クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド11第17話「砂時計」。
家族を狙った連続殺人事件が発生!
モーガン復帰に喜ぶ暇もないままカンザス州に向かうホッチたち。
両親を惨殺し、子供を連れ去る犯人の意図は?
エピソードの初めから最後まで見逃せない展開が!!
クリミナルマインド・シーズン11第17話「砂時計(The Sandman)」のあらすじと感想です。
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半年ぶりに仕事復帰を果たしたモーガン。
ロッシからポーカーの誘いを受け、ミーティングルームへ足を運ぶと、BAUメンバーとサヴァンナが復帰パーティのサプライズで出迎えた。
和やかな雰囲気の裏側で、ホッチナーはカンザス州で発生した殺人事件の捜査支援を受けていた。
パーティもそこそこに、メンバーたちは現地へ向かう。
カンザス州・ウィチタ。
ブリューワー(Brewer)一家が何者かに襲われ、両親は死亡、一人息子のロニー(Ronnie)が誘拐された。
両親の両目は接着剤で塞がれ砂がかけられていたが、父親は喉を切られた状態でベッドに横たわっていた。
一方の母親は廊下で血を流して息絶えていた。接着剤で目を塞がれた状態で家の中を歩き回り、階段から落ちた拍子に頭をぶつけたようだった。
ブリュワー一家の農場で働いている従業員の1人は、猛スピードで走り去った白人男性が運転する灰色のセダンを目撃していた。
ブリュワー家の現場検証に訪れたロッシとJJ。
現場は施錠の習慣がないほどのどかな地域の一角にあり、家にはセキュリティーアラームは設置されていなかった。
敷地内にタイヤ痕が見つからなかったことから、犯人は近くに車を停め歩いて現場に近づいたと推測された。
家の中を調べていたロッシは、犯人が重い家具を移動させていたことに注目する。
なぜ犯人はわざわざ重い家具を階段の前に移動させたのか。
ロッシは、目の見えない母親が階段から落ちないよう犯人の配慮から来ているのではと結論付ける。
クランストン監察医から検視結果の報告を受けるスペンサーとタラ。
父親の死因はナイフで喉を切られたことによる失血死で、母親は頭蓋骨骨折。
両親の角膜組織を調べたクランストン監察医は、父親の白血球は正常だったのに対し、母親のマクロファージの数値が増えていることを指摘する。
どちらも接着剤で目を塞がれたものの、父親は殺害後に塞がれたため接着剤に反応しなかったのだ。
父親はためらわず殺害するのに、なぜ母親は同じように殺害せずに生かすのか。
新たな疑問が生じる。
ホッチナーたちのもとに、男の子の遺体が発見されたとの一報が入る。
ロニーでは、というモーガンの予測どおり、遺体はロニーだった。
死後7時間ほど経過していたことから、誘拐直後に殺害されたとホッチナーは推測する。
ロニーの死因は首を絞められたことによる窒息死で、性的暴行の痕は見られなかった。
誘拐直後に殺害するということは、犯人の目的は監禁ではなく、子供を誘拐することにあるという可能性が高まる。
新たな事件が発生する。
被害者はズムウォルト(Zumwatt)一家で、手口はブリュワー家のケースとほぼ同じだった。
違っているのは、母親が瀕死の状態で発見されたことと、誘拐されたのは一人娘のジョジー(Josie)という点だ。
ズムウォルト家にはセキュリティアラームが設置されていて、事件当日は非動作になっていた。
しかしドアの開閉履歴は残されており、そこから犯人は侵入してから1時間ほど室内に滞在していたことがわかった。
ホッチナーたちは犯人のプロファイルを発表する。
ブリュワー家の犯行現場の写真を見ていたリードは、暖炉の上に置かれている砂時計に注目する。この砂時計は2ヶ月ほど前に撮影されたクリスマスの写真にはなかったものだ。ズムウォルト家にも砂時計があったと確認されたことから、この砂時計は犯人が持ち込んだ可能性が高まった。エリーは砂時計に見覚えはないとホッチナーに話した上、犯人はゴーグルのようなものをつけていたことと、数字の「11」と言ったことを覚えていた。
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前回のエピソードがあまりにも盛り上がってしまったせいか、今回のエピソードはちょっと地味に感じてしまいましたね。
犯人の出番が少なくて(最期もあっけなかったし)、キャラが伝わってこなかったというのもあるかもしれないですが。
子供を誘拐したり両親の目を接着剤で塞ぐ理由がエピソードの後半までわからなかったし、犯人の顔がよく見えなかったので、ミステリアスな雰囲気が漂っていましたよね。
それが不気味さにつながったので、「ひょっとしてマシューが監督?」と思ったのですが、ロッシ役のジョー・マンテーニャでした。
でも最後のポーカーシーンで「あ、やっぱりこれはマンテーニャの作品だわ」ってなりましたね(笑)。
これから父親になるモーガンの心境の変化にスポットを当てたかったのかも知れませんが、子供が犠牲になるのは嫌ですね。
最後の最後でモーガンとサバンナに誰かが銃口を向けているシーンが出てきましたが、もしかしてこの心境の変化とモーガンの今後に何か関係あるのかな、と不安がフッとよぎるような展開でした。
エピソードは休職していたモーガンが復帰で始まり、そのモーガンとサバンナが何かトラブルに巻き込まれるで終わったので、その点ではスリル満点だったかな。
あ~、次のエピソードが気になって仕方ないですね。
モーガンの復帰を祝うシーンと、ポーカーシーンがあってよかった。
それがなかったら沈んだ気分で終わったと思うので。
そう考えると、相変わらずエピソードの構成は秀逸ですよね。
出演時間が短く、変なゴーグルみたいなものをいつもかけていて素顔がよく見えなくて、しかもほとんど喋らなかったので、ほんと地味でキモい犯人でした。
何考えてるのか、何したいのかがよくわからなかった。
パトリック・ソレンセン
出典
子供の頃就寝中に連れ去られ、性的暴行を受けるという経験をしてしまったソレンセン。
子供を守るべき母親は泥酔状態で車内で寝ていたため事件には気づかなかった。
その事実を知ったら確かに母親に対して激しい怒りを感じるのも仕方ないでしょう。
そしてソレンセンが犯行にこだわった砂時計は、自分が暴行を受けているときに犯人から「砂時計を見ていろ」と言われたところにありました。
今回の事件には、彼の悲惨な体験が色濃く出ていることから、ずっと強いトラウマを抱えていたことが伺えます。
ホッチたちが「ソレンセンは母親がなぜ自分を放置したか、それについて謝罪の言葉が聞きたいのでは」と推測しましたが、見事に的中しましたね。
ジョジーの母親がソレンセンの母親のようにふるまって呼びかけましたが、それを聞いたソレンセンが態度を軟化させたところを見ると、ソレンセンはずっと母親の「ごめんなさい」という言葉を待っていたのかも知れません。
母親がすぐにフォローしていたら、事件は発生しなかったのでは…
と言っても母親の遺体を盗んで骨を砕いて砂時計に混ぜたり、異様な事件を起こしてるからやっぱり歪んだ気質を持っていたんでしょうね。
エピソードはモーガンが仕事に復帰するところから始まりました。
拉致事件から6ヶ月。
その間にサバンナとゴールインしたことが、結婚式の写真でわかりました。
モーガン戻ってきてくれてよかった~♪
結婚してあとは赤ちゃんの誕生を待つだけだね、と喜んでばかりもいられないような雰囲気が。
というのもモーガンは自分を拉致した組織の正体を密かに調べているようだったので。
まだ終わったわけではないのかも知れません。
ちょっと話は変わりますが、モーガンが殉職した捜査官の写真を見るシーンが有りましたよね。
その時女性捜査官の写真を見ていましたが、それはシーズン8で殉職した前セクションチーフのストラウスです。
モーガンが復職して喜びに包まれるBAU。
しなくていいのに、とモーガンは言うけど、やっぱりおかえりパーティーしないとね!
サバンナがいるというサプライズのサプライズがあって、本当に盛り上がっていました。
メンバーたちの中の良さが伝わってきていいな~と思っていた矢先、ホッチのオフィスには神妙な雰囲気が。
捜査支援を受け、今すぐ出発しないといけない状況だったのですが、ホッチを呼びに来たJJに「(メンバーにすぐ伝えず)もう10分だけ」と言ったところにホッチの優しさを感じました。
相変わらずいいボスですね(涙)
検死結果の報告を聞きにモルグを訪れたスペンサーに「また会えて嬉しいよ、スペンサー博士」と声をかけたのが、クランストン監察医。
「4年前トルネード野郎の事件で会った」ということでしたが、これはシーズン7第7話「ストームチェイサー」のことですね。
あの時はサンドイッチだったかな、を片手に検死してて、「司法解剖しながら食べられるってすごい」って思ったのを覚えています。
今回の再登場で、気さくな監察医というイメージが定着した気がします。
今回のエピソードの中で好きなシーンのひとつがこのポーカーゲームのシーン。
和気あいあいとしていて演技じゃなくて自然に盛り上がってるような雰囲気が伝わってきましたよね。
みんな演技がうまいな~なんて思いながら気になったので役者さんたちを調べてみてびっくり。
元海兵隊の大将で役者として活動。
「英雄の死」でスコットの葬儀に登場するなど、ロッシとは親交があります。
出典
アメリカのボディビルダーで、ミスターオリンピア(国際的なボディビルの大会)で8回の優勝に輝くという経歴の持ち主。
ボディビルダーとクリマイ?ロッシ?モーガン?と思ったけど、シーンの中では違和感ありませんでしたよね。
コールマンは大学時代フットボール選手として活躍し、その後警察官になったという経歴もあることから、ロッシやモーガンと親交があったのかも知れません。
イーグルスのギタリストとして知られる、ジョー・ウォルシュ。
レジェンド的な存在のジョー・ウォルシュの出演は、ジョー・マンテーニャの広い交友関係が伺えますね~。
ビル・ウィザースは、1960年代から80年代にかけて活躍したシンガーソングライター。
グラミー賞に3度輝き、ゴールド認定されたアルバムとシングルは6枚。
ジョー・ウォルシュもそうですが、彼もすごい経歴の持ち主ですね。
米デトロイト出身の俳優で脚本家。
「ギャング・オブ・フィラデルフィア」などの映画に出演、数々のドラマの脚本も手掛けてきました。
撮影のために初めて集まってポーカーゲームをしたわけではないような、和やかムードでしたよね。
パパになるモーガンのために賭けたお金の25%は子供へのプレゼントというのがまた良かった。
さすがパパ歴の長い彼ら、提案の仕方に余裕すら感じられました(笑)。
モーガンとサバンナに向けられた銃口。
こんなラスト全く想像していなかったので、最後はもうびっくり。
やっぱりまだ終わっていなかったようですね。
もうモーガンが危険にさらされるのはこりごり!
と思っていたけど仕方ない、次回のエピソードは恐る恐る見ることにします(トホホ)。
ロッシがポーカーゲームに誘った時モーガンが「my dance card's kind of full these days, Rossi」と返答しました。
なんでdance card(ダンスカード)って言うんだろ?
ダンスカードについて、ウィキペディアの説明を引用してみますね。
ダンスカード(Dance card, Ballspende or Damenspende)とは、フォーマルな舞踏会にて、女性がダンス毎に踊る相手の予定をメモしておく為に使われたカードである。次第に男性にも用いられるようになった。18世紀には登場していたが19世紀のウィーンにて、特にレント前のカーニバル期間中に行われる大舞踏会で広まった。 その後、ダンスカードは予定表の意味でも使われ、誰かに一緒に過ごす時間を取って欲しいときに、比喩的に "pencil me into your dance card" と表現することがある。(引用)
ダンスの相手を指名するメモから、予定表という役割に発展したんですね。
なるほど、モーガンはサヴァンナから「ダンスカード」を沢山渡されて、予定がいっぱい状態なんですね(笑)
予定で埋まってることをこんな粋な言葉で表現するなんて、モーガンて素敵だわ~。
今回発生した事件について分析しているときにスペンサーが事例に挙げた「クラッター一家」とは、1959年11月15日に米カンザス州で発生した一家殺人事件のこと。
リチャード・ヒコックは、獄中仲間の農場主のクラッカーは隠し金庫を持っているという話を信じ込み、出所後仲間のペリー・スミスを誘ってクラスター一家に強盗目的で侵入、一家を脅して金庫の在り処を聞き出そうとしました。
リチャード・ヒコック
ペリー・スミス
ともに出典
実際には隠し金庫どころか現金すらほとんど家にない状態だったのですが、2人はムキになって隠し金庫を探し続けます。
目当てのものが見つからなかった苛立ちが頂点に達したのか、ペリーはせきを切ったようにクラッカー夫妻と、夫妻の娘と息子の4人を惨殺しました。
一家は銃で頭を撃ち抜かれ、クラッカー氏には喉を切り裂かれた痕が残っていました。
ヒコックとスミスは12月31日、逃亡先のネバダ州で逮捕され、1965年4月14日にそれぞれ絞首刑に処されました。
この事件に興味を持った小説家、トルーマン・カポーティは独自取材をし、それをもとに小説を書きましたが、それが1965年に発表されたノンフィクションノベル『冷血』です。
『冷血』は1967年に映画化され、1980年にはテレビ映画として放映されました。
2005年に公開された映画『カポーティ』は、カポーティが『冷血』執筆にあたっての苦悩や犯人処刑までの裏事情が描かれていると言います。
カポーティは加害者に感情移入してしまったようで、死刑を引き伸ばすよう働きかける反面、小説完成のため死刑執行を早める必要があるといった矛盾に陥っていたようです。
自分自身に関係ない事件に首を突っ込みすぎてしまったようですね。
一歩距離をおいて冷静にことの成り行きを見守るのがベストではなかったかと思います。
日本で言う「鬼」や「雷さん」のように、ヨーロッパでは伝承的な存在のサンドマン。
なんでも睡魔を誘う妖精で、砂が詰まった袋を担ぎ、砂をふりかけて人を眠らせてしまうと言われています。
サンドマンをモデルにした芸術的・文化的作品は多く、『眠りの精』(ブラームスの子守唄)や『砂男』(E.T.A.ホフマンの小説)などが知られています。
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※シーズン10「英雄の死」では、ウイリアムズ海兵大将として出演。
モーガン: "Parents are the bones on which children sharpen their teeth." — Peter Ustinov
(「親とは子供が歯を研ぐ骨である」ピーター・ユスティノフ)
モーガン: "Lucky I'm sane after all I've been through. Life's been good to me so far." — Joe Walsh
(「いろんな目に遭ったけど幸運なことに俺は正気だ。今のところいい人生だよ」ジョー・ウォルシュ)