スペンサー・リードことマシュー・グレイ・ギュブラー初監督のエピソード!
子供を一瞬のうちで連れ去ってしまう誘拐事件!
もしかしたら10年前から…?
そして全てを失いながら息子が生きていることを信じ続ける母の願いは届く…?
クリミナル・マインドシーズン5 第16話「母の祈り(Mosley Lane)」のあらすじと感想です。
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ヴァージニア州アッシュバーンで、両親とともにウインターフェスティバルに訪れていた8歳のAmiee Lynch(エイミー・リンチ)が姿を消した。
事件発生の連絡を受け、迅速に行動するホッチナーたちだったが、エイミー誘拐のニュースを見ていたプレンティスのもとに、「自分の息子が同じ犯人に誘拐された」と一人の女性がJJを訪ねてやってくる。
プレンティスがJJに告げると、JJは「Sarah Hillridge(サラ・ヒルリッジ)だわ」と即答する。
サラは8年前当時8歳だった息子Charlie(チャーリー)が何者かに誘拐されて以来、同じ年齢の子供の誘拐事件が発生するたびにJJを訪ねてくるのだった。
プレンティスはJJに、エイミーの母親は子供を探している女性に気を取られている隙にエイミーがいなくなってしまったので、そのことを責めているということを告げると、JJはサラも同じ事を言っていたことに気がつく。
「もしかしたらサラの息子を誘拐した人間とエイミーの誘拐犯は同一人物ではないか。
そして、いなくなった子供を大声で探している女性は誘拐犯の一人で子供を連れ去るパートナーが居るのでは。
ここでJJは、サラの主張が単なる思いつきでないことを感じ始めるのだった。
もしこの事件が単発的でなく、過去10年間にわたって起きている誘拐事件であれば捜査方法が全く変わってくる。
そこで、この点についてBAUメンバーたちは議論を交わす。
チャーリーとエイミーの誘拐犯が同一犯というのは結びつけにくいかもしれないが、どちらも連れ去られたのは8歳でセキュリティの薄い公共の場所。
そして、母親が子供を探す呼び声に気を取られている内に姿を消しているという共通点は、犯人の署名的活動に見える。
その年齢を好んで誘拐する犯人だとしたら、被害者が思春期に達する前に殺害するし、もし犯人がチャーリーを生かしているとしたら他に目的があるはず。
犯人とみられる「母親」は小柄で、思春期に達したチャーリーを拘束するだけの力はないが、8歳からずっと一緒にいて支配し続けているとしたら、チャーリーがその女性に従っている可能性もある。
犯人がチャーリーを生かしているというのは、チャーリーの遺体が未だに発見されていないことを説明できる。
チャーリーとエイミーの誘拐犯が同一人物ということを想定して、ホッチナーはガルシアに過去10年間全国で発生した子供が多くいる場所で起こった誘拐事件で、未だに子供が見つかっていない事件を調べるよう指示を出す。
その後ガルシアの調べで、全国で該当する未解決事件が200件以上あり、ヴァージニア州では12件あることがわかった。
地理的プロファイリングをしていたリードは、チャーリーとエイミーが誘拐された場所と他の誘拐事件発生場所が近くであることを発見する。
それはちょうどサラが類似事件を追っていたのと同じであった。
一方、エイミーが誘拐されたウインターフェスティバルで事件当時の状況を再現するホッチナーとプレンティス。
そして、犯人は
の、3人グループであるとの見方を強める。
サラも加わり、ここまでの捜査の報告がされる。
セキュリティの薄い公共の場で過去10年間に誘拐された子供の数は12人にのぼっていた。
子供が未だに見つかっていない被害者の家族が、続々とBAUに集まってきた。
彼らの話を総合すると、11人の被害者家族が子供を探す、年齢40歳から50歳と見られる女が目撃されている。
時にその女は子供を連れていたという。
実は3年前偶然チャーリーを町で見かけたサラ。
ほんの一瞬だけだったが、チャーリーに間違いないと確信したという。
それを元に似顔絵を作成するが、それをみたエイミーの両親が、自分たちが並んでいたポニーのりばの列に、この少年も並んでいた、と主張した。
チャーリーは生かされ、犯罪の片棒を担がされている可能性が強くなった。
大勢の子供を隠し続けるのは容易なことではなく、時に隣人から通報を受けた可能性も捨てきれない。
北ヴァージニア州内で過去10年間にソーシャルサービスの訪問を受けた家族を調べるとその数は107に及び、犯人と思われる家庭の絞り込みが始まった。
大勢の子供がいてもおかしくないよう保育施設を備えた建物に住み、子供の世話で一人は家にいる必要があるので、収入は夫だけ、というパターン。
そして、23の家庭に絞られたが、モーガンは、子供に対して虐待の過去を持つ家庭に捜査令状をもなくプロファイリングという目的だけで訪問することに懸念を示す。
相手がしらばっくれてこちらが見抜けなければ、相手は証拠を隠滅するだけじゃなく子どもたちも始末される可能性があるからだ。
警察犬を出動させるため、JJはエイミーが身に付けていた帽子を母親から受け取る。
ホッチナーたちはリストに残った家庭を1件1件を慎重に訪ねまわり始めた。
そして、ある家を訪問したモーガンとプレンティスは、「子どもたちは妻と出払っている」と答えた夫の態度と、子供が多い割には静かすぎる家に不信感を抱く。
家のロケーションや状況はプロファイリングにフィットするうえ、飾られていた写真にはチャーリーにそっくりな少年が写っていた…
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犯人にすごい嫌悪感!
これもマシュー・グレイ・ギュブラーの演出なのかなって思うんですが、もう2度と観たくない!っていうくらい、嫌いなシリアルキラーです><
それがなければサラの執念が事件解決に導いたという感動エピソードなのかもしれませんが、犯人が憎すぎて…
子供をターゲットにする時点で嫌なのですが、この犯人たちは…
でも見てる側が、これだけ犯人に対して嫌悪感を引き出させられるんですから、ギュブラーの実力はなかなかかも♥
ただケチを付けると、もう少し「なぜ子どもたちをさらって何をしたかったのか」というのが描けていたら良かったかなとも思います。
でもそうしたらますます嫌いになるかもしれませんね^^;
と、犯人にイライラしっぱなしのエピソードでしたが、最後は感動しました!
8年間自分の息子は生きていると信じ続けたサラ。
チャーリーが生きているとわかり、この2人が対面する前からぐっとくるものがあって泣けて来ました。
そして2人が対面した時は…
もう言わなくてもわかりますね(TOT)
それからもうひとつ、エイミーを助けようと殺されてしまったSteven(スティーヴン)のことを聞いた両親のシーンはすごく切なかったです。
「昨日まで生きていたんだ…」というお父さんのセリフ。
ドラマとはいえ完全に感情移入です(TOT)
子供を探すふりをしていた女は時には子連れだった、ということで、サラは「犯人は自分の子供を使っているの?」と驚きますが
プレンティスは「女性の小児愛者には子供がいないことが多いので、女は実の母親だと思わない」と答えます。
その後すかさずスペンサーが、「(そういうタイプの女性は)最も凶暴だけど」
と一言。
スペンサー!!
ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
い、いくら根拠のあることだからといって、子供が生きているという1%の望みにかけて探している母親の前で言うことではないよ~!
さすがにスペンサーは言った後、「しまった!」という顔をしていましたが…
切れのある推理で汚名返上してね(^_^;)
何の落ち度もない子供を誘拐し殺し、その死体を焼き、涼しい顔をして灰を庭にまく。
かなりイラッときたシーンですが、これは実在した事件のヒントから得たということです。
その事件とはヘルムース・シュミット(Helmuth Schmidt)こと「アメリカの青髭」。
推定で30人以上の女性を殺害したを出したと言われているシリアルキラーです。
シュミットの出生は記録にないようですが(1876年生まれ)、徴兵逃れのため生まれ故郷のドイツから1913年にアメリカに来たようです。
結婚→妻の金を奪うを何度か繰り返した後、アニータ(Anita)という女性と結婚し、この頃から殺人を始めたそうです。
アニータが行方不明になった後ヘレン(Helen)という女性と出会い結婚。
引き続き殺人を続けていきますが、ある被害者の失踪に関して「殺人プラント」の捜査を受けたシュミットは、ヘレンとアニータとの間にできた娘とともに逮捕。
失踪している被害者の死体を焼却したことを告白します。
それ以外の被害者に関しては告白しませんでしたが、シュミットの家には失踪した被害者以外の証拠品も見つかったことから、殺害したあと「殺人プラント」で死体を焼却し灰を捨てた疑いが持たれています。
シュミットは自白後すぐに自殺(1918年)。
真相は謎に包まれたままですが兵役が嫌でアメリカに逃げてきて、最後はベッドを自分の頭に打ち付けて死ぬという、ここにシュミットの荒っぽい行き当たりばったりの性格が現れているような気がします(参照元)。
子供を毎年のように誘拐して監禁し、その後殺害する。
一体この夫婦は何がしたかったのでしょうか。
エピソードでも、明確な理由が出てきませんでしたよね。
個人的な推測になりますが、ロイスウッド夫妻には、実の子供がいなかったので、2人は子育てを経験したかったのかもしれません。
といっても、愛情をかけて普通に育てたい、という思いではなく、「一定年齢で、自分たちの好みの子供を、虐待の対象として育てたい」というのが目的だったようですね。
だから、公共の場で、危険を冒してまで特定の子供を誘拐したし、接し方も冷酷。
そして反抗期に入る前に子供を殺害した(チャーリーは別だったけど)。
このエピソードは、事件の動機よりもその後にスポットを当てているので、動機について説明不足になったのではないでしょうか。
アニータが葬儀屋の娘という設定もあり、殺害した子供たちを無残に「処理」する残酷さを描きたかったのかもしれませんね。
そう考えると、少し納得できますが、どうでしょうか?
嫌悪感と感動の波が押し寄せ、感情が忙しかった今回のエピソード。
まあギュブラー初監督という意識もあってか印象に残るエピソードになりました☆
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※シーズン2「エンプティ・プラネット」では、シルビア・コーヘン役で出演
JJ: Nietzsche wrote, "Hope is the worst of evils, for it prolongs the torment of man."
(フリードリヒ・ニーチェ「希望は最悪の災いだ。苦しみを長引かせるのだから」)
JJ: Emily Dickinson wrote, "Hope is the thing with feathers, that perches in the soul, and sings the tune without words, and never stops at all."
(エミリー・ディキンソン「希望は魂の枝にとまる一羽の小鳥。言葉のない調べをさえずり、決して休むことがない」)
ティッパー「ララバイ」(Illabye by Tipper)
グレデリック「オンバーグ」(Omberg by Frederik)