クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド11第9話「二重スパイ」。
麻薬組織に挑む覆面捜査官がターゲットに!
しかも麻薬取締局に二重スパイがいる疑惑が浮上!
被害者の顔に別人の顔の皮を貼り付ける犯人の動機は麻薬、それとも…?!
クリミナルマインド・シーズン11第9話「二重スパイ(Internal Affairs)」のあらすじと感想です。
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国家安全保障局のアクセルロッドに呼び出されたホッチナーは、DEA捜査官が巻き込まれている事件についての捜査を依頼される。
NSA(国家安全保障局)とDEA(麻薬取締局)は、共同でリベルタ(Libertad)という麻薬組織の捜査にあたっていたが、組織の拠点であるテキサス州エルパソに潜入した3人のDEA捜査官が行方不明になり、うち1人が遺体となって発見されたというのだ。
リベルタは、オンラインとオフラインで客と取引していたが、覆面捜査官たちは客になりすまして組織の人間と接触していた。
アクセルロッドは、DEAに所属するバーナード・グラフ(Bernard Graff)が事件に関与しているのではと疑っており、ホッチナーにその証拠をつかむよう指示する。
グラフは局長補佐という立場から捜査の詳細を知っている上、手首にフラッシュドライブを肌身離さず身につけていた。
そのフラッシュドライブを使ってリベルタのサーバーにアクセスしている可能性があるというのだ。
DEAとNSAにそれぞれ分かれて捜査を開始するBAUメンバーたち。
遺体で発見されたのはDEAに所属するマーク・バワーズ(Mark Bowers)捜査官で、覆面捜査官としてエルパソに潜入し、5日後に遺体となって発見されたのだった。
死因は絞殺だったが、バワーズ捜査官の顔面には、他の人間の顔の皮膚が張り付けられていた。
バワーズ同様、行方不明になっているジョン・ポートマン(John Portman)とサラ・マイルズ(Sarah Miles)両捜査官も、麻薬カルテルの覆面捜査官で「バワーズの遺体は外に向けられた麻薬組織のメッセージが込められているのでは」とモーガンは推測する。
そして、覆面捜査官がターゲットになっているということは、内部に二重スパイがいることを示唆している。
DEA本部に到着したホッチナーは、グラフの出迎えを受ける。
グラフたちは組織の下層にいるメンバーの名前は把握しているが、上層部の人物の特定に難航していた。
リベルタ運営者は"ジョージ・ワシントン(George Washington)"、サイモンという情報屋はナンバー2の名前を知っているというが、身の危険を感じていて口を割ろうとしなかった。
エルパソに到着したJJとタラは、ロペス捜査官と会う。
ロペス捜査官は、「サラは夫と初めてデートをした記念日に、夫の携帯に無言電話をかけてきた」ことを話す。
携帯電話の電波は郊外にあるバーからであることがわかり、JJとタラはバーのオーナーに話を聞く。
オーナーによると、サラは「サッカーママ」と話をしていたことを覚えていた。
検死結果の報告を受けるモーガンとロッシは、犯人は丁寧に事案をかけて顔の皮を剥いでいる上、その皮を正しい位置につけるためにバワーズの顔に画鋲のようなものをつけていたことを知る。
行方不明になっていたポートマン捜査官が遺体となって発見される。
ポートマンの体には脱水症状が見られ、電気で焼かれた痕が無数に残っていた。
さらに、ポートマンの顔からは皮が剥がされていたのだった。
検死の結果やポートマンの遺体の状況から、ホッチナーたちは犯人の犯行動機は麻薬ではなく、それを利用したシリアルキラーの犯行と断定、犯人のプロファイルを発表する。
その後情報屋のサイモンが殺害され、バワーズ捜査官の顔につけられた顔の皮膚は、アーヴィン・コール(Arvin Cole)という麻薬常習者のものであることが判明するなど、事件は新たな局面を迎える。
そんな折、ホッチナーはグラフから、大事な話があるから至急会いたいとの連絡を受け、待ち合わせ場所に向かう…
今回のエピソード、「FBI vs. CIA」を彷彿とさせましたね。
どちらのエピソードもエリート機関の"お偉いさん"が黒幕でしたが、今回は怪しい"お偉いさん"が何人か登場したので
と、予想する余地があって、ワクワクをちょっと感じました。
ただ、麻薬ネットワークと、猟奇的なシリアルキラーの組み合わせは胸焼けしますね(;´Д`)
最後の方で、犯人が潜伏しているらしき建物にモーガンとタラが到着しますが、そのときに携帯の電波が悪くなってタラが一人になってしまったときは、最高にドキドキしました。
ホント、心臓に悪かった~(・_・;)
と、グロいストーリー展開だった今回のエピソードでしたが、黒幕が誰だか判明して逮捕された時はスッキリしました!
そして、アクセルロッドに呼び出されて捜査の依頼を受けてから犯人逮捕まで、冷静に対応していたホッチ仕事ぶりが光ってました~(*´ェ`*)ポッ
こういう上層部がでてくるエピソードは、ホッチに似合うかもしれませんね~。
あとは、ガルシアの軟禁生活ぶりがちょっと垣間見れて心がなごみました。
こういう暗いエピソードには、ガルシアの存在って大きいかも。
ガルシアにとっては苦痛な軟禁生活ですけどね(笑)
今回は2つの犯罪が絡み合っていました。
麻薬犯罪組織リベルタの黒幕が、アクセルロッドの上司。
ブライアン・コクラン
出典
裏の顔がバレるのを恐れたコクランは、組織を摘発しようと活動していたDEA捜査官をシリアルキラーに送り込んでいました。
その片棒を担がされたのが「サッカーママ」ことジュリアン・カーター。
ちょっと話が横道にそれますが、検察官の夫を持つジュリアンは、JJとロッシの取り調べに対してかなり横柄だったので、それがけっこう鼻につきました。
そして、被害者を手にしたシリアルキラーは、麻薬犯罪を隠れ蓑にやりたい放題。
ヤコブ・デュフォー
出典
子供の頃から精神障害があり、動物の頭をカットしたり皮を剥がして身につけたりと、エド・ゲインさながらの奇行を露呈していました。
架空の人物ですが、「親何してたの!?」って言いたくなりますよね。
クルクルパーだから、罪の意識とか傷つける程度とか全く関係なし。
それがものすごく残酷さを強調していましたよね。
犯人が、ポートマン捜査官の皮をかぶってサラに近づくシーンが一番グロくて嫌いなシーンです…
ここまで人の同情心を踏みにじるようなシリアルキラーの登場は、久しぶりですね。
最後は私の大好きなモーガンにあっけなくやられてすっきり。
そうじゃなかったら不満が残って苦しすぎる!
あんまり頻繁に登場してほしくないタイプの犯人でした。
エピソードの始めのほうで、アクセルロッドがホッチに「以前頼みを聞いた」と言いましたよね。
なんだろうと思ったら、ああ、アクセルロッドは今回が初登場ではなく、シーズン10の21話「かぎ爪の悪魔」に出てました。
あのときはバレたらクビになることを覚悟で、知人であるホッチにハッキングした人物の名前が書いたメモを渡しましたよね。
なるほど、ホッチにはその借りがあったのか。
だから今回はホッチの番、ということですね~♪
仕事中にグラフからウイスキーを勧められ断ったホッチ。
その時グラフがホッチに、「アクセルロッドが『(ホッチは)エリオット・ネスの生まれ変わりのようだ』と言っていた」と言いましたが、エリオット・ネスは実在した酒類取締局の捜査官。
エリオット・ネス(1903-1957)
出典
1987年に映画化された「アンタッチャブル」の主人公、と言えばわかりやすいですね。
ちなみにこの映画はネスの自伝「アンタッチャブル」がベースになっています。
1927年に酒類取締局に加わったネスは、その後アル・カポネを摘発するために結成された特別捜査班のリーダーに就任。
50人いた捜査員をより直ぐって11人まで絞り、精鋭化。徹底的に情報を収集し、カポネの懐柔作戦も歯が立たないこのチームはマスメディアで「アンタッチャブル」(手出し出来ない奴ら)とまで呼ばれるようになりました。
アンタッチャブルは、100万ドル相当の醸造所を摘発したと言われています。
ネスはその後FBI入管を希望しましたが、フーバーに嫌われていたようでその夢は叶いませんでした。
理由としては、「カポネを捕まえる」というFBIの手柄をネスに横取りされたとも言われています。
ネスは正義感が人一倍強く、ワーカホリックと呼ばれるほど仕事にすべてを捧げていたということですが、悪を許さず徹底的に捜査する、仕事にすべてを捧げているというホッチと似てるところがありますね。
BAUの軟禁生活に嫌気が差し始めたガルシアですが、その様子を聞いたロッシが
"I'll bring her a new garden troll."
(新しいガーデントロールを持ってくるよ)
と言いましたが、garden trollは、庭に置くトロールのこと。
「トロール」はもともとノルウェーに伝わる妖精のことですが、アニメ映画の「トロールズ」や、やはりアニメ映画の「フローズン」に登場しているトロールだと想像しやすいかも知れませんね。
え、なんでガーデン・トロール人形なの?!
って、突っ込みたくなりましたが、ガルシアに、って考えたら、妙に納得してしまいました^^;
飾る場所は家の中だけど、いると癒やされそうですよね。
今回は、ホッチの冷静さが光ったエピソードでしたが(いつものホッチなんだけど^^;)
最後、ガルシアと一緒にベジタリアンオムレツを作るシーン、よかったですよね~。
ガルシアにつきあって料理を作るホッチ。
仕事の顔からプライベートの顔になって笑顔がこぼれるのですが、そのギャップにやられてしまいました!!
BGMに流れる、キャシー・ヘラー(Cathy Heller)の"I'LL BE BY YOUR SIDE"も、場面にぴったりでしたよね♪
「いつもそばにいるよ」ってホッチの気持ちを代弁しているようですし、軽やかな曲調が、ガルシアとホッチの楽しい気持ちを表現しているようで。
毎回思いますが、ほんとにいい曲選びのセンスしてますよね、クリマイって♪
ホッチナー: "The enemy is within the gates. It is with our own luxury, our own folly, our own criminality, that we have to contend." — Marcus Tullius Cicero
(「敵は門の中にいる。我々はおのれのおごり、愚かさ、犯罪性と闘わねばならない。」」マルクス・トゥッリウス・キケロ
キャシー・ヘラー「アイル・ビー・バイ・ユア・サイド」(I'll Be By Your Side by Cathy Heller)