同じ一家のメンバーがまた失踪?
残された父親に再び容疑がかかる、でも父親の記憶が曖昧すぎて、真実は闇の中。
父親の不可解な行動は犯人だというサイン?
それとも他に犯人はいるの?
謎が謎を呼ぶような事件の結末から目が離せない!
クリミナル・マインドシーズン8 第14話「姉妹(All That Remains)」のあらすじと感想です。
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作家で大学教授のBruce Morrisons(ブルース・モリソン)から、「娘たちが消えた」という911コールが入る。
ブルースの娘、17歳のSera(セラ)と13歳のKatie(ケイティ)は、月曜日の夜から行方不明になっているにもかかわらず、ブルースが電話をしたのは水曜日だった。
しかもちょうど1年前の同じ日、ブルースの妻、Judy(ジュディ)が失踪していたのだった。
その時の911コールも同じように「妻が消えた」というものだった。
ジュディは会社の同僚、Jeff Godwin(ジェフ・ゴッドウィン)との不倫が疑われており、それが理由で失踪したと考えられていたが、決定的な要因とは言い切れない。
ブルースの家に到着したホッチナーたち。
ブルースは娘たちが失踪して電話をかけるまでの空白の時間、自分が何をしていたかということを思い出すことができないと話す。
しかし、地元警察のFriedman(フリードマン)刑事は、ブルースがジュディと2人の娘の失踪の犯人と見ていた。
ブルースが所有している12口径ショットガンと38口径が紛失していることがわかる。
また、家の外にはウイスキーの空ボトル2本が見つかる。
ゴミの収集日から、ブルースは月曜日にこれらのボトルを空けたと推測された。
さらにモリソン一家の隣人は、姉妹が失踪した月曜日の夜、呑んだくれた様子のブルースが娘たちと喧嘩しているような声が聞こえてきた。
そして、しばらくしてから、ブルースの車がなくなっていたと話した。
ジュディが失踪した日もブルースとジュディは争っていたという。
川の付近でケイティの遺体が見つかった。
検死の結果、ケイティの死因は後頭部を銃の端などで強く殴られたことによるものということがわかる。
さらにケイティの爪に、うっすらと皮膚が付着していたことから、犯人には、ケイティが抵抗した時につけた傷が残されている可能性が高くなった。
取り調べを受けているブルースが着ているシャツをまくると、腕には傷がついていた。
セラとケイティのテキストメッセージの履歴を調べていたガルシアは、セラとジェフが頻繁にメッセージのやりとりをしていることを発見する。
ジェフはセラのサッカーチームのコーチを務めており、失踪した月曜日のテキストのやりとりをセラが消去していたことがわかる。
ジェフによると、セラは父親の酒癖の悪さに悩んでおり、日増しにエスカレートしていく様子に身の危険を感じていたという。
問題の月曜日、ケイティが自分の携帯電話から地元のホットラインに電話をかけていたことがわかる。
その時のやりとりは録音されていて、それを聞いているうちに、ブルースが娘たちに「ドアを開けろ!」という怒鳴り声が聞こえ始めた。
それを聞いたブルースは激しく取り乱す。
そして、ブルースは別人になったように態度を変え始めた...
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ホッチこと、トーマス・ギブソンが初監督したエピソードということもあって、ちょっとワクワクしながら観ました。
期待裏切らなかったですね~。
娘たちが失踪して日にちをあけて911コール。
その間の記憶が無い、とか、はじめから謎だらけで
そしてついにブルースの別人「Johnny(ジョニー)」が登場!
なんて誰が想像したでしょうか?
さらにさらに、犯人はブルースではなく、セラだったことも。
こうしたストーリーの意外性がよかったですし、それを表現する役者さんや雰囲気がやっぱりよかったですよね。
まあちょっとジョークに欠ける内容かな、なんて思ってしまいましたが、それはやっぱり「ホッチ」のキャラということで(笑)
とまあ、楽しませてもらいましたが、ケイティの遺体が発見されてから終わりまで悲しいな、という気持ちが残るエピソードでしたね。
冒頭で楽しそうにしているブルース一家の様子が出ているから、なおさらかもしれませんが。
セラはこの間もずっと母親を憎み、妹に異常な嫉妬心を抱いていたのかと思うと複雑な気持ちになりますね。
家族を失い、どんどん自暴自棄になっていく父親を殺人者にさせようとしていたのでしょうか。
あまりにも冷酷で、計算ずくで、破壊者ですよね。
消化不良を感じたことは、
ジュディは本当にジェフと不倫していたの?
遺体はどこにあるの?
の2つ。
とっても知りたかったのに、思ったまま終わってしまったエピソードでもありました^^;
あ、そうそう、このエピソードでは事件解決にJJが大活躍します!
犯人にピンときたのはJJでしたからね。
エピソードの最後は見逃せません♪
JJには姉がいましたが、姉は自ら命を断ってしまいました。
アレックスがJJに「お姉さんが自殺したのはいつ?」と聞きますが、それはJJが11歳の時でした。
ちなみにJJの姉が自殺したのは17歳。
多感な時期に。
ショックだったし、なぜ自ら命を断つことを選んだのか、その理由がわからず苦しんだと思います。
殺害された可能性が十分高いですが、ジュディは失踪したままその行方はわからず。
ここが「スーザン・パウエルさん失踪事件」にリンクするところがあるのかな、なんて思いました。
この事件をあるケースファイル番組で観たのですが、あまりにも理不尽で、あまりにもおぞましくて、2度と忘れることができません。
2009年12月6日、ユタ州ウェストバレー。
隣人と話しているうちに具合が悪いと寝室に向かったSusan Cox Powell(スーザン・コックス・パウエル)を、その後見かけた人はだれもいませんでした。
容疑がかけられたのは、夫のJosh Powell(ジョシュ・パウエル)。
夫婦仲はうまくいってなくて、2008年ころからスーザンは友達に、ジョシュに激しく怯えていることや、「自分が死んだらそれは事故ではない」といった手記も残していました。
といってもスーザンの遺体は見つからないし、家の中にもスーザンのものとみられる血痕が見つかったものの、殺害されたような決定的な証拠は見つからず、ジョシュを犯人と確定するには至りませんでした。
その後ジョシュはスーザンとの間に生まれた2人の子供の親権を剥奪され、裁判で争っていました。
ある日ソーシャルワーカーが2人の子供とともにジョシュの家に訪れた時、ジョシュはすきを見てソーシャルワーカーだけを締め出し、家に鍵をかけてしまいます。
そして斧で子どもたちを殺害すると、ガスが充満している室内に火をつけて自殺します。
ジョシュの片棒と見られていたジョシュの弟のチャーリーもその後自殺し、スーザンの行方はますます闇に包まれ、2013年、スーザンの捜索は打ち切られました。
とまあ、「スーザンに何があったの?」という疑問が残ったままの事件ですが、ジョシュ自身も、ジョシュの家族もなんか胡散臭いんですよね~。
犯人とされてるジョシュの父親はかなり威圧的で性的嗜好が強く、ジョシュとスーザンが結婚して一時父親の家に身を寄せていた時、スーザンの着替えを覗いたり写真を撮ったりしていました。
ちなみにこの父親はスーザン失踪後にシャワーの覗き見と児童ポルノ所有で逮捕されています。
確実なことはわかりませんが、おそらくスーザンの姿が最後に見られた日、ジョシュは珍しくスーザンとその友人にパンケーキを焼きますが、スーザンのものには薬を入れ気分が悪くなり寝ていたスーザンを殺害。
弟のチャーリーの車に遺体を入れ、その車をそのままスクラップ工場に入れるなど処理をした、と、番組では推測していました。
にしても本当に後味が悪い事件ですね。
被害者はどうなったのか真相がわからない。そして子供を巻き添えにするなんて。
どうしてここまでしたのか、ジョシュの心の闇も永遠にわかりません...
ブルースの中にいる、もう一人の人格「ジョニー」。
このことから、ブルースは解離性同一性障害であったといわれます。
解離性同一性障害は一種の人格障害。
ブルースのように何らかの強いストレスが引き金となり、それを受け止める「誰か」を自分の中に作り出すことによって、心のダメージを軽減しようとします。
感情や性格が本人から切り離され、別格が出ている間は、本人には記憶がなくなるということです。
こんなことが本当にあるとは。
人間てすごい力を持ってるな、とびっくりするのですが、解離性同一性障害は、普段の日常生活に支障をきたすほど、深刻な人格障害なので、治療が必要です。
とまあちょっと明るい話題に欠けたエピソードでしたが、次回のエピソードはちょっと明るい部分のあるのを期待しています^^;
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ホッチナー: "Love never dies a natural death. It dies of blindness and errors and betrayals. It dies of illness and wounds; it dies of weariness, of witherings, of tarnishings." — Anaïs Nin
(「愛に自然死はない。無知、思い違い、裏切りによって愛は死ぬ。疲れ果て、力尽き、輝きを失って息絶えるのだ」アナイス・ニン)
ホッチナー: Alan Lightman said, "The tragedy of this world is that no one is happy, whether stuck in a time of pain or of joy."
(アラン・ライトマン「つらい思い出にせよ楽しい思い出にせよ、とらわれていては誰も幸せになれない。それがこの世の悲劇」)