クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド11第16話「デレク」。
第15話からの続き!
何者かに拉致されたモーガン、精神的・身体的に絶体絶命の大ピンチに!!
この先何がどうなるか、予測不能の展開にドキドキざわざわしっぱなし。
モーガンを救出するために立ち上がったのは、ホッチたちだけじゃなかった。
エピソードの始めから終わりまで、見どころばかり、トイレに行くのも忘れちゃう!
クリミナルマインド・シーズン11第16話「デレク(Derek)」のあらすじと感想です。
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前回は、帰宅途中のモーガンが何者かに連れ去られたところで終わりました(⇒ 詳しくは「バッジと拳銃」)。
今回はその続きです。
サバンナと会話中に、何者かに連れ去られてしまったモーガン。
サバンナから連絡を受けたBAUメンバーは、慌ただしくオフィスに集合する。
サバンナによると、モーガンを拉致したのは3人のグループで、モーガンが引きずられるような音を聞いたのを最後に音声が途切れたという。
犯人の計画的な行動から、プロによる犯行ではないかとJJは推測する。
BAUはネット暗殺組織の摘発を終えたばかりで、モーガンは復讐のために連れ去られたと考えられた。
なぜモーガンだったのか。ホッチナーは、「ターゲットはモーガンだけでなく、我々皆ターゲットだ」とし、メンバー全員の家族に護衛をつけ、サバンナをBAU内で保護する。
最後に発せられたモーガンの携帯電話の電波を特定したガルシア。
その周辺で発せられた携帯電話の電波を解析してみると、たった一つ、衛星経由で暗号化されたものがあった。
衛星を使った暗号化は、かなり高い技術が要るため、暗殺組織が今回の拉致事件に関与していると考えることに無理が出てくる。
私物を取りに自宅に戻るサバンナに付き添うJJとガルシア。
JJは近所に聞き込みをするが、怪しい人物の影はなく、犯行グループがモーガンを尾行していた形跡は見られなかった。
一方ガルシアは、犯人がモーガンとサバンナが使っていた家のネットワークをハッキングし、監視していたことに気づく。犯人が使っていたのはイントラネットで、それをたどっていくとCIAの公式サイトにつながった。
囚われの身となったモーガンは、拷問に備え意識を解離していた。
そうした意識状態の中で、モーガンは自分の将来を見、その中に初老の男性がいた。
初め誰だかわからなかったモーガンだったが、それは子供の頃殉職した父・ハンクだったのだ。
ハンクはモーガンが拷問に耐えるのを助けるために来たと言い、挫けそうになるモーガンを励ます。
激しい拷問に何度も心が折れそうになるモーガンだったが、ハンクの助けを借り、難局を乗り切ろうとする…
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モーガンのためのエピソード、といった仕上がりでしたね!
最後の敵があっけなかったという感はありますが、モーガンが拉致されてから救出されるまでのストーリー展開は、見事でした。
拉致される⇒ピンチ⇒無事救出という、筋書きはマンネリなんですよね。
でも、それをいかにもっていう話にしないで、モーガンの魅力を保ちつつ引っ張っていくというところが、もうたまりませんでした!
そしてモーガン役、シェマー・ムーアの演技。
彼抜きにしてはここまで感情移入は出来なかった、というほどの熱演でした。
今回ハンク役に名優ダニー・グローヴァーを迎えていますが、2人のやり取りには熱いものを感じましたよね。
特に最後のハグが良かった!
父と息子の深い深い絆が伝わってきて、感激しっぱなし。
そして、エピソードの最後。
ハンクとの会話でサバンナが妊娠していることに気づいたモーガンですが、これがあったからこそ最後のプロポーズシーンが最高に盛り上がったんだと思います。
涙腺崩壊、サバンナよかったね、ここでプロポーズ以外の展開はないでしょう!
最高だよ、このラスト。
こんな風に大満足した内容のエピソードでしたが、監督はホッチ役のトーマス・ギブソンだったんですね。
モーガンやクリマイ、ファンのことを知り尽くした彼だからこそできた仕上がりではなかったでしょうか。
このエピソードは、クリマイの中でも神回と言っていいでしょう!
今回のエピソードでは、モーガンの「解離した意識の中」を描くシーンが多く出てきました。
そこではモーガンを助けるため、亡き父・ハンクが登場。
初めモーガンはその初老男性が誰だかわかりませんでした。
私も「?」でした。
無理もないですね、ハンクは若くして殉職していますから、歳を重ねた父親は、息子でもわかるはずがありません。
○ 殉職した当時のハンク
出典
○ モーガンの解離した意識の中に現れたハンク
出典
拷問からモーガンを守るために、モーガンの意識を自分に引き留めていましたよね。
そこに親の愛を感じてジーンと来てしまいました。
ハンクは現実には存在しないんだけど、2人のやり取りには不自然さがなく、ひとつひとつモーガンの過去が明らかになっていく展開が良かったです。そこからサヴァンナの妊娠発覚という展開に変わり、親子の熱い抱擁で締め。これ以上のものはない、というくらいの仕上がりで、もう感動の一言。
モーガンのキャラに、人間の温かみを感じました。
シリアスな場面ばっかりだったエピソードに、唯一笑いのツボになったのが、天使姿のガルシア。
なんでここで?!
と思ったけど、ガルシアだから全然ストーリを邪魔していない!
そして彼女の登場が、モーガンに気づきを与え、捜査が進んだという流れがまた面白かった。
無意識の中でも繋がり合ってるって、ガルシアとモーガンの絆の深さを感じました~。
モーガンを拉致した犯人たちは、闇の請負グループでした。
そして、モーガンの拷問を担当したのは拷問のプロ。
エドガー・ソロモン
出典
一歩使い方を間違えると、自分も大怪我を負う恐れのある白リンを、手際よく使いこなしていたところはプロフェッショナルを感じてゾッとしました。
その後モーガンの逆襲に遭い、一時は負傷しながらも一命をとりとめましたが、携帯電話のSIMカードを飲みんで、モーガンが外部と連絡を取ることを阻止しようとします。
そして、唯一の望みが絶たれてしまったと逆上するモーガンの手にかかってあの世行き。
ソロモンが飲み込んだSMIカードを取り出すため、モーガンはソロモンの腹を裂きますが、拷問のプロの最期としては皮肉なものを感じますね。
というか、あの温厚なモーガンをこんな風に崩壊させるなんて、ソロモン怖すぎます!!
そして、モーガンの息の根を完全に止めるために登場したのが、「掃除人」ことエドガー・ブラッドレーでした。
彼も拷問のエキスパートということですが、登場時間が短かったせいか、ソロモンよりインパクトなかったですね。
どんだけモーガンを追い詰めるのかな、とドキドキしながら観てましたが、最期はあっさりスペンサーに撃たれてしまうし。
2時間枠だったら良かったかもしれないけど、残念な犯人でした。
ちなみに、ソロモンが拷問に使った白リンは、空気中で自然発火するほど発火性が高いんですね。
その白リンが皮膚に付着したら、火傷を負うほか、皮膚組織の腐食を引き起こし、最悪の場合肝機能障害や高リン血症を発症、死に至ることもあります。
白リンによる発火は、水で中和できますが、脂溶性なので完全に落とすことはできず、乾いた部分から発火するので、皮膚に付着するとかなり厄介だそう。
スペンサーが以前アドバイスしたとおり、白リンを中和するのに硫酸銅を使います。ただ、この硫酸銅も長時間皮膚に付着していると良くないので、白リンを洗浄したら水で洗い流すことが理想ということです。
モーガンを拉致したメンバーの一人の腕に掘られたタトゥーは、「The SASのモットー」ということを思い出したモーガン。
このSASは、「Special Aie Service」の略で、イギリスの特殊空挺部隊のことです。
「Who dears wins」は実際にSASのモットーで、直訳すると「勇気のある者が勝利をつかむ」。
短文だけど、とても訳しにくいですね。心の中では「そうそう」って納得するんだけど、うまい日本語が出てきません。
対テロや人命救助など、「目標は成功あるのみ」といった、失敗は許されない任務をこなす隊員に檄を飛ばすのですから、「勇者よ、勝利をつかめ」といったところでしょうか。
にしてもすごい仕事ですよね。精神的・肉体的にタフじゃないと務まりません。
モーガンがサヴァンナにプロポーズするシーンは、涙腺崩壊の何者でもありませんでしたよね。
それだけ感情移入がすごかったのですが…
本当に良かった!
思い出してもジーンと来てしまいます。
意識が戻ってちょうどいいポジションにサヴァンナがいて、ガルシアが気を利かせて出ていって、プロポーズするシチュエーションとしては完璧です!
クリマイでモーガンのプロポーズが観れるとは。
歴史の長さを感じてしみじみ。
エピソード内で、BAUメンバーたちがヘリコプターに乗るシーンがありましたよね。
あれ実は、シーズン8の最終話「レプリケーターの正体」で撮影されたシーンと同じなんだそうです。
なら、元メンバーのアレックス・ブレイクが見れるかも、と思って何度も巻き戻ししてみましたが、確認することはできませんでした。
もう一度「レプリケーターの正体」を見直したら、ほぼ同じシーンが登場。
このシーンでも、アレックスはチラッとしか映ってないのですが、ホッチと同じヘリコプターの後部座席に乗っていました。
モーガン少年がハンクに読んでもらっていた本は、イギリスの作家・テレンス・ハンベリー・ホワイトの「永遠の王」というファンタジー小説です。
アーサー王伝説が元になっていて、ウォート少年がアーサー王となって王国を築き、崩壊するまでが描かれています。
エピソードに登場したランスロットとは、アーサー王が結成した円卓騎士団の一員で、王妃グネヴィアの不倫相手。ランスロットとグネヴィアの禁断の恋は、小説の第三部「悲運の騎士」に描写されています。
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