クリマイ世莉が解説!
クリミナル・マインド11第21話「悪魔の背骨」。
クリマイ史上初、女シリアルキラーがラスボスだ!
絶対に事件に絡んでるのはわかるけど、なかなか口を割らないシリアルキラーに翻弄され続けるBAUメンバーたち。
見ているこっちもヤキモキ倍増~!
少しずつ明らかになる事件の背景、そして気になる結末は?
クリミナルマインド・シーズン11第21話「悪魔の背骨(Devil's Backbone)」のあらすじと感想です。
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ヴァージニア州トロイ・フレッチャム刑務所。荷物のチェックをしていた刑務官たちは、その中から血痕のついた衣類が入った小包を発見する。
血痕のDNAは、失踪している2人の少年たちのものと判明した。今から約2年前、ヴァージニア州フランクリンに住む12歳のアダム・モリッシーが、学校帰りに失踪した。アダムの母は、離婚したばかりの夫(アダムの実父)が、息子をメキシコに連れて行ったと信じていた。その3ヶ月後、今度は同州リッチモンドに住む13歳のジミー・ベネットが失踪する。同じヴァージニア州で発生した失踪事件だったが、血痕のついた衣類が届くまでは関連性のないものと考えられていた。
血痕のついた衣類の送り主は分かっていないが、入った小包の受取人は、アントニア・スレイドという受刑者だった。
アントニア・スレイドは、9人の少年少女を殺害したとして15年前に逮捕され、服役中のシリアルキラー。
ソーシャルワーカーとして働いていたアントニアは、被害者を物色する目的で自宅にホットラインを開設、家出して行く宛のない少年少女を自宅に誘い込み、殺害するという行為を繰り返した。
アントニオの恋人で共犯者のフィル・ガーマンは、警察がスレイド宅に踏み込んだ時に自殺、スレイドだけが逮捕された。
スレイドの事件を担当したのは、当時BAUのメンバーだった、ジェイソン・ギデオン。
スレイドは事件について一切ギデオンに語ることなく、現在に至る。
モリッシーもベネットも、失踪したのは2年前。なぜ今頃になってスレイドに、それを伝えるかのようなアイテムを送りつけたのだろうか。
失踪した少年は、スレイドの被害者よりも年齢が低い。
しかしタラは「被害者の現在、スレイドの被害者たちと同じ年齢」であることを指摘する。
もしかしたらスレイドは、遠隔操作で犯行を指示しているのではないだろうか。
ホッチナーたちは、スレイドから事情を聞くことを決めた。
逮捕されて以来、スレイドは他の誰とも面会を望まず、グルーピーから手紙を受け取っても、ほとんど返信することはなかった。
しかし今回BAUが面会を望んでいることを知ると、面談は一人のみという条件で、会う意向を示した。
ホッチナーが初めにスレイドと面談する。しかしスレイドはホッチナーを皮肉るような内容のメモが紙を投げつけただけで、質問には一切答えようとしなかった。
メモ自体は何ら意味をなすものではなかったが、ホッチナーは、自分が独房を訪ねた直後に、スレイドがメモを書き始めたことを思い出す。
もしかしたらメモの直前に書いた筆圧が残っているかもしれない。ホッチナーは、スレイドのメモを鑑識にまわした。
JJがスレイドの元を訪れる。この時もスレイドはJJの質問にほぼ答えることはなく、JJの優秀さを巧みに褒め、自分の身柄をケンタッキー州にある刑務所に移してくれれば、情報を提供すると取引を持ちかけた。
女のナルシストは、取り巻きにちやほやされることで優越感を感じる傾向がある。
世間をコントロールしたがり、男のグルーピーが絶えることのないスレイドが、ファンレターに返信しないのはおかしい。
もしかしたら非公式に手紙のやり取りをしている可能性があると、リードは指摘する。
メモの筆圧を鑑識した結果、スレイドが書いた文章が浮かび上がった。
文章は全体的に堅苦しい文調で書かれており、違和感を感じたリードは、暗号文を疑う。
スレイドと面談するリード。
リードが喪失感を抱えていることに気づいたスレイドは、その原因を教えてくれれば情報を提供すると交渉を持ちかける。
その喪失感はモーガンがBAUを去ったことにあるとリードが告げると、スレイドは口の中に入れていた食べ物をリードの手のひらに吐き、その上から「CH」となぞった。
スレイドがリードの手のひらに残した「CH」を頼りに、グルーピーを調べたが、該当する人物は見つからなかった。リードは、「CH」は人物のイニシャルではなく、「C++」、つまり暗号を解く16進法を意味することに気づく。暗号から導き出された、「満月」と「償い」。そして満月は今夜。残された時間が少ないことに気づいたBAUは、スレイドをケンタッキー州に移送させることを決定する。
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シーズン11のラストエピソードの前編になりますね、今回は。
ちょっとドキドキするようなラストエピソードでした。
ラスボスに相応しい、キョーレツな女シリアルキラーが登場したからかもしれません。
ホッチにJJ、リードそしてロッシ、タラ、次々にBAUメンバーを手玉に取ろうとするなんて。
なんて贅沢!!
ホッチたちとの心理戦はドキドキするものがあったものの、最後はなんかあっさりしていたような…
と思っていたら、「つづく」でしたねぇ。
次のエピソードも期待できそうです♪
エピソードのはじめに、看守たちが荷物チェックしていましたよね。
その時手にしてた本、気になりませんでした?
本当にある本かと思ったけど、どうやら著者も本も架空のようです。
クリマイが公式ツイッターでつぶやいていました。
M.G. Belle, the name of the author of the fictional novel feat in the ep came from the #CriminalMinds art dept. pic.twitter.com/tF1VW8gpDo
— Criminal Minds (@CrimMinds_CBS) April 21, 2016
スレイドが真犯人で、コピーキャットを操っている、という解釈でよさそうな展開でしたね。
元ソーシャルワーカー、その立場を利用して家で少年少女を殺害。
投獄されてからは、犯罪に対して一切告白することはなく、グルーピーにチヤホヤされ、シリアルキラーっぷりを満喫しているようでした。
逮捕された当初、あのギデオンがスレイドを担当したとは。
ギデオンも大変だったね…
そんなギデオンをバカ扱いするし、ホッチたちを相手にマインド・ゲームを繰り広げるし。
結局なんだかんだで、BAUメンバーの飛行機に乗せてもらうし、ケンタッキー州まで連れてってもらうし、すべてスレイドの思惑通りという展開にヤキモキ!
この一筋縄では行かない、手強いキャラは、シーズンフィナーレを飾るにふさわしいと言いざるを得ません!
スレイドのグルーピーの一人で、彼女を喜ばそうと、本当に少年たちを拉致したアホ男。
グルーピーと言っても、スレイドがセラピストの頃から慕ってしますからね。
筋金入りのスレイド信者、と言ったところでしょうか。
グルーピーの中でも盲目的にスレイドのことを慕っていた感じがありますし、それを見抜いたスレイドに利用されてしまったようです。
最後の最後までそうでしたね。
スレイドが何を言ったかわかりませんが、その言葉で自らの命まで奪ってしまいました。
マインドコントロールされると、人間は魂が抜けたような行動に出るってことが、よく分かるような最後でした。
スレイドはホッチたちをすんなり犯人のいる場所に案内し、すんなり人質を開放させ、事件解決に導きましたが、あまりにも協力的で、怪しかったですよね。
まあそれが次のエピソードに続く要因なんでしょうけど、シリアルキラーの息子、どんなやつが登場するのだろうかと、今からドキドキです!
今回のエピソードは、スレイドとホッチたちの心理戦が見ものでした。
スレイドからなんとか話を聞き出そうとがんばりますが、スレイドはホッチたちが考えているより一枚上手で、なかなか情報を引き出せない。
ホッチは「生真面目なボス」という性格がたたり、かすりもしませんでしたし、JJとスペンサーはかろうじてスレイドの「精神的侵入」を防いだといった具合。
JJとスペンサーの時は、やられるんじゃないかと思って、とにかくドキドキしました~。
一番の見所は、スレイドとタラのやりとりでした。
いじめられた過去を告白したタラですが、スレイドに嘘だとあっさり見破られ、撃沈。
しかもスレイドはそこで、「複数の少年で一人の少女を襲わない」なんて、プロファイラー並の洞察力を発揮するし。
相手の心理状態を読み取る力に長け、主導権を握るのが上手く、名だたるメンバーを相手に堂々と交渉できるスレイドは、名悪党ではなく、名プロファイラーになったかもしれませんね。
スレイドの「ナルシストで主導権を握らないと気がすまない性格」は、ホッチたちにとって有利な展開を提供したものの、それもスレイドの筋書き通りだったフシがあります。
犯人逮捕でめでたしめでたし、というわけではなかったから!
確かにスレイドの性格見抜き、コピーキャットの犯人を突き止め、拉致された少年たちを無事に救出することに成功しましたが、再びヴァージニア州の刑務所に戻されたスレイドにとって、今回の事件は何の得にもならなかったのではないでしょうか。
ホッチたちを手玉に取り、ケンタッキー州に移送させるという思いを実現し、バーロウを自決させ「スレイド劇場」を展開することが、彼女の思惑だったようですね。
ただ、それが真の目的かどうかはわかりませんが。
今回のエピソードでは、どうもスレイドに軍配が上がりそうですが、マインド・ゲームの決着は、次回に持ち越されそうです。
血のついた服について、スレイドから事情を聞こうと面談に訪れたホッチ。
その時スレイドはホッチに向かって
"All work and no play makes Agent Hotchner a dull boy."
と、言葉を吐きました。
これは、
「All work and no play makes Jack a dull boy(勉強ばかりで遊ばないと子供はだめになる。よく学びよく遊べ).」ということわざをもじったものです。
仕事一筋になってるホッチに向かって「バカ」って言ってるんですね。
なんて失礼な!
主導権を握りたがる、スレイドの最も嫌いなタイプ・ホッチでしたが、「ダメな子ホッチ」で終わりませんでしたね。
最後のシーンで、「子供がいるだろう」とスレイドに聞くシーンは、最高でした。
さすがホッチ、アンタは頼もしい存在よ!
今回のエピソードで、一番戦慄を覚えたシーンは、スレイドが口に入れていた食べ物を、スペンサーの手のひらに吐き出したシーンでした。
は、吐くなぁ~!
と、思わず絶叫。
これもスレイドの極悪シリアルキラーっぷりを強調するシーンになったと思います。
にしても、おえっ。
今回のエピソードのタイトルは、『Devil's Backbone(悪魔の背骨)』です。
エピソードを観たらすでにおわかりかと思いますが、これは、バーロウがアダムを連れ去った池へと続く小径の名称です。
看板までありましたね、「Devil's Backbone」って。
ホッチナー: "Don't you know there comes a midnight hour when everyone has to take off his mask?" — Søren Kierkegaard
(「真夜中には誰もが仮面を取らなくてはいけないことを君は知らないのか」セーレン・キルケゴール)
ルイス: "No man really knows about other human beings. The best he can do is to suppose that they are like himself." — John Steinbeck
(「他人を完全に理解できる者はいない。相手も同じ人間だと思えればそれで上出来だ」ジョン・スタインベック)
"Creep" by Scala & Kolacny Brothers (Original by Radiohead)