害者15人のうち11人の女性が誘拐され、うち9人が殺害されるという、残忍なものだったのです。
強盗、強姦、誘拐、殺人と、悪事の限りを尽くしたベースラインキラーは、マーク・ゴードー。
逮捕時は、保釈処分を受けていました。
逮捕後に明らかになった、実の姉妹への暴行も含め、19件の事件で起訴されました。
2007年12月、ゴードーは、性的暴行の罪で懲役438年の実刑判決を受けた他、2011年11月には殺人の罪で死刑判決を受けています。
シリアル・シューターは、ベースライン・キラーと同じく、2005年から2006年にかけて、フェニックスで発生した連続殺人事件。
犯人のデール・ハンスナーと、サミュエル・ディートマンのコンビは、無差別に発砲、ターゲットになったのは、人間だけでなく動物も含まれていました。
一連の事件で、8人が命を落とし、20人以上が重軽傷を負いました。加えて、彼らは少なくとも2件の放火事件を引き起こしています。
2009年、ハンスナーは死刑判決、司法取引に応じたディートマンは終身刑の判決を受けました。
その後ハンスナーハ2013年に死亡(自殺と見られています)、ディートマンは服役中です。
寝ている間に異常な行動をすることを、「睡眠時遊行症(夢遊病)」と言います。
あるデータによると、子供の2~3%は、夢遊病を何回も体験するそうです※(実は私もそうでした)。
※参考:こころのはなし
異常な行動の中には、相手を傷つけたり殺害してしまうケースもあります。
被害者にとっても加害者にとっても、怖いことですよね。
寝ている間の行動ですから…
夢遊病者によって引き起こされた殺人事件について、いくつかご紹介します。
アメリカ史上初の夢遊病殺人者。
ティレル(1824~1880)は1846年、売春婦であり不倫相手でもあった、ブルック・ビックフォードを殺害しました。
裁判にかけられたティレルは、夢遊病が原因であると主張(夢遊病の常習者だったそうです)。
夢遊病が原因と認めるかどうか賛否両論となりましたが、最終的にティレルは無罪となりました。
1987年、23歳のパークは義父母の家を訪れ、義母をアイロンで殴り殺し、さらに義父を絞殺しようとしました。
パークと義父母の関係は良好でしたが、パークはギャンブルによる借金と、会社をクビになるなど私生活が不安定で、睡眠障害を患っていたといいます。
事件を起こしたパークは、その足で「義父母を殺したかもしれない」と警察に自首し、睡眠状態だったため事件のことは覚えていないと主張しました。
パークの脳波が不安定であること、犯行の動機がないこと、話に一貫性があることなどから、パークの主張は認められ、1992年、カナダ最高裁判所の判断によって無罪となりました。
2004年、83歳のエドワード・ロウの遺体が発見され、息子のジューリーが逮捕されました。
ジューリーは父親殺害を認めつつも、犯行時は何も覚えていないと主張します。パラソムニア(睡眠時随伴症)と診断されたジューリーは、無罪となり、釈放されました。
※シーズン6第24話『終わりなき戦い』で、組織のメンバー役として出演
JJ: "Life, of course, never gets anyone's entire attention. Death always remains interesting, holds us, draws us." – Janet Malcolm
「生きている事自体に目を向けることはないが、死は常に興味深く、我々を引き付けてやまない」 ジャネット・マルカム
ルイス: "How blessed are some people whose lives have no fears, no dreads, to whom sleep is a blessing that comes nightly and brings nothing but sweet dreams." – Bram Stoker
「不安も恐れもなく生きている人は、なんと恵まれていることか。彼らにとって眠りとは、毎晩甘い夢をもたらしてくれる幸せなものなのだから」 ブラム・ストーカー