クリミナルマインド4の最終話、前編!
アメリカ-カナダ国境で発生した守護所追突事件で拘束された男。
自分でわざと車を衝突させる、「FBIを呼べ!」と叫ぶ、一体何物?
でも、調べていくうちに、身の毛もよだつ連続殺人事件が背後にあった!
ホッチナーたちのプロファイリングが犯人に迫ったその先に待ち受ける、予想外の展開!!
クリミナル・マインドシーズン4 第25話「地獄からの帰還 -前編-(To Hell...And Back (1))」のあらすじと感想です。
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アメリカとカナダの国境があるミシガン州ポートヒューロンで、1台の車がチェックポイントを通過し、国境を超えた直後、車を守護所に激突させた。
車の中からよろめきながら出てきたWilliam Hightower(ウィリアム・ハイタワー)は、そのまま取り押さえられ、「10人を殺害した。FBIを呼べ」と主張する。
車内からは被害者とおぼしき写真が見つかり、ウィリアムは拘束される。
ウィリアムは、デトロイトの路上で10人を車に誘い込み殺害、遺体はカナダ国境をまたいで捨てたという。
しかし、どこに遺体を捨てたかなど事件の詳細はFBI以外とは話をしないという姿勢を貫くウィリアムに、王立カナダ騎馬警察(The Royal Canadian Mounted Police、RCMP)は、BAUに捜査支援を要請してきた。
ウィリアムは、2ヶ月前までアメリカ陸軍の優秀な軍曹だった。
しかし、イラクで奇襲に遭い、左足を失った後は、戦傷者に贈られるパープルハート章を受賞し、名誉除隊していた。
ウィリアムが10名を殺害したのであれば、戦争によるトラウマ(PTSD)を患っていたためだろう、と、ロッシは推測する。
しかし、なぜウィリアムは守護所に車を激突させたのか、という疑問は残った。
ウィリアムの被害者は性別や年齢などタイプはバラバラだったが、被害者は皆麻薬中毒者や売春婦、ホームレスが密集している、キャスコリドー(Cass Corridor)という地域で誘拐されていたことがわかった。
ホッチナーはモーガンとプレンティスに、キャスコリドーに行くよう指示、残りのメンバーはホッチナーとともにRCMPに向かうことに。
RCMP本部に到着したホッチナーたちを、かつてロッシが初めてのプロファイリングセミナーで教えたことのあるJeff Bedwell(ジェフ・ベッドウェル)が出迎えた。
ベッドウェルは、プロファイルにウィリアムがフィットする、と、ウィリアムが犯人ということを断言したが、ホッチナーたちは、ウィリアムの情報がもっと集まるまで彼の取り調べはしないことを決める。
キャスコリドー地区は、ホームレスや売春婦、麻薬常習者であふれていた。
通常彼らは単独行動することが多いが、彼らはグループで行動している。
その様子を見たモーガンとプレンティスは、彼らはなにか身の危険を感じていると推測した。
そして、この状況の中でウィリアムが、目撃者なしに10名を誘拐するとはとても考えられない、というのがモーガンの見解だった。
聞きこみを開始してしばらくすると、被害者の一人を知っているホームレスに出会った。
その男性によると、被害者の名前はCharles(チャールズ)という麻薬常習者で、2日前から行方不明になっている。
いつ誰が去ってもおかしくない地区だが、チャールズは姿を消すような人間ではないという。
さらに男性は、ウィリアムのことも知っており、モーガンはウィリアムのことを詳しく聞き出し、それをホッチナーに報告した。
モーガンから情報を得て、ホッチナーはウィリアムが座っている取調室へ。
ウィリアムはキャスコリドーの住人の写真を取り、名前を確認し、ノートに書き込んでいた。
そして、毎夜キャスコリドーに出かけて行き、いるかどうか確認しているという行動は、犯罪者というより彼らの保護者のようだ。
さらに、守護所に車を激突させた時、中にいた警備員たちが外に出るのを待ってから車をぶつけていることなどから、ホッチナーはウィリアムが実際に殺人を犯していない、見方を強めていた。
ウィリアムは、「捜査をするのかしないのか?」と声を荒げた様子から、彼がFBIに、行方不明になっている10名の搜索をして欲しいため、今回の事件を起こしたとホッチナーは理解する。
ではなぜデトロイト警察に行かないのか。
ウィリアムは再三にわたってデトロイト警察に捜査の依頼をしたが、警察はまったく掛け合わなかった。
涙とくやしさをこらえながら説明するウィリアム。
彼がそこまで気持ちを入れて行動するのは、ホームレスたちの身の安全を守らなければ、という責任感によるものではなく、愛情が伴っているはず。
「誰を探しているんだ」とホッチナーが質問すると、そこではじめてウィリアムは妹のLee(リー)がキャスコリドーで行方不明になっている事実を告白する。
ウィリアムがイラクから帰国すると、家出したリーを探してほしいと母親に頼まれた。
ウィリアムは、キャスコリドーで娼婦になっていたリーを発見、一旦は家に連れ戻すが、2週間後再び家を飛び出してしまった。
その後「なにか悪いことが起こったみたい。とても暗いわ。どこに連れて行かれるかわからない。」と、ウィリアムの携帯に入れたメッセージを最後にリーの行方はわからなくなってしまった。
ウィリアムは軍の知り合いに頼み、電波の発信源を探してもらった所、それはちょうどカナダにある電波塔で、ポートヒューロンにある国境付近というところまでわかっていた。
過去1ヶ月間デトロイトで起きた犯罪レポートを調べていたガルシアは、行方不明になっている5人が失踪した夜に、それぞれ起きた強盗事件に注目する。
病院や血液バンク、レッドクロスや医薬品卸会社といった医療施設に何者かが押し入り、麻酔薬、消毒用の備品、注射器を始め、点滴用チューブ、点滴ポンプ、Oマイナスの血液、胸部用のチューブ、シルク製の縫合糸、エラストプラストなどが盗まれ、被害にあった店は全てキャスコリドー地区内だった。
といったプロファイルを発表した後、捜査のためベッドウェルの許可を得て、釈放されたウィリアムとホッチナーは、デトロイトに向う。
ウィリアムとホッチナーは、デトロイトでモーガン、プレンティス、デトロイト警察の Benning(ベニング)刑事と合流する。
RCMPに訪れたリーの母親は、リーを家に連れ戻した後、リーを連れて生活保護の手続きをし、初めの小切手が届いたあと姿を消したということを話す。
リードは、他の被害者たちも小切手が発行される毎月1日・15日あたりで姿を消していることに気がつき、このことをデトロイトにいるモーガンに、どうやって生活保護を受け取っているか調べて欲しいと頼む。
モーガンとベニング刑事は、ウィリアムに紹介されたホームレスのWalter(ウォルター)に聞くと、この地区の人間は、普通に小切手を食べ物や宿泊代としては使いたがらず、3割の手数料をとって換金してくれるモーテルにある換金所で替えると話した。
みなこっそりそこで換金するため、換金するときは一人になることが非常に高くなる。
犯人はそれを狙って被害者を拉致していたのだった。
換金所のあるモーテルに急行するモーガンたち。
換金所の男は、15分ほど前に訪れたKelly(ケリー)が、ディーラーとみられる男の車に乗り込んだことは覚えていたが、車はすでに立ち去った後だった。
すぐに国境付近に厳戒態勢が引かれたが、その頃犯人は、闇のルートで逃走に成功していた…
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シーズン4の最終話の前編です。
フィナーレだから、大きな事件だろうな、と予想しながら見ましたが、いきなり守護所に激突させるというのは予想外で、かなりびっくりしました!
事件がカナダとアメリカにまたがっているというのも壮大な設定ですよね~。
このエピソードで好きなのは、あらゆる手をつくして警察を事件捜査に動かそうとしたウィリアムが、なぜあんな行動をとったのか、ということがわかった、ウィリアムとホッチの取り調べの場面。
妹のことで、責任を一心に背負い、一人で黙々と活動してきたウィリアム。
妹のことをホッチに話すときに抑えきれずに流れた涙がその苦労を物語っていました。
そして、ウィリアムに同情を見せたいところをぐっと我慢して任務に徹していたホッチの表情が印象的でしたね。
あらすじには書かなかったのですが、ケリーを拉致した犯人は全くノーマークのルートを使って、カナダに入りますが、そのルートがどこかわかるのは
ウィリアムの一言から。
その展開はかなり面白かったです。
犯人は話の途中で登場するんですが、こんなに用意周到で医学に明るいとはどうしても思えないようなタイプなので、「なんでだろう~?」って不思議で不思議で仕方なかったです。
まあこれは後半を見たら分かるんですけどね~。
ウィリアムが事件捜査を訴えるために事故を起こしたこと
どうやって犯人がカナダまで逃げおおせたんだろうということ
どうやって犯人は被害者を拉致したのか、という理由の設定が予想が難しく、凝っていたところは本当に良かったですね~。
ただ、犯人が被害者を惨殺するシーンとかとてもエグかったので、フィナーレを盛り上げるとはいえ、ちょっとげっそりきてしまいました。
この事件、どうなるんでしょうね。
リーが無事に見つかって欲しい
早く犯人を捕まえてほしい
これ以上犠牲者が出ないでほしい
と祈らずにいられませんが…
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※「殉職警官」では、パンク役で出演
ホッチナー: Flannery O'Connor said, "If there were no Hell, we would be like the animals. No Hell, no dignity."
(フラナリー・オコナー「地獄がないと人はケダモノのようになるだろう。 地獄がなければ尊厳もなくなる」)
ジェーンズ・アディクション「チップ・アウェイ」(Chip Away by Jane's Addiction)