「お前が犯人だな!」
「え、寝たきり…?!」
犯人の車の持ち主は、なんと肢体が麻痺した医師だった!
殺人の舞台となった農場に残る、おびただしい犯行の痕跡に驚愕する捜査陣。
果たしてこの事件の結末は?!
そして、本当の「地獄からの帰還」の意味は?
クリミナル・マインドシーズン4 第26話「地獄からの帰還 -後編-(To Hell...And Back (2))」のあらすじと感想です。
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Kelly(ケリー)を誘拐しカナダに逃走した犯人。
逃走経路上に犯人が車を発見、車の登録番号から、車の持ち主はMason Turner(メイソン・ターナー)という、メディカルスクールを卒業し、医学のバックグラウンドを持つ人物だった。
メイソンが所有している農場に急行したホッチナーたちだったが、そこで目にしたのは首から下が完全に動かず、チューブに繋がれ、ベッドに横たわっているメイソンの姿だった。
ベッドウェルは、メイソンが殺人者のワケがない、ウィリアムの釈放を許可したことを後悔している、と、ホッチナーに心境をぶちまける。
しかし、建物の外を捜索していたモーガンとプレンティスは、豚を飼育している柵の近くにあった大きな木箱に、血の手形を発見。
さらに蓋を開けると、中から無数の血のりがつき、サイズの違う男女の靴が入っていた。
「10どころじゃない、100足はあるだろう」と、モーガンがホッチナーに伝えると事態は急転、本格的な家宅捜索をするための手配がとられた。
ホッチナーはガルシアにメイソンのラップトップを分析させるため、現地に来るよう指示を出す。
そして、プレンティスはウィリアムの手錠を外すのだった。
メイソンは自分の部屋の四方八方に鏡を置き、それを見ながら誰が部屋に入ってきたのか、外はどうなっているかなどチェックしていたようだった。
肢体麻痺のメイソンに被害者を連れ去り殺害することなどまず不可能。
他に誰かこの農場に住んでいないかどうか聞くために、ロッシは単身でメイソンの部屋に入っていった。
そして、鏡を隠しメイソンが寝ているベッドの脇に座り、喉に繋がれているチューブに手をかけながら、これまで見たこと、共犯者の存在、誘拐されたケリーについて
話すよう迫るのだった。
メイソンは、「全ては弟のルーカスがしたこと」と告白する。
続けて、「自分は警察に連絡しようとしたら殺されそうになった、ルーカスはどこにいるのかわからないし、ケリーについては(見つかるよう)祈ったらいい」と、ロッシに説明する。
そして、「ルーカスは大柄で凶暴だから、見つけたら説得しようとせずすぐに射殺した方がいい」と、ロッシにアドバイスした。
夜が明けると、農場は事件関係者で物々しい雰囲気に包まれた。
被害者の家族、マスコミ、オンタリオ州内の警官、緊急事態対策チーム…
その中にデトロイト警察のベニング刑事の姿もあった。
35名の行方不明者名簿を持ってきたデニング刑事だったが、それ以上の数の靴が並べられている光景を見て言葉を失う。
「89足だ」とモーガンはデニング刑事に伝え、ウィリアムの主張に耳を貸さず、これまで捜査をしようとさえしなかったデニング刑事を強く批判した。
モーガンは神妙な面持ちで、ウィリアムの手にあるものを握らせた。
ウィリアムは握っただけでそれが何かわかり涙を流した。
リーが持っていた自分の認識票だった。
農場にいたたまれなくなったモーガンは、ホッチナーにプレンティスと同じ捜索班に入れてほしいと頼み、ホッチナーはこれを承諾する。
自宅の離れにある納屋を調べていたリードは、納屋の2階に、ルーカスの寝床を発見する。
飾られていた複数の絵を見たリードは
と推測する。
メイソンのラップトップを分析していたガルシアは、そこで驚くべき事実を発見し、驚愕する。
そして、メイソンの部屋にいるロッシに、メイソンとルーカスが、メイソンの体を治療するために被害者を実験していた様子がパソコンに保存されていたと報告する。
それを聞いたルーカスは、悪びれることなく、しれとした態度で、
「奴ら(被害者たち)は放浪者、娼婦、麻薬中毒者。社会には必要のない人間。私が彼らに治療に役立てるチャンスを他与えたのだ。それが"科学"なのだ」と持論を展開。
たとえ証拠をつきつけられても、肢体麻痺の自分が犯人だと立証することはできない、と言い放つのであった…
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ここ(メイソンの農場)には神が存在しなかった、という表現がぴったりなくらい、残酷なエピソードでした。
そしてエピソードの最後、今日の出来事を言い表すのに最適な引用文がなく、「言葉が見つからない」とホッチが切り出す部分がありますが、事件が解決しても虚しさしか残らないというメンバーの心情を代表して表しているようでした。
89名という被害者
しかも目的が人体実験
使わない部分は豚の餌
そんな凶行があったのに、まったく動かなかかった警察
そして、ウィリアムとケリー。
事件を通して2度ともとの人生に戻ることはないでしょう。
ドラマなんですけどね~。
私もこれ見終わっった時は虚しさしか残らなかったですね(TOT)
メイソンは科学者としては優秀な人間ですが、「優勝劣敗」を理由に、目的のために人体実験を続けていたという姿は、ナチスの人体実験に関わった医師たちを彷彿とさせます。
そんなことを考えるとまた虚無感が襲ってきてしまいました。
メイソンがロッシに、「ルーカスが全てやった」と告白するシーンでは、すでに「いや、共犯でしょ?」っていうのがわかってたので、メイソン白々しいな~、となってしまいました。
また、メイソンがルーカスに指示を出すシーンでてきてたら、もっと2人の共犯性が確認されてよかったかな、と、そこは残念な部分かな。
でも、とてもインパクトが有り、忘れられない仕上がりになってるので、フィナーレを飾るエピソードとしてはいいんじゃないかな、と思います。
共犯者とこの農場で何が起こったかについて、事情を聞き出そうとメイソンを問い詰めるロッシ。
鏡を一つ一つ裏返しにしていくところとか、どんどんメイソンに近寄っていって、最後はメイソンの喉につながってるチューブに手をかけて行く様子はジリジリとした恐怖感がありました。
ひょ、ひょっとしてそのチューブを抜いたりして (゚A゚;)ゴクリ
と、思わずヒヤッとしてしまうほど迫力がありました。
これだけの被害者を出していれば、チューブを抜いてしまいたくなったのかも(汗)
そのシーンのロッシ役マンテーニャの迫真に迫る演技は見逃せません!
農場に来るようにホッチから指示を受けたガルシア。
電話を切った後、持っていたペンを見ながら「カンザスには帰れそうにないわね」といったのですが、なんでカンザス?
と思ったら、これは「オズの魔法使い」ドロシーの故郷だったんですね。
なるほど。
ホッチの電話を受けた時に、ガルシアが
"BAU Tech Centre, where you should definitely pay attention to the girl behind the curtain."
(BAUテクニカルセンターカーテンの後ろにいる女の子に注目)
というのですが、「オズの魔法使い」ではカーテンの後ろにいるのはオズの魔法使い(男)なので、ここだとガルシア魔女なんでしょうね~。
ガルシアの頭のなかでは、今日はオズの魔法使いですごしたかったようですが、それがすべて狂ってしまったようです^^;
ウィリアムがリーにあげた認識票を、モーガンがウィリアムに手渡すシーンはこのエピソードの中でも最も好きなシーンです。
ウィリアムの気持ちが痛いほどモーガンに伝わっているんですね。
モーガンの目に涙が光ります。
ウィリアムに掛ける言葉が見つからない、こんなふうに妹が命を落としてしまうなんて辛すぎる…
いろんな気持ちが渦巻いていたと思います。
何も言わずにモーガンは底を立ち去りますが、あのモーガンの顔は、男らしい優しさが伝わってきてうっとりしてしまいました ☆(人´Д`)ポッ
事件が解決してアパートに戻るホッチ。
しかしそこに待っていたのは休息ではなく、黒い仮面をかぶったリーパー!
「取引に応じてればよかったんだ」といったので
間違いなくリーパー! ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
あれだけの大事件の後だからホッチさぞかし疲れてるのに…
少し休ませてあげてよ(;´Д`)
このエピソードの邦題は「地獄からの帰還」とありますが、この場面を見た後、リーパーのことを表現してる気がしてなりませんでした。
本当の地獄はシーズン5に持ち越しです!
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珍しく、今回のエピソードには格言が出てきません。
ですが、ホッチがエピソードの最後に
"Sometimes there are no words, no clever quotes to neatly sum up what's happened that day…"(ときにはその日何があったかをうまく表現できる言葉が見つからない日もある。)
というふうに、ターナー兄弟が90人以上の人の命を奪った現状を目の当たりにし、あまりの悲惨さと自分たちの無力さに言葉を失っている気持ちを表現しています。
これが格言と言えば格言なのでしょうか。
エピソード上のストーリーとは言え、本当になんと表現したらいいかわからない気持ちになりますよね。