クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド10第14話「ヒーロー崇拝」。
インディアナポリスで爆発事件が発生、多くの被害者が!
犯人はテロリスト、それとも孤独な爆弾魔?
調べれば調べるほど深まる謎。
そして人間模様の複雑さが犯人特定の複雑さに!
ロッシのやさしさやスペンサーの健気なさにも心打たれるこのエピソード。
クリミナル・マインドシーズン10第14話「ヒーロー崇拝(Hero Worship))」のあらすじと感想です。
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インディアナポリスで、客で賑わうコーヒーハウスが何者かに爆破される事件が発生、この爆破事件で6名が死亡、16人が負傷する。
この事件の前に、小学校が爆破される事件が起きており、インディアナポリスは同一犯の犯行と見ていた。
小学校に仕掛けられた爆弾からは、トリニトロトルエン(TNT)がわずかしか検出されておらず、しかも爆発したのは夜間。
犠牲者は、サーキットパネルを取り替えるために、たまたまそこにいた修理屋だった。
後日犯人は、人で賑わう朝のコーヒーハウスを狙った。
このことから、小学校の爆発は、犯人の予行演習だった可能性が高まる。
爆破事件が発生してから、声明が出されていないため、ホッチナーたちは、原理主義者やテロリストグループによる犯行の可能性は低く、個人的な犯行との見方を強める。
コーヒーハウスの被害者たちが運び込まれた病院を訪れたリードは、負傷して動けない被害者の一人から、父親の安否を調べてほしいと頼まれる。
被害者の父、パット(Pat)は、トイレに行き、妊婦に先に譲って待っていたときに爆発が起きたという。
その妊婦は分娩室におり、アレン・アーチャー(Allen Archer)という男性に助けられ、一命をとりとめた。
アレンは、妊婦を助けた英雄としてメディアを賑わしており、JJとケイトが彼の自宅を訪れたときもマスコミが自宅前に待機していた。
アレンの話によると、アレンと妻のブレンダは、コーヒーハウスの向かいのレストランにいたときに、爆発が発生、火の手が上がったため店に飛込み、無我夢中で妊婦を助け出したという。
アレンとブレンダは夫婦だが、自宅にはブレンダの前夫、グラントの写真が飾ってあることにJJとケイトは注目する。
グラントはアメリカ海軍の特殊部隊に所属していたが、アフガニスタンで死亡していたのだった。
弾道解析専門家アインシュタインと、コーヒーハウスで使用された爆弾の分析をすすめるロッシとモーガン。
2人は、爆弾がつなぎ合わせたように雑な作業で仕上げられていること、小学校の爆弾と同じようにTNTが使われていたことに注目する。
そして、犯人は殺人に対して躊躇しているか緊張しているかのどちらかだということで意見が合った。
アインシュタインは、爆弾を仕掛けた場所がガス管に近かったため、爆発した時それに引火、被害が大きくなったことを発見する。
爆弾事件のニュースで連日放送されているのは、「英雄」となったアレンのことばかりだった。
それに気がついたロッシは、これは犯人のエゴや、注目を集めたいという欲求に反すると考え、犯人は近々爆弾を仕掛けるだろうと予測する。
その予測通り、犯人は次の行動に出るが、ターゲットになったのはなんとアレンだった。
犯人はアレンが所有する車に爆弾を仕掛け、アレンは車を出そうとしたときにそれに気づき、一命を取り留める。
また、現場検証を行ったアインシュタインによると、爆弾はニトログリセリンが使用されており、殺傷能力の高いものになっていたことがわかる。
ホッチナーたちは犯人のプロファイリングを発表する。
アレンの車を調べていたモーガンは、爆弾に関する本を発見する。
さらに、アフガニスタンで死亡したグラントの専門が爆弾処理だったことも判明したのだった…
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なんか「例外」要素がたくさんあったエピソードでしたよね。
爆弾を仕掛けるのに大量の死者を出すのが目的じゃなさそう、とか、死亡した元夫の写真を未だに飾ってる夫婦とか。
エピソードの途中で英雄視されたいたアレンが、急に容疑者になってしまうし。
「犯人は誰だろう~?」っていうのが続きましたね~。
最後の方で、犯人が現れるのでは、というシーンでは、1回フェイントがありましたよね。
しかも爆発するの?!
という緊迫感もありましたし。
こんなふうに最後までドキドキ感が抑えられなくて、切なかったです(;・∀・)
その合間を縫って、ギデオンのことで喪失感一杯のスペンサーと、それを思いやるロッシのやり取りが含まれていてよくバランスが取れていたと思います。
エピソードの題名は、ここからきているのでしょうか。
犯人に対しては「身勝手だなあ」と感じ、スペンサーに対してはちょっと切ない気持ちが残ったエピソードでした。
今回のエピソードは、エゴの強い爆弾魔が犯人でしたね。
ジェームズ・バーク
出典
解雇されたことを逆恨み?!
違法ではないけど、学生に手を出してしまったんだから仕方ないじゃない、ってこっちは思うのですが、自分を神と信じて疑わないこいつにとって、悪いのはこちら側なんでしょうね。
ジェームズは、もっとエグいナルシストかと思ったけど、「神は死なない」と、JJとスペンサーに説得されて、あっさり爆弾のスイッチ切りましたよね。
素直なナルシスト?!
こんな神コンプレックスのキャラもいるんだというところがユニークでした。
結局ジェームズはすんなり御用、インディアナポリス市民の無事も確保。
大事に至らなくてよかったです。
うまくいったら手柄を独り占めできる市長は、ホクホクですね~^^;
そしてもうひとりの爆弾魔、アレン・アーチャー。
元旦那の写真を飾っていたり、奥さんが必要以上にベタベタしてたように見えたので、「なんか怪しい」というのが初めの印象。
でも、バークのターゲットになったことから、「犯人ではないだろうな」と思い直しましたが。
後にまたどんでん返し!
やっぱりこいつは怪しかった!!
自分に自信が持てず、友人のグラントを妬み、その死をきっかけにブレンダの心の隙間に入ることに成功。
見事、グラントが生きていたら続けていたであろう生活を手に入れたのでした。
でも、元から自尊心の低いアレン。
グラントのようなヒーローにならなければブレンダに愛されないという危機感を常に抱いていたようですね。
それがコーヒーショップ爆破につながったわけですが、とんでもない代償を払うことになりました。
あんなにアレンにベタベタしてたブレンダですが、真実を知ってからはアレンをすっぱりと拒否。
やっぱりブレンダは、ヒーローであり、夫であったグラントが好きだったんでしょうね。
ブレンダとの結婚生活、これで終わりそうですね。
エゴの強いジェームズと、低いアレン。
タイプの違う犯人ですが、その動機はどちらも身勝手でしたよね。
あ~、やれやれ。
ロッシとモーガンといっしょに、弾道解析にあたったのが、ディラン・アインシュタイン女史。
若いのに専門機関で働くなんてすごいな、と思わずネームプレートを見て驚いたロッシの顔が印象的でした。
19歳でメディカルスクールを卒業して以来働いているということで、かなり優秀ですよね。
キュートな顔立ちも手伝って、ちょっとしか登場していないけど、インパクトありました。
アレンの車に仕掛けられた爆弾の解析をスペンサーとしていましたが、なかなか似合ってる~♪
エピソードからは、この二人がその後、というニュアンスはほとんどありませんでしたが、才女と天才の組み合わせ、いいな~、見てみたかったです!
ちなみに「アインシュタイン姓」ですが、かなりレアな姓で、アメリカではおよそ800人がこの姓だそうですよ(サイト「How Many of Me」参照)。
どうしてもギデオンを失った悲しみから立ち直れないスペンサー。
自分が忘れてしまったら、ギデオンの存在までも消えてしまいそう。
その気持ち、よく分かる。
死んだら忘れることが薄情だと思ってるんだね、スペンサー。
でも、一人で寝る間も惜しまずチェスをし続ける姿が切なすぎるよ(TдT)
最後の飛行機の中で、ロッシがスペンサーのチェスの相手に名乗り出ますが、「チェスできるの?」って顔をしたスペンサーに「ギデオンは誰とチェスをしていたと思ってる?」と言ったロッシの言葉が印象的でした!
そして、2人でチェスをするんですが、このシーン、最高に好きです!
これでスペンサーも悲しみから立ち直れそうですね。
スペンサーが浮かべた笑顔が、その答えを出しているかな^^
エピソードでスペンサーが飲用した「アナーキストクックブック」って、本当にあるんですね!
1971年に出版され、著者はウィリアム・パウエル。
「政治を変えるために必要な暴力」というコンセプトの元、政治に対抗するための必要な暴力が紹介されています。
「通過の偽造方法」
「マリファナの栽培方法」
「殺人の方法」
といったことが紹介されているようですが、聞いただけでも「法にひっかかるんじゃない?」っていうような内容っぽいですよね。
こちらがその「アナーキストクックブック」(英語)。
The Anarchist Cook Book
スペンサーが言ったように、
が紹介されています。
この本、未だに売られているのにびっくり!
犯人をおびき出すため、市長の協力を得てアレンの贈賞式を設定したホッチたち。
その時の市長の演説には、過去に実際に起きた爆発事件の都市が挙げられました。
どれも大きく報道された事件でした。
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※シーズン8「転生」では、麻酔医役で出演。
リード: "The most heroic word in all languages is revolution." — Eugene Debs
(「どの言語の中でも最も英雄的な言葉は「革命」だ」ユージン・デブス)
リード: "True heroism is remarkably sober, very undramatic. It is not the urge to surpass all others at whatever cost, but the urge to serve others at whatever cost." — Arthur Ashe
(「真のヒロイズムは驚くほど地味で劇的ではない。どんな代償を払っても人より勝りたいというよりも、どんな代償を払っても人に尽くしたいという衝動からくる」アーサー・アッシュ」)
ジェフリー・ジェームズ「4デイズ」(4 Days by Jeffrey James)
スリーピング・アト・ナイト「ウエスト」(West by Sleeping at Last)