子供を含む一家連続殺人事件が発生!
その犯人とみられる人物から、封筒を受け取ったという服役中のシリアルキラーとは?
そして、服役中のシリアルキラーに事情を聞いていたホッチを震え上がらせたエピソードの結末とは?!
シーズン5の山場を迎える大事なエピソード!!
クリミナル・マインドシーズン5 第8話「甦ったキツネ(Outfoxed)」のあらすじと感想です。
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ヴァージニア州ハンプトン。
殺人事件が発生したDowney(ダウニー)家に到着したリードは、そこでHudson(ハドソン)捜査官とともに現れたホッチナーらと合流する。
この家に住む母親と2人の息子、それから12歳のLucy(ルーシー)が殺害された。
ルーシー以外は射殺、ルーシーはプールで溺死させられていた。
軍人の父親はイラクに出征していたため家にはいなかった。
ダウニー家とに似た手口の犯罪が以前に発生していた。
Williams(ウィリアムズ)一家で、母親と息子は射殺、娘は窒息死、そして軍人の父が出征中で不在だった。
浅い穴に埋められ、娘だけが窒息死という共通点が浮かぶ。
ガルシアの報告で、ある囚人が、犯人と思しき人間から2通の封筒を受け取っていたことがわかった。
封筒の中には、今回起きた2件の事件についての新聞記事の切り抜きと
"Look at what I've done"
(私がやったことを見て)
というメッセージ
さらに
「admire(崇拝者)」と差出人のサインがしてあった。
封筒の受取人の名前を聞いてモーガンたちは驚く。
その囚人は、今回の事件と同じように、両親と子どもたちという一家をターゲットに連続殺人事件を起こしたKarl Arnold(カール・アーノルド)だったからだ。
通称キツネと呼ばれているカールは、旅行前日の両親とその子どもたちを惨殺、地下に遺体を放置し、結婚指輪を持ち去っていた。
家族を惨殺し、ドロシー家の母親の結婚指輪がなくなっていたことなどから、今回の犯人は、キツネのコピーキャットの可能性が強くなる。
ホッチナーとプレンティスは、アーノルドから今回の事件について意見を聞くため、服役しているレッドオニオン最高警備刑務所に向かった。
キツネと対面し、事件のことを伝えると、キツネはそれに興味を示し捜査に協力すると約束する。
アーノルドの手口と今回の犯人の手口を比較しながらプロファイリングを進めるロッシたち。
アーノルドは被害者宅に侵入し、あたかもそこの父親であるかのように振舞ったのに対し、今回の犯人はそれがなく、父親が不在の時に一家を殺害する理由が他にあると考えられた。
その時ハドソン捜査官が、ダウニー家で発見された家族写真の額縁をロッシに手渡す。
写真の中の父親の胸に銃弾が打ち込まれているほか、そこから検出された指紋はウィリアム家の者と一致した、とハドソン捜査官は報告する。
ガルシアは指紋の照合を試みるがヒットしない。
さらに軍関連から犯人の手がかりを探そうとするが、ウィリアム家とダウニー家の共通点も見つけ出すことができなかった。
一方、キツネとインタビューを続けているホッチナーとプレンティスだったが、事件の詳細を聞いていたキツネは「犯人がどうやって父親が不在なのを知ったのか
どうやって被害者をターゲットにしたのか、それがカギだ」といい、「少女を窒息死させたのは、少女が死んでいく過程を見たかったからだ」という見解を示す。
捜査が進む中新たな事件が発生する。
殺害されたのはやはり父親がアフガニスタンに出征中の一家で、母親、娘、息子の3人が庭に埋められていた。
母親と息子は射殺、娘だけが死因は窒息死だった。
今回の事件は前回の殺人からたった3日で起きたことから、犯行がエスカレートしていることを示唆するものだった。
何か大きなストレッサーが起因していると考えらる。
ちょうど戦闘機が飛び去ったのをみたモーガンは、もしかしたらその音かもしれないとハドソン捜査官に聞くと、ウィリアムズ一家が殺害された時、規模は小さいが、航空ショーがあったことを思い出した。
ダウニー一家殺人事件の時も戦闘機が空を飛んでいた。
依然ガルシアの調査で有力な情報が得られない中、リードはカリフォルニア大学のJames Fallon(ジェイムズ・ファロン)教授の講義の中で、「虐待は子どもたちの頭のなかに長期間影響を及ぼすが、高リスク遺伝子を持っていて、眼窩前頭皮質(がんこうぜんとうひしつ)にダメージを受けている子供はさらに悪化する」という言葉を思い出した。
そして、被害者が埋められた状態は、犯人が子供の頃体験したことから来ていると推理、これをきっかけに一気にプロファイリングが進むことになる…
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以前出てきたシリアルキラーが再登場ということで良くも悪くも懐かしさを感じたエピソードでした。
キツネが登場したのはシーズン1#7「一家惨殺事件」。
この時は最後、ホッチがキツネの自宅から被害者のものとみられる結婚指輪を見つけて終わるという、ちょっと意味深な場面で終わりましたが、今回は結婚指輪についてはあまり出て来なかったですね。
おそらくキツネは最低でも8家族殺害したのではと予想しますが。
でも、今回のエピソードでは、キツネがなぜそしてどうやって一家を殺害していったのか、その理由が垣間見れたということは興味深かったです。
犯人に意外性があったこと、「崇拝者」とは別人だったことは予想外の展開で良かったんですが、犯人の描き方に手抜きがあったような印象も受けます。
戦闘地域で生まれ育ち、それで飛行機の音で殺人にスイッチがはいるようですが、そういった人格形成についての説明がほとんどなかったし、精神が崩壊しているのはわかったけど鏡に向かって何かわめいても英語じゃないから全く理解できない(ちなみに字幕ありませんでした)。
鏡に被害者の少女たちと同じ世代の女の子が映るんですがそれもなんでなのかよくわからない。
なんでこんな事件起こすんだよ!
と、犯人に向かっての怒りしか出て来なかったですね~。
たぶんこのエピソードの真の目的はこの犯人が誰なのか、ということの他にあるようです。
犯人のストレッサーが戦闘機の音だとする見解をホッチに報告するモーガン。
ホッチはそこでキツネの"崇拝者"と犯人は別人であると予測。
英語の喋れない犯人が、キツネに新聞記事を送ったり、英文でのメッセージを送るというのは考えにくいですよね^^;
崇拝者が誰かというのはエピソードの最後にわかります。
キツネに「犯人は逮捕したが崇拝者ではなかった崇拝者は誰なのか探しておくよ」と、伝えると、キツネは「崇拝者はすでにあんたを見つけてると思うよ」と、薄ら笑いを浮かべながら答えました。
何か思い当たることがあって、キツネが自分のファンから貰ったメッセージを書留たノートを夢中になってめくり続けるホッチ。
そして見つけたのは、ホッチが襲われた記事の切り抜きに
プロヴィンスの目のマーク!
キツネの高笑いもむかついたんですが、またフォイエット(リーパー)かあ~、と、ゲンナリしてしまいました。
リーパーの登場はここだけですが、リーパーの影に押されて、今回の犯人が大したことなく見えてしまうから怖いです…
キツネとのインタビューで、殺害されたルーシーの写真が観たいと言い始めたキツネ。
少女の写真を殺人犯にどうしても見せたくないエミリー。
「事件を解決するための取引になるから」とホッチに説得され、それ以上は何も言うことができませんでした。
そしてもう一つ、キツネの心情を良くして有力な情報を聞き出すため、キツネの事件がケーススタディで初めて扱ったファンだ、と言うんです。
でもあとでそうした媚びる自分に自己嫌悪します。
捜査のためとはいえどちらも良心の呵責に悩みますよね。
きっと実際のプロファイラーたちもこういう気持ちを抱くことはあるんだろうな、と考えたら、ちょっと辛くなりました。
ファロン教授は現役の神経科学者ですが、エピソードの中で人間の脳を分析した結果、5つの脳はサイコパスのものだと断定したと言いました。
実際にその脳はみなシリアルキラーのものだったそうですが、脳と人間の行動には、何かしら関連性があるようですね。
昔ディスカバリーチャンネルで「Most Evil(モーストエヴィル)」という番組がありましたが、ここでも怒りといった負の感情と脳の状態を調べた実験などが紹介されていました。
負の感情を抱いたときの脳の働きが見えたりして、とても興味深かったですよ。
ただ、脳の構造がサイコパスだからといって、すべての人が殺人を犯したり、道徳心を全く感じない冷酷な人間だったりするわけではないようです。
というのも、ファロン教授自身が、サイコパス構造の脳を持っていて、犯罪とは全くかけ離れた生活をしているからです。
ファロン教授について、この記事が詳しく紹介していますよ。
人間はそう単純じゃないし、サイコパスが犯罪者になるというのにも、環境や性格などいろいろな要素が絡んでいるようです。
とまあいろんな感想を持たされたエピソードでしたが、ホッチにまとわりついているリーパーとの決着はいよいよ次で!
シーズン5の山場ですね、次は。
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モーガン: "Man usually avoids attributing cleverness to somebody else, unless it's an enemy." - Albert Einstein
(「人は他人の才覚を認めることを嫌う。その他人が敵でない限り」アルバート・アインシュタイン)