クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド10第15話「過去からの叫び声」。
今回の捜査はカリフォルニアで起きた猟奇的連続殺人事件!
被害者に刻まれた痛ましい傷は、犯人がサディストを物語っている?!
ホッチたちのプロファイリングが明らかにしていく犯人像。
そして、壁ドンじゃなくて、壁ゴンする犯人の、真の犯行動機とは…
クリミナル・マインドシーズン10第15話「過去からの叫び声(Scream)」のあらすじと感想です。
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カリフォルニア州東ロサンゼルス近郊の町ダイアモンドバーで、この3週間のうちにマイア・コリンズ(Maya Collins)と、ローレン・ホワイト(Lauren White)という女性の遺体が相次いで発見された。
どちらの遺体にも喉が切り裂かれ、激しく殴られた痕があった。
この遺体の状態から犯人は典型的なサディストで、犯行の動機は個人的なものと見られた。
また、手首と足首に縛られた跡があることから、犯人は人知れず被害者を拘束できる「第2の場所」を確保している可能性があった。
犯人は被害者がどのくらい耐えられるのか拷問を加え、ひとしきり楽しみ、最後は口封じに喉を切り裂いたと言う見方が強まる。
被害者の外見には共通点があり、また、非常勤講師とパートタイムの看護師と、どちらもパートタイムの仕事についており、仕事帰りに連れ去られていた。
そして、ふたりとも独身だったため、出会いを求めて公共の場所で犯人と接点があった可能性も浮上する。
被害者の遺体が遺棄されていたグランドアベニューは交通量が多く、他の4つの市につながっていた。
遺棄する場所はたくさんあるにかかわらず、人目につくリスクのある場所を選び、しかも2人ともそう離れていない場所に遺棄していることから、犯人にとって重要な場所か、または仕事上都合がいい場所であることが考えられた。
被害者の検死結果を聞くJJとキャラハン。
検視官によると、1番目の被害者には素手で殴られたあとがあったり、喉を切り裂く傷にもためらったあとが見られたが、2番めの被害者、ローレンには凶器が使われ、より残忍になっていることがわかった。
JJとキャラハンは、犯人が被害者に拷問以外に目的を持っていることを感じるのだった。
その後の調べでマイアもローレンも、自己イメージに対して悩みを抱えていることがわかった。
常に出会いを求めたり、正社員として昇格できないのはそのためだった。
なぜ犯人は主体性がなく自尊心の低い女性を狙うのだろうか。
そういう女性に拷問を加えることで、自分自身に優越感を感じているのではないだろうか。
つまり、犯人も毎日の人生に価値を見いだせない、自己価値の低い人間と考えられる。
犯人が女性に対し、以上にコントロールしたり力を誇示する背景は、少年期に自分が無力という経験をしたからではないだろうか。
被害者の女性は、自分の計画を達成する上で重要な人物の代理なのでは。
BAUメンバーたちはそう分析した。
やがて、第3の事件が発生してしまう。
被害者はグレタ・トーマス(Gerta Thomas)という女性で、自宅にいたところを誘拐された。
犯人はグレタの息子を目撃者として残している他、家に侵入するという、これまで見られなかった行動にホッチナーたちは注目する。
ここで犯人のプロファイルが発表された。
やがて被害者たちの喉に叫び続けたために出来たとみられる腫瘍があることがわかる。
さらに、被害者の胃の残留物に塩水、ハチミツ、しょうが、紅茶が残っていた。
それを聞いたリードは、それらの材料を使って犯人は被害者の喉を癒やしていたことに気づく。
犯人の目的は拷問ではなく、被害者の「叫び声」を集めることだったのだ…
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すっごい几帳面な犯人が出てきましたね。
犯人が登場したとき、まっさきに「闇夜に浮かぶ観覧車」の犯人が思い浮かびました。
このときの犯人もメガネを掛けて、やけに几帳面でしたよね~。
どちらも悲しい過去を持つ、といっても今回の犯人には同情できませんでした。
叫び声が欲しいからと言って…
キモいよ、ほんと(;O;)
今回のエピソードでは、時々鋭い分析をしたケイトの活躍が目立ったかな。
それから、メグの外出を巡って、クリスともいい掛け合いしていましたし、最後の機内では子を持つ母親の気持ちを、JJとシェアしていましたね。
あ、それからJJも犯人とやりあうなど、最後の活躍が印象に残りました。
被害者の悲鳴をゲットしたくて犯行を重ねた今回の犯人。
ピーター・フォークモア
まあドラマ上のキャラですが、しかし、いろんなタイプのシリアルキラーっているんですね…
この超几帳面さは、父親が母親に「だらしない」と罵ってるところを常に見せつけられていたからでしょうか。
だらしなくしていることがまるで悪のように排除してましたよね。
何から何まできちっとしてて、ゾッとするほど。
父親が母親に暴力をふるっているのを日常的に見せつけられ、終いには父親が母親の喉を切りつける現場まで目撃してしまったピーター少年。
自分の姓を「ホールデン」から「フォークモア」に変えるほど、ピーターはフォークモア警察官のことを慕っていたようですね。
握りしめていたレコーダーはフォークモア警察官からの贈り物ですし。
ピーターは、母親の最後の日を録音して、それをずっと聞いていました。
そして、火事でそれを失うと、今度はその録音を再現しようと被害者を拉致。
聞いて呆れるような動機ですが、もうここまで来るとあのとき録音したものは、ピーターの体の一部になっているようですね。
傷ついた女性をサポートするという立場を利用して、被害者を物色するなんて、ホント姑息なヤツ!
ホッチたちのプロファイリングでは、犯人は暴力を振るわれるのは女性に原因があると信じ込んでいると分析していましたが、そんな歪んだ人格を持ってしまったのは、父親にも大きな責任がありますよね。
スペンサー:「孤独な被害者が出会いを求めていた場所は、バーとかナイトクラブとか…」
うんうん、それはわかる。
でも…
スペンサー:「チェストーナメントとか…」
(;´゚д゚`)エエー
まあ、ゼロってわけでもないけど、マニアックしか集まらなさそうだから閉鎖的では^^;
この言葉をスペンサーが言い放ったとき、みんなが言葉を失ってしまったのには笑いました。
あのロッシでさえもフォローが難しい(笑)!
今回はケイトのプロファイリングが冴えてたと思いませんか?
「叫び」を録音してるのでは、ということにいち早く気づいたのがケイトでしたし、フォークモア警察官とのインタビューで、「ピーターはフォークモア姓に改名したのでは」と気づいたのもケイトでした。
そして最後は絶体絶命のJJを救いましたよね。
事件解決の要所要所で、ケイトの存在が。
そんなふうに感じたエピソードでした!
エピソード中にスペンサーが事例に挙げたレイモンド・フェルナンデス(1914-1951)は、マーサ・ベック(1920-1951)とタッグを組み、20名以上の女性を殺害したシリアルキラー。
レイモンドは20歳の時に頭に重傷を負い、以来性欲過剰に。
その性欲を処理するために結婚詐欺師になるのですが、被害者を物色するため利用したのが「ロンリー・ハーツ広告(Lonely Hearts Ad)」でした。
やがてその広告を通して、パートナーとなるマーサと出会い、殺人を繰り返していきます。
レイモンドの手口はまず未亡人に近づき、結婚。
このときマーサのことは義理の妹として紹介していました。
その後被害者の財産を奪い、用がなくなったところで殺害。
2人は「ロンリーハーツキラー」として知られ、1949年に逮捕され、死刑判決を受けた2人は、1951年3月8日に処刑されました。
ちなみに2人を題材にした「ロンリーハート」と言う映画がありますが、その監督はトッド・ロビンソンで、2人の捜査にあたった刑事の実のお孫さんだそうです。
ピーターの父親、フォード・ホールデンは、妻のカレン(ピーターの母親)の喉を切り裂き殺害、自分は銃で頭を撃ち抜いて自殺という壮絶な最期を遂げました。
それをガルシアは、「シェークスピア作品のよう」と形容しましたが、調べてみると、シェークスピアは悲劇作品を多く書いていましたね。
中でも「四大悲劇」と呼ばれている作品は
です。
シェークスピアは「ロミオとジュリエット」くらいしか知らない私なので、これはちょっとした発見でした^^;
にしてもすごい悲劇ですね。
ハッピーエンドが好きなので、やっぱりシェークスピアは苦手かなあ。
ガルシアが「シェークスピア作品っぽい」と表現したことはよくわかりましたが。
生物の授業が同じ男の子とモールで会う約束をしたというメグとマーケイラ。
張り込みがてら買い物をしたクリスは、ピンクの紙袋をぶら下げながら男の子たちを待っている2人のところにやってきます。
「バレンタインデーだからケイトに手袋でも」と言ったクリスですが、マーケイラが「ピンクのバッグに手袋?!あり得ない!」
お、なかなか鋭いなと思ってましたが、マーケイラ正解!
2人の報告がてら、買ったものが何かケイトに伝えてましたね、周り気にしながら(笑)
それがすごくウケたんですが、メグとマーケイラと待ち合わせ予定だった男、2人を誘拐するつもりだったようですね!
クリスが張り込んでてくれてよかったε-(´∀`*)ホッ
と、メグとマーケイラ以外はそう思っているでしょう。
これはまだ何か続きがありそうですね…
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キャラハン: William R. Alger once said, "Men often make up in wrath what they want in reason."
(ウイリアム・R.・アルジャー「人は理性の欠如を怒りで埋め合わせしようとしがちである」)
ホッチナー: "Nothing can drive one closer to his own insanity than a haunting memory refusing its own death." — Darnella Ford
(「記憶そのものが消えることを拒む時、人は正気を失っていく」ダーネラ・フォード)
ロレンツォ・ダ・ポンテ「ウナ・ドナ・ア・クウィンディチ・アニー」(Una Donna a Quindici Anni by Lorenzo da Ponte)
ブレントン・ウッド「グレート・ビッグ・バンドル・オブ・ラブ」(Great Big Bundle of Love by Brenton Wood)