捜査の始まりは、スペンサーの「活字マニア」から!
森林伐採業者の連続殺人事件が発生、犯人はアクティビスト、ハーバリスト…
それともシャーマン?
迷路に入り込むように深まる謎、そして最後は意外な結末に!
そして、スペンサーの不眠の原因とは?!
眠気が覚めること間違いなし!
クリミナル・マインドシーズン8 第20話「錬金術(Alchemy)」のあらすじと感想です。
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地方紙を熟読しているリード(ピークは38紙!)は、ある事件同士が関連していることに気が付く。
リードはロッシに働きかけ、FBIが介入することになった。
10日前、Joseph Purl(ジョセフ・パール)という33歳の男性が、サウスダコタ州ラピッドシティ郊外でバラバラ遺体となって発見された。
ジョセフより前に、Raymond Nava(レイモンド・ナヴァ)という31歳の男性が、同じようにバラバラ遺体となって発見されていた。
発見されたのは、ラピッドシティから60マイル離れたパインリッジ先住民保留地だった。
被害者はふたりとも森林伐採業者であることから、犯人は、「自然破壊を嫌悪する活動家」の可能性が考えられた。
また、遺体がインディアン居住区で発見され、しかもセラピーで使われる、吸引カップを使ったような青黒い痕があった。
さらに遺体からはソラニンが検出されたことから、犯人は
ではないかと、ホッチナーたちは推測する。
殺害されたジョセフとレイモンドは、体格や年齢、そして、森林伐採の仕事でサウスダコタに訪れていたという共通点があった。
被害者たちについて調べているうちに、Chad Dumont(チャド・デュモン)という空軍大尉が行方不明になっていることがわかる。
チャドは年齢や体型が他の被害者と似ているが、職業が違ったため、環境活動家の可能性が消える。
チャドが友人に残したボイスメッセージから、チャドはバーから電話をかけていたことがわかる。
チャドが訪れていたバーで、関係者から話を聴いていたロッシとJJは、チャドはこのバーで犯人と出会い、そのまま行動を共にした可能性が高い。
犯人は女性なのではないか、と推測する。
ガルシアは、活動家やシャーマンの洗い出しをしたが、めぼしい人物はヒットしなかった。
しかし、ハーバリストで一人だけ、7年前にソラニン中毒で告発された人物を発見した。
そのハーバリストのもとを訪ねたブレイクは、被害者に残された痕は、セラピーに使うカップで、しかもそれは生殖機能を高めるものではないか、ということに気がつく...
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このエピソードはスペンサーの活躍が目立ちましたが、スペンサーこと、マシュー・グレイ・ギュブラーが監督しているんですね~。
なんていうんだろ、不思議でちょっと不気味な雰囲気が漂っていて、ギュブラーが監督したエピソードの中でも
シーズン8第10話の「人形遣い」や
シーズン5第16話の「母の祈り」を連想させます。
ホテルのレトロ感覚がなんかギュブラーっぽくて、けっして私の私の好みじゃないけど、独特の感性を持っていてちょっとうらやましかったり^^;
身勝手な犯人にむかっとくるだけであんまり好きなエピソードではないのですが、メイヴを忘れられずに苦悩するスペンサーがよく描かれていて、話にのめり込むことが出来ました。
チャドが行方不明になった時、バーでチャドに声をかけた女性のタイプと、彼の性格から犯人像を割り出したやりとりは、プロファイラー特有の視点を見た気がしてとても興奮しました!
あとはロッシの使い方がうまかったな~、と。
最後のシーンは、クリマイにしてはちょっとドラマ過ぎたので(ドラマだけど^^;)、一番初めに観た時はやや興ざめするところもあったのですが、あとで1話から順番に観て話の流れをしっかりつかんだら「よかったね、スペンサー(´;ω;`)ウッ…」と、涙ぐんでしまいました(笑)
あ、そういえば、ガルシアとモーガンの存在が薄かったかも。
あんまり登場してなかったですよね。
珍しいな。
今回のエピソードはロッシの活躍抜きでは語れません。
エピソードの冒頭で、スペンサーが事件の関連性についてロッシに話すシーンがありますが、スペンサーがまともに寝てないことにピーンときてましたよね。
地元警察に訪れたときも、スペンサーと一緒でした。
今回ロッシは、スペンサーを気遣うお父さんといった感じ。
それから、ここが一番私が好きなロッシとスペンサーのシーンですが、メイヴのことから立ち直れないスペンサーを気遣って、自分のSal(サル)おじさんの話をする場面。
夢を「錬金術」にたとえて、成り行きに任せるようにアドバイスしたりと、スペンサーのいい相談役になってました。
ロッシのアドバイス無くしては、スペンサーは1歩踏み出すことができなかったですよね~。
チャドが最後に訪れたとされるバーで、チャドと言葉を交わしたというセクシーな女性から話を聞くロッシ。
誘惑上手な女性が去った後、「誰?」と聞いてきたJJに、「第4のミセス・ロッシ。うっかりしていたらね」と、粋なジョーク。
こういうセンスのいいジョークはさすがロッシ。
こういうのがあるから「さすがクリマイ!」ってなるんですよね~♪
レナードペルティエは、アメリカインディアンで人権活動家。
「アメリカインディアン運動(AIM)」のメンバーで、連邦政府やFBIによる先住民のテロ弾圧の嵐が吹き荒れていた1960年代から活動を行ってきました。
1970年代に入り、FBIと、反対勢力の衝突が激化。
今回のエピソードで登場したパインリッジ・インディアン保留地は、テロ弾圧派と、アンチによって二分された地でした。
「ウーンデッド・ニー占拠」(1975年)に代表されるように、FBIは、ヘリコプターや戦闘機、州警察、加担するオグララ・スー族部族を総動員して、弾圧にあたり、多くの死傷者を出しています。
特に、ペルティエが所属しているAIMを目の敵にしていて、サウスダコタ州のリチャード・ネイプ知事らは「AIMメンバー全員殺害」を声高に叫んでしました。
1975年FBIらは「白人のブーツを盗んだインディアンがAIMにいる」、と、勝手に言いがかりを作って子供や女性も宿泊していたAMIの野営地を襲撃。
この銃撃戦で、FBI捜査官ら3人が命を落としますが、ペルティエは、捜査官を殺害した容疑で指名手配されていまいます。
支援者などに支えられ、逃げ続けていたペルティエですが、1975年11月19日に逮捕。
FBIの違法な脅迫や偽証がはびこり、ペルティエは捜査官2名を殺害した罪で、2回の終身刑を言い渡されました。
その後、ペルティエの釈放を巡る運動が度々起こっていますが、釈放には至らず、現在もペンシルベニア州ルイスバーグ刑務所に収監されています。
なんとも理不尽な!
ペルティエという活動家については初めて知りましたが、FBIの違法捜査とか、1960年代から70年代にかけて先住民弾圧の歴史を見ると、FBIはちょっとひどいなあ、と思わずにいられません。
パインリッジ・インディアン保留地がFBIに協力的ではなくて、ホッチが「ペルティエの件があったから」と言っていたのはこの事だったんですね。
納得。
スペンサーの不眠の理由はメイヴを失った喪失感からでした。
「錬金術がただの金属を黄金に変えるように、悪夢も良いものに変えるんだ。考えるな、成り行きに任せろ」というロッシのアドバイスを受けたスペンサーは、その日夢を見ます。
出てきたのはメイヴ。
そして、2人が座っているのは、オックスフォード大学の図書館。
2人でコナン・ドイルの話をし、とてもなごやかな雰囲気でした。
最後はレコードをかけて2人でダンス。
やっとメイヴを抱きしめることができた感が伝わってきて、感動しました。
これが実現したらどんなに良かったことか(涙)
このシーンはとても好きなので、また別記事にしてみようと思います。
スペンサーは、不眠からは開放されたかな。
これで心置きなく次のエピソードにいけそうですね♪
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ロッシ: "Dreams are true while they last, and do we not live in dreams?" — Alfred Lord Tennyson
(「夢は、続く限り現実。我々も夢に生きている」アルフレッド・テニスン)
リード: J.R.R. Tolkien wrote, "I will not say do not weep, for not all tears are an evil."
(J・R・R・トールキン「泣くなとは言わない。涙が悪いものとは限らないから」J・R・R・トールキン)
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