クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド11第10話「完璧な未来」。
フロリダで発見された年齢の全く違う男女の遺体!
しかも女性体からは血がほとんど抜かれていて、体には吸血鬼にかまれたような痕が!!
吸血鬼やカルトの仕業と大騒ぎしている中、ホッチたちがプロファイリングした犯人とは?
そして、BAUに軟禁状態になっているガルシアに、新たな進展が?!
クリミナルマインド・シーズン11第10話「完璧な未来(Future Perfect)」のあらすじと感想です。
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フロリダ州セントオーガスティンで、身元不明の男女の遺体が発見された。
遺体は人気のない沼地に遺棄されており、女性の体内からは血液が抜かれていることがわかった。
さらに遺体には動物に噛まれた無数の痕が発見される。
フロリダではクリエルシンジケートが店をオープンさせたばかりということもあり、「麻薬がらみの事件では」と予測するタラ。
現地に向かう飛行機の中で、ホッチナーたちは被害者の身元が判明したとの報告をガルシアから受け取る。
被害者は23歳のシャイアン・プラヴァート(Cheyenne Pravato)と71歳のジョージ・ヘニング(Heorge Henning)で、3日前から行方不明になっていた。
2人の接点は見つかっていない。
検死官によると、被害者たちの死亡推定時刻は24時間以内であり、犯人は丸2日間被害者たちを監禁していたことになる。
MEへ赴き、検死官から検死結果について話を聞くタラ。
検死官によると、被害者たちの胃には残留物が残っていなかったものの、健康状態に問題はなかったことから、静脈注射(IV)によって栄養を与えられていたと予測される。
そして、被害者の足には動物に噛まれた痕ではなく、外科的につけられた三角形の傷が残っていた。
さらに、奇妙なことにジョージの体内に残っていた血液は、なんとシャイアンのものだったとのDNA検査の結果が出たのだった。
地元警察に、アンドレア・ギャンブレル(Andrea Gambrell)という女性が失踪したとの通報が入る。
ギャンブレルの車が墓地の駐車場に放置されており、アンドレアはシャイアンと同じレストランでウエイトレスとして働いていたというのだ。
地元警察署内で、犯人のプロファイリングのため議論を交わすホッチナーたち。
ジョージは孤独で複数の病気を抱えている老人、一方のシャイアンは健康上問題はなく、ベジタリアンでライフスタイルを楽しんでいた。
犯人は、古い血液を新しいものに入れ替えようとしているが、もしかしたら遺体につけられた三角形の傷ははシンボルではなく、組織サンプルをとるためだとしたら?
犯人はもしかしたら医学的実験を行っているのかもしれない。
ホッチナーは、事件周辺地域で、倫理上に問題があったり不適切な治験で指摘されている医師や医療専門家がいないかどうか調べるようガルシアに指示を出す。
ガルシアは、調査中に、学生らで結成された「マッド・サイエンティスト・クラブ」というグループが過去に存在したことを発見する。
このグループでは、科学実験に興味のある学生たちが非公式で実験に関する話題を提供しあっていたということだが、毎回のミーティング場所が、アンドレアが姿を消した墓地だったのだ。
検死官からショッキングな検査報告を受けるタラ。
それは、ジョージの体内から、パーキンソン病治療薬である大量のレボドパが検出され、さらにDNAテストでは、クラゲや亀のDNAも発見されたというのだった…
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すごく気味の悪い犯行でしたよね。
初めは吸血鬼とかそっちの動機かと思っていたけど、他の人の血液を入れ替えようとしたり、動物のDNAを注入したりと、一体この犯人は何がしたいんだ?!
となぞなぞに突入しましたよね~。
ストーリーが進むにつれて、犯人が何をしたいのかが少しずつ明らかになってきましたが…
相手を助けたい、というよりも、実験を成功させたい、というのが本当の目的だったようですよね。
不老不死だなんて…
自己中なヤツ…
余命を宣告された妻と夫が最後の被害者でしたが、これは切なかったですよね。
退職後の余生を楽しく過ごしたい、という夢を持っていた夫婦で、妻の治療のために奔走していた夫。
そんな夫に近づいてきた犯人でしたが、その時はすでに犯人が誰だか知っていたので、夫には、「ノー!!」と言ってほしくてたまりませんでした(涙)
この夫が犯人でなかったことがせめてもの救いでしたが、残念な結果でしたよね(/_;)
被害者が同じレストランで働いていたり、過去にあったサイエンスグループの会合が、被害者が失踪した墓地だったりとか、なんかすぐわかりそうな偶然が多かったようなこのエピソード。
すぐわかって「つまらない」というより、「あ、当たった~♪」って嬉しくなったほうが強かったですね^^;
あと、軟禁状態になっているガルシアが、そろそろ極限に達してきた様子とか、ロッシがちょっとスペンサーっぽかったとか、笑いをつかむシーンもところどころにあってシリアスさとコミカルさのバランスが良く取れていたと思います♪
スペンサー、早く帰ってきて~。
子供の頃たまたま遭遇した老人の姿に衝撃を受けたことが事件発生の根底にありました。
ロバート・ボールズ
出典
成長してからは不老不死に興味を持ち、そのためには殺人も辞さないようになったボールズ。
不死身だったらいいなあ、と、誰でも一度は願うのは不思議ではありませんが、それを本当に実現しようとするなんて。
本人は科学者気取りだったのかも知れませんが、人体実験の何ものでもありませんよねヽ(`Д´)ノプンプン
妻の命を助けたい一心で、殺人鬼とは知らずロバートに託してしまったベン。
それが裏目に出てしまった結果になってしまいましたが、妻をこんなかたちで失うことになったベンは今後後悔しながら暮らすのでしょうか。
退職後に描いていた物すべてが幻になってしまったわけですが、そう思うと「この人が何したというの?」という気持ちになってしまいます。
切なすぎる。
エピソードの冒頭で、ガルシアとロッシがBAUでポーカーゲームしてましたが、賭けてるものが面白かったですよね~。
羽つきペンシルはガルシアらしかったし、ロッシはこだわりのシガー!
どっちも趣味が合わなくて、勝っても「いらねー!」って言いそうなものでしたが、2人の趣味がよく現れていて面白かったです。
ちなみに、ロッシが賭けたシガーですが、アルトゥーロフエンテの「フエンテフエンテオープスX」。
ウィキペディアによれば、世界中でもっとも珍重されているシガーで、入手が難しいとか。吸うというよりもコレクションしている収集家が多いようで、高価なシガーとして位置づけられているようですね。
日本でも手に入るようですが、1本あたりが高価なので、普通のタバコみたいにスパスパ、といくには勇気が入りそうです。
今回のエピソード、ロッシのコミカルな活躍が光っていたと思いませんか?
ガルシアとゲームするシーンもそうだったけど、「フロリダで水槽購入者を突き止めるというのは、アラスカで雪かきを買った人を突き止めるのと同じだよ」というふうに、小さなユーモアを含んだセリフが時々出てきましたよね。
それから、スペンサーらしい振る舞いをしたのも面白かった。
特定のクラゲについては、スペンサーを彷彿とさせるものがあり、JJも「おお~」って唸っていましたが、これは電話でスペンサー本人から聞いたようですね。
このオチ笑った~。
ヨーグルトとアイスクリームを食べようとウキウキしていた、パジャマ姿のガルシアのもとに、スーツ姿で顔色ひとつ変えずにホッチが慌ただしく駆け込んできました。
この2人のギャップが♪って笑ってる場合ではないようです!
なんでもガルシアを狙っている暗殺団のことで、重大な展開があった模様。
「つづく」で終わってしまいましたが、「着替えは誰かに持って来させるから、とりあえず行くぞ」的な感じだったので、気になりますよね。
次のエピソードで明らかになるのかな。
ようやくガルシアの籠城生活も終わりに近づくのでしょうか、それとも…
続きがとっても気になります!
モーガンが、麻薬組織絡みの殺人事件がブードゥー教につながっていたと事例を出しましたが、おそらくこれはアドルフォ・コンスタンツォのことだと思います。
コンスタンツォは、キューバ移民で、ブードゥー教の流れをくむ「パロ・マヨンベ」の熱心な信者であった母親の影響を強く受け、動物の生贄や魔術を身につけ、やがて麻薬組織とも親しくなっていきます。
コンスタンツォのもとに信者が集まり、テキサス州とメキシコのマタモロス国境にある牧場に麻薬の密売の拠点を置き、そこで独自に麻薬の売買を行っていました。
コンスタンツォは、麻薬の密売を成功させるには生贄が必要として、始めは動物を生贄として捧げていましたが、次第にエスカレートし、人間を生贄にするよう信者に指示を出していたのです。
生贄とされた人は、15人と見られ、最後の被害者は、テキサス大学に通うマーク・キルロイという大学生でした。
動物のかんだ痕が捜査に支障をきたしたとしてホッチが事例にあげた「ウエストメンフィス3」とは、1993年にアメリカのウエストメンフィスで起きた殺人事件。
被害者は3人の男児で、体にはひどい暴行の痕が残され、特に被害者の一人は、頭蓋骨の骨折や、性器が切り取られるなど悲惨なものでした。
ウエストメンフィスでは当時悪魔的儀式虐待が問題になっていて、悪魔崇拝者との噂のあった少年3人が逮捕されました。
ところが、この事件は
といった、警察の故意とも取れるミスの連続で、少年たちは冤罪では、と言う声が未だに根強いんですね。
なんか、警察内部の人間の犯行なんじゃない?!
と、疑ってしまいたくなるほどのずさんさですよね。
ちなみにウィキペディアによれば、プロファイラーは、被害者の内もっともひどい暴行を受けていた男の子の継父が犯人では、と指摘しています。
子供が失踪する直前に鞭で打っていたり、歯を全部抜いてしまったり、コロコロ言い分が変わったり、なんか怪しい人物です。
逮捕された少年たちも変わり者と見られていたので、こういうのも事件を混乱させる要因になってるかもしれませんね。
逮捕された3人は、1994年に死刑、仮釈放なしの終身刑、生涯+40年の刑とそれぞれ判決が言い渡されましたが、18年後の2011年に、有罪を認める司法取引をして釈放されています。
被害者が少年で、しかもひどい殺され方をした上、警察のミスが目立ち、真犯人がいるのでは、と余波の残るこの事件。
とにかく被害者の少年たちが気の毒です。
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ホッチナー: "The clock tocked loud. I threw it away. It scared me when it tocked." — Tillie Olsen
(「時計が大声で時を告げた。私は投げ捨てた。時計の声が怖かったのだ」ティリー・オルセン)
ホッチナー: "The first condition of immortality is death." — Stanislaw Lec
(「不死の第一条件は死だ」スタニスワフ・レック)
スティーヴン・デイヴィス「サムタイム・スーン」(Sometime Soon by Steven Davis)