クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド11第15話「バッジと拳銃」。
女性ばかりを狙った連続殺人事件が相次いで発生!
監視カメラが見守る中、白昼堂々と犯行を重ねる犯人!
ピリッとしたスーツ姿にバッジ、もしかして…犯人は内部の人間?
そして、事件並みに展開が気になるのがモーガンのプライベート。
サバンナとどうなっちゃうの?
ラストの意外な展開に、モヤモヤが爆発寸前!!
クリミナルマインド・シーズン11第15話「バッジと拳銃(A Badge and a Gun)」のあらすじと感想です。
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ロサンゼルスで、46歳のイザベラ・ジェーンの他殺体が発見された。イザベラの遺体はシーツにぐるぐる巻きにされ、寝室に放置されていた。前日には29歳のガートルード・スマイルが遺体で発見されたばかり。ガートルードの遺体もラグでぐるぐる巻きにされ自宅に放置されていた。
署名的行動が酷似しているうえ、2人の死因は窒息死、さらにイザベラとガートルードの自宅は5マイル(約8km)しか離れていないことから、ロサンゼルス警察は連続殺人事件と見て捜査を始めた。
ロサンゼルスに向けて移動しているホッチナーたちのもとに、新たな事件発生の報告が舞い込む。ロサンゼルスFBI支局に到着したホッチナーたちは、コルファックス捜査官から、被害者は48歳のパトリシア・ブラノンで、ウィリアム・スナイダーという性犯罪歴のある人物が容疑者として挙がっているとの報告を受ける。
パトリシアが殺害された現場を訪れるロッシとモーガン。
現場には監視カメラが設置されている、小規模な集合住宅地。
誰でも気軽に敷地内にアクセスできるが、すべての家の玄関は中庭に面しており、他の住人に気づかれやすいリスクがある。
しかし、パトリシアが襲われたときは一人として気づく者はいなかった。
こうした点から、ロッシは「犯人は計画的で犯罪慣れしている。アマチュアではない」と断言する。
現場の監視カメラを分析していたホッチナーたちは、カメラに映るアンサブらしき男を発見する。
男は背広を着ており、終始落ち着いた様子で行動している。カメラの位置を把握しているようで、顔が映らないようにしているという慎重さも見られた。首の左側を手で抑えており、何か隠している様子も確認された。
パトリシアの自宅のドアをノックする男。
パトリシアがドアを開けると、男は上着のポケットから何かを取り出すが、それを見たパトリシアの様子が変わったため、「それは警察バッジではないか」と、ホッチナーたちは推測する。
男の行動を見たコルファックス捜査官は「ロサンゼルス警察の刑事たちは、自分たちのバッジを誇りにしているため、ベルトやジャケットにクリップで留めている。もしくはチェーンにつないで持ち歩く」という。
それを聞いたJJは「犯人はバッジをポケットから取り出していたが、それはFBIと同じ。犯人は『身内』にいるのでは」との可能性を示す。
ガルシアはロッシの指示を受け、携帯電話の電波から捜査官の絞り込みを始める。
そこへ4件目の事件発生、捜査官が犯人という可能性が薄くなった。
これまでの被害者はみな独身女性だったが、4人目の被害者メアリー・レナハンは既婚者だった。メアリーの近所に住む住人の一人が、不審な男を目撃していたことをJJたちに話す。
住人は、不審な男のことを「背広を着こなしたハンサムな男」と描写し、メアリーの家から出てきた時は服装が乱れていたため、不倫相手だと説明した。住人は、男の首筋に蜘蛛の巣のタトゥーがあったことも話す。
蜘蛛の巣のタトゥーは「プリズンタトゥー」。
犯人は間違いなく内部の人間ではない。
ホッチナーたちは犯人のプロファイリングを発表する。
2番めの被害者、イザベラの遺体が発見された自宅を再訪問したロッシとモーガンは、近所に事件現場があることに気づく。
見張りの警察官に聞くと、イザベラが殺害される数時間前に、強盗殺人事件が発生していたことがわかった。
2人の依頼を受けて調査をシていたガルシアは、今回発生した事件すべて、発生する何時間か前に殺人事件またはレイプ事件が発生していた地域だったのだ。
犯人は警察無線を傍受しているかまたはアプリをスキャンして情報をキャッチしていたのだった。
犯人をおびき寄せるため、凶悪事件発生の偽情報を警察無線で流すコルファックス捜査官。
現場のパトロールを強化していた矢先、ロス市警のオリヴァー刑事は容疑者らしい男と出くわす。
声を掛けると男は「FBIのミラーだ」と名乗り、身分証明書を出すふりをしてオリヴァー刑事を撃って逃走。
犯人の特徴や乗っていた車について描写するオリヴァー刑事の証言から、ロッシは特徴的なアイテムに注目した。
それがきっかけとなり、事件は犯人特定という急展開を見せる…
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FBI捜査官を語る、とんでもねーヤツでしたね!!
人の善意につけこんで、しかも、事件が発生して不安になってる住民を狙うなんて。
堂々と犯行に及ぶし、警察の目を欺くのもうまい。さらに口もうまくて、最後はどうなるんだろうって思ってたら、けっこうあっさり終わってしまいましたね。
犯人が自分のことを語るシーンが全く出てこなかったせいか、なんでこんなことをするのかがよく理解できなかったです。
というか、感情移入ができなかったかな。
犯人の動機になる過去がガルシアの調査では分かったのですが、それがどれだけ強く影響しているかが描かれているシーンがもう少し欲しかったですね。
回想シーンとか、それを思い出して怒り狂ったり悶え苦しんでるシーンとか。
話のアイデアはよく、犯人の狡猾さもよく出ていただけに、この点がちょっと残念です。
それはそうと、モーガン!
サバンナの話したいことも気になるんだけど、モーガンが誘拐?!
スペンサーは何度もあるけど(笑)、モーガン拉致はクリマイ史上初めてのことなので、ビクビクしてます。
「つづく」ですし、どうなっちゃんだろう~…
防犯カメラに映ったとおり、FBI捜査官を装った男が犯人でした。
アンドリュー・ミークス
子供の頃に継父から極端な辱めを受け、学生時代にも同級生の罠にハマって体操マットにぐるぐる巻きにされてしまったんですよね。
こんな異常な経験をしたらひねくれる人生もわかるけど、この人はもともと閉所嗜好という性癖を持ってたようですね。
それがとあるきっかけで開花してしまった。
捜査協力しようとした被害者たちの親切心を欺き、さらには自分の社会復帰をサポートしてくれた元FBI捜査官まで裏切るとは。
本当に最低なヤツです!
刑務所で処世術を磨き、見かけもスマート。
でも中身はモンスターでした。
それから一つ気になったのですが、ミークスはパトリシアの家を訪問した時、息苦しそうにネクタイを緩めてましたよね。
首を圧迫されることにいたたまれなくなっているのか、それとも被害者を襲いたくなった衝動が抑え切れないのか。
これが閉所嗜好症の表れなのでしょうか?
う~ん、もう少し踏み込んだ描写なり説明なりが欲しかったですね。
エピソードの初め、サヴァンナの「話があるの」というメッセージに不安を覚えるモーガン。
モテ男&熟達プロファイラーのモーガンが、たった一言のメッセージでこんなに不安に陥るなんて!!
「話があるの」は、破壊力抜群ですね(汗)
確かにもやもやしますよね。
要件があったら電話で話せばいいのに、テキスト送ってくるだけって。
そして事件解決後。
モーガンはまだもやもやしているようで、サヴァンナに電話をかけて『話』を聞こうとしますが、サヴァンナは言わない。
悪い話ではないようなのですが、やっぱりもやもやしますよね。
そして最後の最後、なんとモーガンは暴漢に連れ去られてしまいました!!
画面には「つづく」の文字。
なになにこの展開?!
今度はこっちがもやもやしてしまいましたよ!
一生懸命働いているモーガンに変なことするな!!
という気持ちで一杯になってしまいましたが、今回のエピソードはモーガンのもやもやで始まって、モーガンのもやもやで終わった、という印象でした。
コルファックス捜査官は、今回で2度めの登場です。
1度目は今シーズン第2話「目撃者」で。
ロサンゼルスのFBI捜査官支局では、かなり高いポジションにいるようですよね。
ホッチとも以前から知り合いですし、前作そして今回もテキパキと仕事をこなす様子は、「デキる捜査官」を感じさせました。
こういうふうに、テキパキと第一線で働いている女性は好きですね~。
見ていてとてもスカッとします。
今後登場あるのかどうかわからないけど、コルファックス捜査官の活躍応援してます♪
モーガンとガルシアの電話のやり取りが面白いのは今に始まったことではありませんし、ガルシアがモーガンのことを「セクハラ用語」で呼びかけるのも全然珍しくありません。
「チョコレートサンダー」とか「12パック」もお馴染みですよね~。
でも今回は違った!
ガルシアはモーガンのこと、「私のキャラメル・モカ・サプライズ」って、呼んでました!
ソルテッド・キャラメル・モカ
出典
カロリー高そう、でも甘党ウケしそう、そして美味しそう!
ガルシアの好物っぽいですね。
キャラメルモカに「サプライズ」がついているので、ガルシアにとってモーガンは、食べたら「予想以上に美味しいよ~!!」レベルのキャラメルモカなのでしょうね(笑)
モーガンがキャラメルモカに。
笑わされた場面でした。
再びガルシアネタになります。
BAUメンバーがガルシアに連絡を取る時、ガルシアが摩訶不思議なことを言うのも珍しいことではありませんよね。
今回はロッシに応えて
"A whole lot of fun in the sun on the Redneck Riviera."
(たくさんの楽しみが、日差し降り注ぐレドネック・リヴィエラにはある)
いや~、ホントに何言ってるかわかりません!
レドネック・リヴィエラは、アラバマ州からフロリダ州にかけて伸びる海岸の俗称のようです。
アラバマ州にはガルフ・ショアーズを始め、州の大きな収入源となってるほど人気のビーチが点在しています。
そしてフロリダと言えばビーチですよね。
アメリカには詳しくないので、レドネック・リヴェイラからはまだ距離感があるのですが、ガルシアが言わんとしたことはなんとなく理解できました。
どす黒いの犯人を追いかけていたら、そりゃ美しいビーチで休息したくなりますよね。
ミークスに声をかけ銃撃され負傷したのは市警のオリヴァー刑事でした。
防弾チョッキを着用していたため一命をとりとめたオリヴァー刑事は、ミークスの特徴から車の特徴まで細かく覚えていましたよね。
ミークスの車にあった珍しいデザインの帽子を覚えていたことが、犯人割り出しに大きく貢献したのですが、オリヴァー刑事の記憶力に拍手です。
さすが誇りをもって仕事をしているだけありますよね。
私もそれくらいの瞬間洞察力を身につけたい!
サルズバック元捜査官の写真観て「あれっ!?」って思いませんでした?
それもそのはず、彼は元FBIプロファイラーでクリマイ制作にも関わっている、ジェームズ・クレメンテ本人だったからです。
調べてみたら、彼は今回のエピソードの脚本も手がけているんですね。
しかも、エピソード出演は今回が初めてではなくて、シーズン5「リスキーゲーム」では、救急病棟の受付役として出演。
すっかり見逃していましたが、クレメンテさんですね(笑)
それからシーズン9「天使の失踪」では、児童虐待男、マイケル・フィーハム役で出演してました。
スーがギャビーを引き渡したカップルの片割れですね。
がこりゃわからんわ(汗)
自分で役を引き受けたのでしょうか。
クレメンテさんはプロファイラーが本職でしたが、脚本から俳優までこなして多才な人ですね。
とても興味深いです!
事件発生当初、有力な容疑者だったウィリアム・スナイダーですが、「DUIで高速警察隊が48時間前に拘束した」というシーンがありました。
このDUIは、「Driving Under the Influence of alcohol and/or drugs」の略。
日本語でいうと、飲酒運転または麻薬が影響している状態での運転という意味になりますね。
犯人はFBI内にいるのでは?
という疑惑が出た時、ロッシやコルファックス捜査官など、限られた人たちが特別室に行きましたよね。
それがSCIF(スキッフ、Sensitive Compartmented Information Facility)で、日本語で言うと国家機密区分情報施設になります。
「こんな特別室、きっとドラマだけだろう~」なんて思ってたら、実在するんですね!
重要機密事項といった、とても重大な課題を取り扱うため、政治機関や軍事機関にある施設ですが、LAPDも独自のSCIFを持っているようです。
蜘蛛の巣のタトゥーを「プリズンタトゥー」と呼んでいましたが、エピソードで語られていたとおり、蜘蛛の巣のタトゥーは長期間服役していることのシンボルなんだそうです。
プリズンタトゥーには種類があります。
英サン紙の記事を参考にご紹介します。
エピソード内で事例に挙げられたクリストファー・ドーナーは、2013年にロサンゼルスを震撼させたスプリー・キラーで元LAPD警察官。
2008年に不当に解雇されたことが事件のきっかけとなったのですが、元警察官が引き起こし、最後は銃撃戦の末自決したことで、多くの人に衝撃を与えました。
ターナーの事件については以前記事で触れてますので(⇒こちら)
ここでは軽く説明するに留めますね。
シリアルキラーの代名詞的存在であり、かのロバート・レスラーさんに「最もおぞましいシリアルキラー」と言わしめた極悪人。
一見ハンサムで頭がよく、スマートな印象を与えるバンディですが、そうした自分の魅力を利用して女性に近づき、残虐に殺害しました。
ある時は怪我人のふりをして女性に近づき拉致、そしてまたある時は今回のミークスのように、ステータスのある職業の人間になりすましてその気にさせ拉致、といった手段を使っていました。
1974年から1978年の間に、殺害した女性はおよそ30人。
バンディは被害者の生前も死後もなぶりものにし、快楽殺人を地で行くように犯行を重ねていました。
にもかかわらず、逮捕後は大勢の女性がバンディの虜となり、1989年に死刑が執行されると、今で言う「バンディロス」が漂ったといいます。
獄中結婚したり、バンディの女性弁護士は死刑の延期嘆願に大奔走したという事実にもびっくり。
ここまで女性たちをたぶらかすとは。
何という人間なんでしょうね。
こういうタイプのシリアルキラーはもう2度と出現してほしくないですね。
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モーガン: "The darkness always lies." — Anthony Liccione
「暗闇はいつも嘘をつく」アンソニー・リチオーネ
JJ: "You see what power is – holding someone else's fear in your hand and showing it to them." — Amy Tan
「力とは何かを知るには - 誰かの恐怖を手にしてそれを相手に見せつけることだ」エイミー・タン