生存者の記憶から明らかになる事件の全容!

クリミナルマインド9第19話「記憶の稜線」あらすじと感想

出典

 

 

1年前に発生した事件の真相を追うホッチナーたち!

 

事件の真相と犯人のパートナーは一体誰?

 

 

唯一の生存者の記憶だけが頼り。
果たしてモーガンは真相を聞き出すことができる?

 

 

ストーリーが進むたびに真実に近づくミステリアスさとスリルにゾクゾク!

 

そして、真実が顔を出した時に、衝撃が駆け巡る!!

 

 

クリミナル・マインドシーズン9第19話「記憶の稜線(The Edge of Winter)」のあらすじと感想です。

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「記憶の稜線」あらすじ

ニューヨーク州ハミルトン。

 

モーガンは2013年に起きた事件の生存者、Daria Samsen(ダリア・サムセン)が入院しているメリーランドグローブ精神科病院を訪れた。
事件の裁判が行われる前にダリアが証人として法廷に立てるかどうか、彼女の過去の証言について確認する必要があったのだ。

 

モーガンはダリアの過去の証言をひとつひとつ確認しながら、事件を振り返る。

 

 

事件のあらまし

アップステート・ニューヨークにある町、ハミルトンで、10日間で3体の遺体が発見された。

 

3人は年齢も性別も拉致された日や最後に目撃された場所などばらばらだった。
しかし、3人の体には、農耕具でつけられたような無数の穴で出来た模様らしきものが残っていた。

 

女性の被害者には性的暴行の痕があったが、男性にはなかった。
また、被害者がすぐに死なないように刺していることから、犯人は刺すことによって性的興奮を得るサディストではないかと見られた。

 

 

3番めの被害者ベン・ウィルソン(Ben Wilson)の遺体が発見された現場を検証するモーガンとJJ。

 

  • 現場は車で乗り入れるような場所ではない
  • 停めた場所から歩く必要がある
  • 体格の良い男性の遺体を運ぶ必要がある
  • カカシのように吊るす必要がある

 

ことなどから、犯人にはパートナーが居ることが濃厚になった。

 

被害者の検死結果から、リードは遺体につけられた穴はアイスピックであることに気がつく。

 

無数の穴を規則正しくアイスピックでつけていることや、遺体が遺棄されていた現場が整然としていることなどから、犯人は強迫性障害(OCD)である可能性が出てきた。

 

 

ホッチナーたちのもとに新たな被害者が発見され、病院に搬送されたと情報が入る。

 

この時の被害者がダリアで、体には他の被害者と同じような刺し傷や監禁された痕、長期間監禁されたことと車にはねられたことで、逆行性健忘症になっていると診断された。

 

 

ダリアから事情を聞こうとするJJとモーガンだが、興奮していて、一緒に逃げようとして犯人に拘束されている女性を助けて欲しいと訴えるだけだった。

 

 

 

その後新たな遺体がサービスエリアのトイレに吊るされた状態で発見される。

 

遺体の特徴は他の被害者と似ていたが、アイスピックでつけられた穴はこれまでより大きくさらに現場は血痕が飛び散るなど、整然とした様子が見られなかった。

 

ダリアに確認した所、被害者の女性は一緒に拘束されていた女性、キャリー(Carrie)とは別人ということがわかる。

 

ここでホッチナーたちは犯人のプロファイルを発表する。

 

  • 犯人は2人組のサディスト。
  • 遺体を公共の場に晒すことによって社会に脅威を与えようとしている。
  • 一人はリーダー格で感情的要求から犯行を実行、もう一人はリーダーに服従し脅迫障害の傾向がある。
  • 被害者を刺すのは、性的欲求からきている。
  • 被害者に逃げられた経験から、犯行はより無謀さを増し、犯人たちのパートナーシップに亀裂が入る原因にもなったと考えられる
  • ダリアは他の被害者よりも長期間拘束されていたことから、おそらくリーダー格の犯人にとっては自分の妄想を満たす特別な存在だった。
  • ダリアが逃げたことにより犯人の怒りは増し、犯行期間が短くなり、被害者をより人目につく場所に晒すことによって自分の怒りを表している。

 

 

その後の捜査でリーダー格の犯人が判明するが、もう一人の犯人の特定にまではいたらなかった。

 

 

そして事件から1年後、モーガンと事件を振り返っていたダリアは、事件解決のカギを握る重要なことを思い出す…

 

 

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「記憶の稜線」感想

どんな話になっていくのかな、と思ったら過去に起きた事件を回想するストーリー展開でしたね。

 

事件解決のカギを握る人物が逆行性健忘症という設定は、シーズン3、19話「記憶を失くした殺人犯」を連想させます。

 

 

もしかしたら途中で「あ、犯人て…」と気がついたかもしれませんが、私は最後までわからなかったので、話の最後の場面で犯人がわかった時は、「えっ?!これがオチかあ~」という感じでした。

 

なので、すごく楽しめましたよ、サスペンスドラマとして(笑)

 

このエピソードを見終わった後、何か寂しいというか物足りなさを感じたんですが、よくよく考えたらモーガンとホッチ以外は回想場面にしか出てこなかったし、メンバーのジョークも出てこなかったということに気が付きました。

 

 

まあ、ハッピーエンド、というわけでもなかったですからね^^;

 

 

でも、モーガンの珍しいスーツ姿も観れましたし、最初から最後までかっこよかったので全然文句無いです(笑)

 

 

すごいサディストのパートナーは女だった

今回の犯人、ジョーは、とにかくサディスティックな男でした。

 

男女構わず精神的肉体的苦痛を与え、殺害した後は公の場に遺体を遺棄して見世物にする。

 

本当に胸糞悪かったですよね。

 

クリミナルマイドには、グロい犯人が出てきますが、ジョーは間違いなく極悪シリアルキラーの部類に入ると思います!

 

 

ジョーにパートナーがいるというのは前からわかっていたけど、それがダリアだったとわかった時、かなり衝撃的でした。

 

しかもダリアは脅されて犯行に加担したのではなく、喜んで協力していた。

 

もうダブルショックですね。

 

 

でも、ダリアは機会を見て逃げ出したことから、ストックホルム症候群にかかっていたのかもしれません。

 

モーガンと面接した時、「ジョーのことが好きで好きでたまらなかったから、喜んで協力した」と、笑顔で語っていましたが、モーガンと別れる時には「ジョーのパートナーは見つかった?」と、モーガンに聞いていたことから、本気でジョーに恋していたと言うよりも、ジョーに恋するように自分を追い立てて、生き延びようとしたのかもしれません。

 

その精神的抑圧が後遺症となっているみたいですからね、今のダリアは。

 

 

ダリアが喜んで協力したのか、そのふりをしていたのかはわかりませんが、もし普通の生活に戻ったら、どうでしょうか。
ジョーみたいなシリアルキラーと出会ってしまったら、また協力してしまう危険性をはらんでますよね。

 

モーガンが判断したように、精神病院でケアを受けることが最善かなと思います。

 

 

カンザスとは違うんだね

3番めの被害者、ベンがカカシのように吊るされて発見されましたが
その時にロッシが、「Dorothy, we're not in Kansas anymore(ドロシー、ここはカンザスとは違うんだね)」と言います。

 

「 we're not in Kansas anymore」というのは、オズの魔法使いで有名なセリフですが、映画では、ドロシーがオズの国に迷い込んだ時に、飼い犬のトトに言いました。

 

 

 

なんでロッシが言ったんだろう。

 

 

私個人の推測ですが「カカシ」からとっさにオズの魔法使いが頭に浮かんだだけか、それとも被害者が馴染みなる場所から突然悪夢のような場所に連れ去られ、人生が終わってしまったことを表現したのかなと思います。

 

まあ、ドラマでは重要視されてないので深く考えすぎないほうがいいかもしれないですね^^;

 

 

 

「かかし」ってそんな意味があったの?!知らなかった

ベンがカカシに見立てられて遺棄されていたことから、スペンサーが古事記を引用して、「かかしはこの世の中のことならなんでも知っている神のシンボル」という意味があると言いました。

 

古事記にそんな記述があるんだ?!

 

と、調べてみたら、古事記には久延毘古(くえびこ)という、かかしを神格化した神様が登場するんですね。
久延毘古は田の神、山の神、農業の神、土地の神で、賢者であったものの、歩く力を持っていなかったと言われています。

 

かかしは久延毘古の依代とされ、地方によっては「かかし上げ」という山の神に感謝の気持ちを捧げる祭りが行われているそうです。

 

 

かかしにはそんな意味があったとは。

 

 

さすがスペンサーですね、恐れいりました^^;

 

 

マシュー・シェパード

事件の被害者にイスラム教徒だった女性がいたことから、ヘイトクライムの可能性があると考えたBAU。

 

その時アレックスが例に出した「Matthew Shepard(マシュー・シェパード)」ですが、マシューは、ヘイトクライムとして全米の注目を集めた事件の被害者。
クリミナルマインド9第19話「記憶の稜線」あらすじと感想
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1998年10月6日、ラッセル・アーサー・ヘンダーソンとアーロン・ジェイムス・マッキンリーは、同性愛者を装ってマシューに近づき、車で連れ出したあと、マシューに激しい暴行を加え、フェンスに縛り付けて放置しました。

 

マシューはおよそ18時間後にサイクリストによって発見されましたが、すでに昏睡状態に陥っており、病院に搬送され10月12日に亡くなりました。

 

 

ちなみに第1発見者のサイクリストは初めマシューのことをかかしと思ったということです。

 

 

ラッセルとアーロンには、それぞれ終身刑が言い渡されましたが、事件はそれだけにとどまらず、同性愛者のヘイトクライムとして全米の注目を集めたほか、事件をきっかけに同性愛者の擁護活動や反対運動が盛んになっていきます。

 

そしてその運動は、ヘイトクライムを禁止する「マシュー・シェパード法」成立(オバマ政権時代の2009年に成立)のきっかけにもなりました。

 

 

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「記憶の稜線」キャスト

 

 

  • マシュー・アラン・ブレイディー(Matthew Alan Brady) ライオネル
  • エマヤツィ・コーリナルディ(Emayatzy E. Corinealdi) エレン・サムセン
  • スティーヴン・ダディ(Steven Dady) トラクターの息子
  • アアーシャ・デイビス(Aasha Davis) ダリア・サムセン
  • マーク・デサルボ(Mark DeSalvo) 警察官
  • アーロン・フィリ(Aaron Fili) ギャリソン監察医
  • マーティ・フォートニー(Marty Fortney) トラクター運転手
  • テイマー・カジ(Taymour Ghazi) ジョー・バックナー
  • リサ・カミニール(Lisa Kaminir) キャロル・ロバーツ医師
  • マンディ・クリシッシャー(Mandi Kreisher) キャリー
  • キャロライン・リンディ(Caroline Lindy) メリッサ・コールマン
  • ガイ・ナルドゥリ(Guy Nardulli) ウォーカー刑事
  • ※シーズン3「忍び寄るストーカー」では、覆面警官で出演。

  • アンソニー・ナッチシオ(Anthony Nuccio) コビー・ピータース
  • スコット・スパイザー(Scott Speiser) クロード・ピノー医師
  • サニー・スルチック(Sunny Suljic) 若い頃の・ジョー・バックナー
  • イザベラ・ウェイ(Isabella Way) ナース

「記憶の稜線」で引用された格言

モーガン: "No one is ever a victim, although your conquerors would have you believe in your own victimhood. How else could they conquer you?" Barbara Marciniak
(「あなたは被害者ではない。征服者に被害者意識を植え付けられただけ。それが征服ということだ」バーバラ・マーシニアック)

 

モーガン: "There are times when the mind is dealt such a blow it hides itself in insanity. There are times when reality is nothing but pain and to escape that pain, the mind must leave reality behind." Patrick Rothfuss
「あまりに激しい衝撃を受けた心は、錯乱の中に姿を隠す。苦痛に満ちた現実しか感じられないこともある。その苦しみから抜け出すには、現実を置き去りにするしかない」パトリック・ロスファス)

 

 

どちらもエピソードに登場した、ダリアを想起させる格言です。

 

ダリアは被害者だったのか、加害者だったのか。
それを判断するのは、ドラマを見た私達にありそうですね。

 

ダリアは普通の女性だったんだと思います。
でも、ジョーとの生活は、あまりにも激しく、心が砕かれるもので、それが精神状態を乱す原因になったのではないでしょうか。

 

もし、ダリアがジョーのようにサディスティックで、犯罪に快楽を感じていたら、逃げ出すことも、錯乱することもなかったはずですから…

「記憶の稜線」で使用された曲

クリマイ挿入曲 メリッサ・R. カプラン・アンド・ジェフ・トイン「アンダーマインド」(Undermined (Scratch Mix) by Mellisa R. Kaplan & Jeff Toyne)

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