廃墟と化した精神科病院跡発見された、奇妙な遺体!
死体を中世の貴婦人のように着飾る犯人の意図とは?
なぜ殺害する前に被害者を水に浸すの?
犯人はシェイクスピアの異常なファンかそれとも悪魔の使い?
はじめから最後まで「??」が続く、不思議なエピソード。
クリミナル・マインドシーズン7 第19話「悪魔の花嫁(Heathridge Manor)」のあらすじと感想です。
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オレゴン州にあるかつて精神病院だった廃墟から、女性の死体が発見された。
女性は白塗りの化粧をし、ヴィクトリア朝のドレスを着た状態だった。
被害者の名前は
Emma Baker(エマ・ベイカー)という38歳の数学教師で、遺体が発見された場所から320マイル離れたメドフォードで、17日前から行方不明になっていた。
ベイカーには性的暴行の痕はなかったが、指先が押しつぶされて、爪が失くなっていた。
ベイカーの死体が発見された建物はかつてセントボールド精神病院で、1998年に火災が発生して閉鎖されて以来、廃墟と化していた。
遺体発見現場はもと女性病棟で現場検証をしていたロッシは、ベイカーが寝かされていたベッドが他の部屋から移動させられた跡を発見、犯人はこの女性病棟を知っており、元患者の可能性を考えたロッシはガルシアに調査を依頼する。
検死官の説明で、ベイカーの死因はニコチンによる毒殺と判明する。
身に着けていたドレスが殺虫剤の成分であるニコチンで湿っており、服は脱げないようにファスナー部分は縫われていた。
さらに、ベイカーの両足が腫れていることから、殺害される前に、水に沈められた可能性も指摘された。
犯人はベイカーに拷問を加えた後殺害していたのだった。
ベイカーが身に付けていたドレスの出処を見つけるために、テキスタイルのお店を訪れたJJとリード。
対応したLouis(ルイス)は、使用されていた生地は販売用に製造されているものではなく、「ドレスを見たところ
カスタムメイドによって作られた可能性が高い」と指摘する。
さらに、ドレスを縫った人の裁縫の技術はあまり上手いとはいえず、おそらくホームメイドで、刺繍など細かい作業を要するため、女性が縫ったのでは、とも指摘した。
ベイカーの遺体が発見された部屋の壁に落書きされていた「Batty」という文字の一部をズームアップすると、そこには数字と人の名前が書かれていることがわかった。
そして、殺害された”Emma”(エマ)と同じ名前もそこにあった。
事件との関連性についてははっきりしていなかったが、さらにこの文字を分析すると、書かれてから1週間も経っていないということがわかり、事件との関連性がますます強くなった。
通りに面した空っぽの建物内で、5日前から行方不明になっていたAlice Pritchard(アリス・プリチャード)の遺体が発見された。
プリチャードは、ベイカーとは年齢も背格好も対照的だったが、ベイカー同様白塗りの化粧にヴィクトリア朝のドレスを着せられ、指先は潰されていた。
ガルシアの調べで、壁に書かれていた名前はすべてオレゴン州で行方不明になっていた女性と一致したことがわかった。
さらに名前の横に並んでいる数字の解読をしていたリードは、この数字が、サタニックカレンダーのイベントを表している日ということを突き止める。
被害者たちはサタニックカレンダーのイベントの生贄にされているのではないかという見方が強まり、4月30日の行事でサタニックカレンダーでも大事なイベント、「ヴァルプルギスの夜」に合わせて犯行が行われる可能性が極めて高いと推測された。
プリチャードの遺体が発見された建物の反対側に建つシェークスピア作品を上映している劇場を訪れたロッシとプレンティスは、そこでベイカーとプリチャードが着せられていたドレスと酷似しているドレスが、「ウィンザーの陽気な女房たち」の舞台で着用されたことを発見する。
しかしドレスは1着ずつしかなく、盗まれた形跡もないことから、犯人は観客の一人で、舞台でドレスを見た可能性が高まる。
というのがこれまでの捜査で導き出された犯人のプロファイルである。
当時の上流階級の女性がしていた白塗りの化粧と、シェークスピアの中流階級を題材にした舞台の衣装を着せられていたことにギャップを感じていたリードは、
犯人はもしかしたら「セイラム魔女裁判」のように、被害者を魔女かそうでないかを試すために水に沈めているのではないかと指摘する。
その後のガルシアの調べで、劇場で使用されている「ウィンザーの陽気な女房たち」の衣装の出処がわかり、セントボールド精神病院との意外な接点も浮かび上がった…
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冒頭から不気味な雰囲気でした。
子供に読み聞かせてる絵本の絵が不気味だったり、遺体が発見された場所が元精神病院という廃墟、さらに遺体は中世っぽい格好。
メイクされた遺体の顔が怖くて目があったときは、思わず
o(;>△<)Oぎゃあぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!
と叫んでしまいそうになりました。
犯人は途中から登場しますが、黙っていればハンサムだけど妄想にとりつかれてる、異常な人格者。
生まれ育った環境がそうなっちゃたのかな、と考えたら、やっぱりその親が罪な人間だな、と、思わずに入られませんでした。
シェイクスピアはほとんど作品読んだことないし、中世の歴史もほとんど忘れてしまって知らないことばかりのエピソードでしたが、これを上手に使って犯人の異常さを出しているなと思いました。
被害者を水に徐々に浸していくとか
ニコチンを使って殺害するとか
中世の服装をさせるとか
なぜ犯人がそうしていくのか、徐々に明らかになっていくのですが、その過程がけっこう明快でわかりやすく、しかもそこには不気味さも加わっているのでスリル満点でした。
原題の”Heathridge Manor”は、エピソードの初めに登場する家の名前のようですね。
門(たぶん)に刻まれていたと思いますが。
この家はまたあとで出てきますが、出てきた時
でっけ~
と、思わず口を開けてしまいました(笑)
実際に、中世の上流階級では顔を白く化粧することがエリザベス一世時代に流行っていたようです。
蜜蝋を塗って白い粉を叩くとはシンプルですね♪
蜜蝋をどうやって精製していたのかな、ソッチのほうが気になりますが^^;
今でも顔を真っ白に塗って化粧してる人もいますが当時は上流社会にいると、そういう顔がそこら中にあったんですよね。
なんかキモいかも…
壁の落書きに書いてあった被害者の名前と数字。
その数字が何を意味するのかスペンサーが「その数字を反対にして、両端の11をもぎ取っちゃうと…」と、解読した時はお見事でした!
まあ、こういうのは今に始まったことじゃないんですが、ああやってさらっとされると、すごく爽快ですよね。
後もう一つ、犯人がなぜ水に被害者を沈めて被害者が意識を失った後その生死をチェックしているのか、それが謎だったんですけど、スペンサーがセイラム魔女裁判のことを思い出して「なるほど」となりました。
スペンサーグッジョブ!
サタニックカレンダー、つまり悪魔の暦というのでしょうか。
そんあのがあったんですね~。
ちなみにエピソードに出てきたイベント挙げてみますね。
3月1日 Saint Eichatadt Day(血を飲む儀式の日)
3月21日 Spring Equinox (春分の日)
3月24日 The Feast of the Beast(一説によると16歳の少女が悪魔に嫁入りする日だとか)
そして
4月30日 「Walpurgis Night」(ヴァルプルギスの夜)ですね。
このイベントは、国や地方によって微妙に意味合いが変わってるみたいで、サタニックカレンダーだけじゃないような気がしますが。
ちょっと詳しくないのでなんともいえませんが、サタニックカレンダーだと生贄とか血の儀式とかそういう意味合いが強くなるのかな…
う~ん、にしてもダークなイベントばかりですね、当たり前だけど(ー_ー;)
といっても、とりわけインパクトの有る行動されたわけじゃないんですけど、雰囲気が好きで、印象に残りました。
ベテラン刑事らしい、良い味出してる役者さんだな~って調べたら、「エルム街の悪夢」の殺人鬼フレディ役のフレディ・クルーガーだったんですね!
ぜ、全然違いますがな!!
エルム街のジェイソンとしか覚えていなければ、絶対にわかりませんよね(汗)
これが役者というものですね。
エルム街の悪夢、もう一度観てみたくなりました!
あ、このエピソードの最後は、プレンティスの鼻血のように妄想場面で終わります。
ララの元を訪れた、謎の男性。
訪問してきたこの弾性は「悪魔」?
どうなっちゃうの?
みたいな^^;
なので、始めから終わりまで不気味さが漂うエピソードでした。
「これ、ひょっとしたらマシュー・グレイ・ギュブラーが監督したんじゃない?」って思っていたけど、アタリ。
以前マシューが監督した「母の祈り」も、ちょっとレトロっぽい、エキセントリックな雰囲気のエピソードでしたよね。
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プレンティス: "We are each our own devil, and we make this world our hell." — Oscar Wilde
(「人はみな悪魔。我々がこの世に地獄を作る」オスカー・ワイルド)
ホッチナー: "All that we see or seem, is but a dream within a dream." — Edgar Allen Poe
(「見るものすべては夢のまた夢」エドガー・アラン・ポー)
ザ・プラターズ「煙が目に染みる」(Smoke Gets in Your Eyes by The Platters)
オットー・ハルバック作詞、ジェローム・カーン作曲。
1933年にミュージカル「ロバータ」で採用され、その後ナット・キング・コールやプラターズにカバーされた名曲です。
すごく古い曲ですが、一度は聞いたことあるのではないでしょうか。
私はプラターズの曲ばっかりだと思ってましたが違うんですね^^;
トラスト「ディス・レディ・フレッシュ」(This Ready Flesh by Trust)