みすぼらしい身なりの少年が突然目の前に!
傷だらけで鎖の痕があるこの少年いったいどこから?!
事情を聞くにも何も、少年は心を頑なに閉ざしきっていて、名前すら聞けない状態…
え?新たに少年が行方不明に?!
事件のカギを握る女性が持つ、30年前の記憶は本当の話、それとも?!
クリミナル・マインドシーズン7 第18話「翼(Foundation)」のあらすじと感想です。
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アリゾナ州クロフォードの郊外で、みすぼらしい姿の少年が2時間前に保護された。
足の裏には切り傷、足首のまわりには鎖に繋がれていたときにできたような擦り傷が、そして少年の両目には黄疸が出ていたことから、少年はどこか日の当たらない場所に監禁されていて、そこから脱走してきたと見られた。
少年が保護された近くのフラッグスタッフで、Billy Henderson(ビリー・ヘンダーソン)という13歳の少年が、今日の夜から行方不明になっており、2人の少年の誘拐は同一犯によるものとの見方が強まった。
Samantha Allen(サマンサ・アレン)という女性が、クロフォード警察を訪れ、ちょうど今回保護された男の子のように、30年前、鎖に繋がれた男の子のことを覚えていると話し立ち去ったというガルシアの報告を受ける。
ホッチナーは、ロッシとプレンティスにサマンサを探すよう指示を出す。
一方モーガンとJJは、保護された少年が入院している病院を訪れた。
ビリーを無事に保護するためにも少年の証言がどうしても必要であり、何か情報が聞けるかと期待していたが、少年の状態は予想以上に深刻で、少年は監禁生活の恐怖から未だ抜け出せないのか、口を開くどころか、人をも寄せ付けないほどだった。
モーガンは薄暗い病室の片隅にうずくまる少年の様子をしばらく見ることにしようと、少年から少し離れた場所に腰を据える。
地元警察を訪れたホッチナーとリード。
リードは、監視カメラに映ったサマンサが、写真が展示してある部屋を見て動揺したことに注目、なにか心当たりはないかとをPerez(ペレス)刑事に聞く。
ペレス刑事は、写真に映っている人物の殆どは故人で、警察署や住宅を建てた人物はJ.B.Allen(生存者)サマンサの父親だと説明する。
仕事中のサマンサに話を聞くプレンティスとロッシだったが、サマンサは、「警察で話したことは思い違い」だと証言を撤回する。
加えて、「自分の父親は良い人物だから、もうこれ以上捜査協力することはできない」と、その場を立ちさってしまう。
父親をかばっているサマンサの態度が気にかかっているプレンティスは、彼女は何か心に引っかかっていることがあると、ホッチナーに報告する。
ホッチナーは、サマンサの父親であるアレンの経歴について調べるようプレンティスに指示を出した。
プレンティスがガルシアに、アレンの経歴と、行方不明者の未解決事件について調査を依頼、電話を切るとそこへサマンサが現れた。
サマンサは、少年が保護されたというニュースを聞いた時に、30年前、足首を鎖で繋がれた少年の姿が映画の早送りのように蘇ったが、それが本当にあったことなのかどうか定かではないとプレンティスに話す。
サマンサは、プレンティスに言われるまま目を閉じて30年前に見たという記憶をたどり始める。
真夜中にとても暑くて目が覚めたサマンサは、母親を起こしに行くが母親はガンのため起き上がれる状態ではなかった。
母親の隣で寝ているはずの父親の姿はなく、サマンサは母親の隣で横になった。
しばらくすると地下室から音が聞こえてきて、降りてみると父親の姿を発見、怖くなったサマンサはすぐに両親の寝室に戻った。
そして、寝室の窓から外を覗くと、トラックが目に入り、トラックの荷台に、足首を鎖で繋がれた少年が乗っていた。
男がトラックに近づくが、暗がりで父親かどうかはわからない。
必死に抵抗する少年を乗せたトラックに男が乗り込んだところでサマンサは、「父がこんなことできるわけがない!」と激しく否定した。
その頃モーガンは、少年との距離をだいぶ縮めていた。
少年の身元は未だにはっきりしていなかったが、モーガンのチャレンジコインに刻まれている羽を指さし、「エンジェル」という名前ということだけはわかっていた。
エンジェルという名前を手がかりに、身元を割り出そうとするガルシアだが、ついにAngel Suarez(エンジェル・スアレス)が少年だということをつきとめた。
サマンサの記憶をもう少し鮮明にするため、プレンティスはサマンサにボイスレコーダーを身に付け、父親の家を訪ねることを提案し、サマンサはしぶしぶこれを受け入れる。
平生を装い、父親の本を訪れたサマンサ。
そして、いつものように明るく娘を受け入れるアレン。
野球のミットを探していると言って例の地下室に降りていくサマンサ。
果たしてそこにビリーの姿は…!?
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サマンサの記憶が正しいのかそうでないのか
アレンが犯人なのか、それとも他にいるのか
そんな微妙さが最後まで続いたエピソードでした。
アレンは悪人に見えないし、エンジェルも、いつも暗がりで犯人の顔がわからないって証言してるし、もしかしたら最後にどんでん返しがあったり?!
と、微妙にドキドキしてましたね~^^
モーガンとエンジェルの距離がどんどん縮まっていくのもこのエピソードの見どころかなと思います。
私が好きな場面は2つ。
ひとつはチャレンジコインの話。
もうひとつは、犯人について話したがらないエンジェルを見て、モーガンが自分の過去の虐待について正直に話し、エンジェルが捜査協力することを決心した場面。
モーガンの人柄が溢れ出て、とっても好きです!
自分を虐待した人間の名前まで正直に打ち明けて、自分の素直な気持ちをぶつけるモーガンて、どこまでも真っ直ぐで誠実な人だな~、と、改めて惚れなおしてしまいました☆(人´Д`)ポッ
もう何回モーガンに惚れなおしてることやら(笑)
邦題は「翼」つまりエンジェルのことを指しているんでしょうね。
モーガンとエンジェルの心の交流が感動的なエピソードなので、この邦題は納得出来ますが、原題の「foundation」てなんじゃらほい?
ファウンデーションて言うと、土台とか基礎とかそういった意味合いが強いので、しっくりこなかったんですね~。
でもファウンデーションて、根拠とか拠り所って意味もあるようで、つまりサマンサの記憶の根拠のことをいってるのかな?
そう考えるとようやくなるほどって思えて来ました♪
サマンサとエンジェルは、どちらもキーとなる人物ですが、原題と邦題でその比重の違いがあるのは興味深いです。
人はあまりにも辛いことがあると、その苦しみから逃れようとしてその記憶を封印してしまうことがあるようです。
未だに学説の域を超えてないところもありますが、意図的に記憶を消し去ろうとする脳の活動メカニズムが、脳波の研究で判明するなど、抑圧された記憶については研究が進んでいるようですね。
これはとても興味深い。
消したい記憶はありますが、単に忘れてるとか、無意識に忘れてるとか、意図的に忘れてるとか、そういった区別つけるのって結構大変な気がしますが^^;
サマンサは母の死の悲しみや、残された肉親のことを信じていたい、という気持ちが強くなったため、当時の記憶を抑圧したようですが、「苦しみから開放されて生きたい」という気持ちのパワフルさに圧倒されますね~。
チャレンジコインは、アメリカ軍特有のミリタリーコインのことで、大きさは直径4センチほど。
所属している部隊名や作戦名ロゴ等が刻まれています。
帰属意識や士気を高めるために配られるとか。
なので、チャレンジコインはいろんなデザインがあって思わず収集したくなるほどなんだそうです。
実際いそうですね、チェレンジコインコレクター。
チャレンジコインの由来はいくつかあって、モーガンがエンジェルに聞かせたパイロットの話もその由来の一つだそうですよ。
エピソードの終わりごろ、モーガンの机の上にチェレンジコインがいっぱい並んでたのが印象的でした。
モーガンがどうやってチャレンジコインこんなに手に入れたのかなって調べていたら、チャレンジコインはアメリカ軍のメンバー以外でも、サービスメンバーによって収集されたり、アメリカ軍以外の機関(NASCARなど)でも独自のチャレンジコインを持っているので、交換されたりしていることがわかりました。
調べれば調べるほど、チャレンジコインてアメリカではすごく奥の深いものということがわかり、ここらへん詳しく書くと記事の長さがとんでもなくなってしまいそうなので、これくらいにしておきますね。
ホッチって、いつも白いシャツにネクタイ、スーツという服装ですが、今回はなぜかノーネクタイ、しかも黒シャツでした。
なんか昔のモーガンみたいな服装ですね。
ホッチは黒も似合ってるので違和感ないですが、珍しい、ということでちょっとチェックしてみました♪
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プレンティス: "Memory is a complicated thing, a relative to truth but not its twin." — Barbara Kingsolver
(「記憶とは複雑なものだ。真実の親戚ではあるが双子ではない」バーバラ・キングソルヴァー)
モーガン: "Nothing fixes a thing so intensely in the memory as the wish to forget it." — Michel de Montaigne
(「忘れたいという願いほど、強く記憶に働きかける力はない」ミシェル・ド・モンテーニュ)