不法移民が流出する町で起こる猟奇的殺人事件!
狙われているのは不法移民、生首を保安事務所前に置く「死の聖人」は一体誰?
悪名高い犯罪組織の仕業かそれとも不法移民を嫌う誰かの犯行?
最後はモーガンの機転とエミリーの活躍が光るよ、お楽しみに!!
クリミナル・マインドシーズン5 第19話「死を呼ぶ砂漠(Rite of Passage)」のあらすじと感想です。
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メキシコとアメリカの境界線に隣接する小さな町、テキサス州ターリングア。
ターリングア保安事務所の前に、3つの切り取られた人間の生首が見つかった。
腐敗の進行から、3人は別々の時期に殺害されたが、首を切断されたのは同じ時期と考えられた。
2つの生首には砂がついていて、一旦埋めていたのを掘り起こした形跡が見られたからだ。
被害者は3人とも男女のヒスパニック。
国境に接するターリングアは、不法移民が多く流れこみ、被害者も不法移民と考えられた。
ターリングアは広大な砂漠が広がっていて、不法移民が毎日のように流れこんでくるため、ターゲット選びに尽きることなくまた見つかりにくい。
生首を晒しさえしなければ気づかれずに殺人を続けられる環境は整っているのに、なぜ今行動に及んだのか。
ロッシは犯人に何かが起こったのだと推測する。
ターリングア保安事務所に到着したホッチナーとJJの前に立ちはだかったのは、麻薬密輸の拠点ともなっているターリングアを仕切るルーゴ・カルテルのメンバーたち。
彼らは、組織リーダーのOmar Morales(オマール・モラレス)の不当逮捕に抗議するため、保安事務所前に立っていたのだった。
Gentry(ジェントリー)保安官助手の手引きでなかに入ることができたホッチナーとJJは、Ruiz(ルイーズ)保安官がモラレスの取り調べを許可しないことを聞かされる。
このことをルイーズ保安官に問うと、ルイーズ保安官は、モラレスが犯人とは見ておらず、生首を置いたのは自分を威嚇するためだと説明する。
その理由として、「犯人は長い間殺人を続けていて、調べただけでも自分が赴任してきてから6ヶ月間で20人以上が行方不明になっている」ことを挙げた。
そして、モラレスには手を出さないように言ったはずなのに、逮捕は部下たちの独断だったと、説明する。
ルイーズ保安官の案内でモラレスと面接したホッチナー。
被害者の写真を見せると、「俺ならば…」とモラレスは、「その男の腸を裂いて動物たちのエサに、左手は男の女房、目玉は母親、舌は子供にメッセージを付けて届ける。」と、話し始めた。
そして、「この(被害者をの首を切断する)殺害方法には何もメッセージがない。あんたらが探しているのはSanta Muerte(サンタ・ムエルテ)The Saint of Death(死の聖人)だ」と言い放つ。
ルイーズ保安官によると、警察にはSaint Jude(ジュード聖人)というふうに、この地域ではすべての仕事は守護聖人を持っていて、ドラッグディーラーや殺人犯には「死の聖人」か「守護聖人」だという。
一方検死の結果報告を聞くロッシとリードは、被害者に共通していたのが鼻や喉に砂の残留物であることを知る。
さらに、気管と鼻腔に裂傷があり、被害者たちは砂漠の中を走らされていた可能性が高まった。
出勤しようと家を出たルイーズ保安官は、自宅のフェンスに生首が置かれているのを発見する。
個人的にルイーズ保安官に憎しみを持つ者の犯行というのは明らかだった。
行方不明になっている不法移民問題を本気で解決しようと調査しているルイーズ保安官は、気づかない内に犯人にプレッシャーを与えている可能性がある。
過去にインタビューを行った中にサンタ・ムエルテはいるはず。
ホッチナーは、過去にインタビューした人間をもう一度調べることを提案する。
犯人のプロファイルが発表される。
ルイーズ保安官は、この地域の不法移民についてよく知り、移民をサポートしているRichard Corral(リチャード・コラル)に話を聞くよう提案する。
コラルによると、不法移民たちはこの町にやってきたらまず、セーフハウスと呼ばれる隠れ家に身を寄せるという。
所在がコロコロ変わるため、セーフハウスの特定は難しいと言われたが、ガルシアはセーフハウスの一つとみられる住所を見つける。
モーガンとプレンティスがそこに乗り込み、斡旋業者と、移民たちを発見した。
斡旋業者にレイプされたと訴える女性の話を聞くと、女性は夫と子供の3人でやってきたが、国境を超える所で気分が悪くなった夫を砂漠に置いて先に来ていたという。
子供はプレンティスに「太陽を見た」と主張する。
国境越えは夜で、母親は子供は月と太陽を間違えているのだろうと言うが、子供はそれでも「太陽を見た」と言い張る。
翌朝ホッチナーたちが保安事務所に行くと、ルイーズ保安官のオフィスに彼女の姿はなく、ルイーズ保安官とは連絡が取れない状態だった…
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なかなかおもしろい内容でしたが、犯人がなぜ不法移民たちを次々と殺害し続けるのか、その原因となる強烈な理由が知りたかったです!
犯人はレイシストで、次々やってくる移民たちが憎かった。
そしてそんな不法移民たちについて、行方不明者として真剣に調査をしているルイーズが憎かった。
人をコントロールしたい犯人にとって、ルイーズ保安官は目の上のたんこぶみたいだったのかもしれないですね。
そう考えたらなんとなく犯人の行動にも納得出来ますが。
無情にどんどん人を殺害していく犯人に対しては、嫌悪感がわきますね。
それが、このエピソードを盛り上げる要因にもなってると思うのですが…
その他にも、
事件発生の舞台
迷信絡みの犯罪と匂わす所
まさかルイーズ保安官が!?
といった話の展開は、サスペンスドラマとして十分楽しめる要素がいっぱいありました。
モーガンが地域性のことを考えて用意したサブマシンガンが最後犯人との対決シーンで役に立ちますが、このシーンはなかなか良かったです。
捜査を撹乱するため、被害者の遺留品を別の場所に捨てるということで例に挙げられたのが、ヨセミテ・キラーことケリー・スタイナー。
1999年2月から7月の間に、ヨセミテ公園を訪れた母娘とその友達、そして後日公園を訪れた女性の計4人を殺害したシリアルキラーです。
スタイナーには弟がいて、弟が7歳の時に幼児性愛者に誘拐され、7年後に自力で脱出し、一時メディアの注目の的になりました(弟はその後オートバイ事故で死亡)。
さらに、弟が亡くなった次の年には叔父さんが何者かに殺害されるという事件が発生。
再び世間の注目をあびることになります。
そしてスタイナーがシリアルキラーとして逮捕されるのですから、なんとも数奇な運命です(汗)
スタイナーは、弟が誘拐され、両親が悲しみに暮れている時ものすごく疎外感を感じたそうです。
さらに、殺害された叔父さんからは11歳の時に性的いたずらを受けたとか。
こうした背景が、スタイナーに影響を与えた可能性はありますが
ウィキペディア(英語版)によれば
スタイナーは7歳の頃から女性を殺害する、という空想を抱いていたということです。
これが本当なら、弟や叔父さんのことに関係なく、スタイナーはいずれは犯罪を犯す可能性が高かったことになりますね。
スタイナーは殺人事件で死刑を宣告され、死刑囚としてサン・クェンティン刑務所に収監されています。
そういえばあまりスペンサーのプロファイラーとしての名場面が登場しなかったエピソードでしたが、珍場面は有りましたね~。
現場に向かうジェット機の中で、麻薬密輸が横行している地域に備え、モーガンがサブマシンガンの準備をしている時に、スペンサーが、「サブマシンガンを携帯する権限はないと思うんだけど」と指摘。
そして、ホッチとモーガンに「お前はな」と速攻で突っ込まれたこと(笑)。
犯罪組織の巣窟になっている場所ですし、このサブマシンガンで救われるのですから、スペンサー、余計なこと言っちゃったかな^^;
確かにスペンサーは射撃の腕前はイマイチのようですが
「スナイパー」では最後ちゃんと命中させたので、やればできるのかも。
でも、モーガンにマシンガンはしっくりくるけど、リードにマシンガンてやっぱり合わないですよね^^;
スペンサーには、マシンガン並みのキレの有る頭脳で活躍するのが一番似合ってると思います(*´∀`*)
今回の事件の舞台になったターリングアは、実際にある町です。
ゴーストタウンと呼ばれているのですが、「おばけが出る町」ではなく「廃墟地区」というニュアンスが強い。
かつては辰砂(赤色顔料の原料)や水銀が発掘されて、賑わった時代があったのですが、今はひっそりとしています。
ターリングアは小さな町ですが、「ゴーストタウン」を目的に、観光客が集まるようで、一部観光整備がされているようですよ。
エピソードの中であった、麻薬組織などの存在はあるんだろうか、と調べてみたけど出てきませんでしたので、これはもしかしたらエピソードで作ったものかもしれませんね。
まあ、メキシコの国境に隣接しているので、不法移民は流れてきそうな気もしますが。
あ、そうそう。
このエピソードの見どころで、ひとつ言い忘れていましたが、スペイン語で被害者に対応したり、最後の犯人の対決シーンでモーガンとともに活躍するエミリーですね。
すごくかっこよかったです!
でも、真横でマシンガンをぶっ放されて、鼓膜が破れてしまったのですが、それは大丈夫なのだろうか…
モーガンの鼓膜は大丈夫という奇跡!?
モーガンもエミリーも好きなので、このシーンは、最高ですね♪
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プレンティス: "A lion's work hours are only when he's hungry; once he's satisfied, the predator and prey live peacefully together." - Chuck Jones
(「ライオンは空腹の時だけ狩りをする。飢えが満たされれば、獲物と平和に共存するのだ」チャック・ジョーンズ)
ホッチナー: "Many persons have the wrong idea of what constitutes true happiness. It is not attained through self-gratification but through fidelity to a worthy purpose." - Helen Keller
(「本当の幸せとは何か、誤解している人が多い。それは自分の欲求を満たすことではなく、価値ある目的に忠実に取り組むことだ」ヘレン・ケラー)