異様な町で発生した、異様な事件

 

 

クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド11第6話「牧師の過ち」。

 

 

猟奇的な殺人事件が発生、しかも現場は性犯罪者たちが集まる町!

 

牧師にしっかりと管理されていた町だけど、やっぱり犯人は住人の一人?

 

チアリーダーに異様な執念を見せる犯人の素顔を追うホッチたち、でも犯人が特定できずに捜査は難航。

 

 

あ、また新たな被害者が…
を、ストップさせたタラの活躍に期待!

 

 

 

クリミナルマインド・シーズン11第6話「牧師の過ち(Pariahville)」のあらすじと感想です。

 

 

 

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「牧師の過ち」あらすじ

クリミナルマインド11第6話「牧師の過ち」あらすじと感想

出典

 

 

いわくつきの町で発生した猟奇的事件

ある民家で、住人の妻が遺体となって発見された。

 

被害者はペイジ・リンカーン(Paige Lincolin)という高校教師で、腹や胸をめった刺しにされて浴槽に横たわっていた。

 

事件が発生したのはフロリダ州グレンポート・ビレッジ。
一報を聞いたタラは、驚きの表情を見せた。

 

グレンポート・ヴィレッジは出所後行き場のない性犯罪者を計画的に集めて形成されたコミュニティ。
コミュニティをまとめ上げているサントス牧師は、タラが以前書いた心理アンケートを使って住人を選んでいたのだった。

 

グレンポート・ヴィレッジでは、凶悪犯罪はこれまで起きていなかったが、町に対して快く思ってない周辺住民も多く、必ずしも平和的とは言えなかった。

 

また、サントス牧師自身も犯罪履歴を持ち、住人の中には自分の子供と一緒に暮らす者もいた。

 

 

犯行現場を訪れたモーガンとリード。
ペイジは発見された当時チアリーダーの格好をしていたが、夫であるカイルに聞くと、それは自分の嗜好だと答える。

 

カイルは時々ペイジにチアリーダーの格好をしてもらいたい衝動に駆られ、事件発生当時もペイジにテキストを送ったという。

 

しかし、このロールプレイは2人だけの秘密であり、誰も知らない。
さらにカイルは「インターネット・リレー・チャットを使ってメッセージを送った」と説明した。

 

 

お互いがお互いを監視する町

インターネット・リレーチャットは、インターネットを通じてチャットを行うサービス。
カイルがそのサービスを使ってペイジにメッセージを送ったのは、チャットを終了してウインドウを閉じたと同時に、メッセージの内容が自動的に削除される仕組みになってるからだ。

 

なぜそこまで用心深くしているのか疑問に思ったリードとモーガンだったが、カイルの腕に埋め込まれた追跡チップを見てすべてを悟る。

 

追跡チップを導入したのはサントス牧師。
町の安全と再犯防止を考えたサントス牧師は、住人にチップを埋め込むため契約書にサインをしてもらい、彼らの行動を監視していたのだった。

 

サントス牧師がホッチナーたちに提出した資料は、チップを埋め込んだ1922人分の過去から現在の行動の記録だった。

 

やがて追跡チップから事件当日ペイジと最後に会った人物が浮上する。
ペイジとカイルが住む家の隣人、ランディ・ネルソンだ。

 

「ペイジはコミュニティの中で唯一心を開ける友人だった」と、タラとモーガンに答えるランディ。
事件当日の午後3時、ランディはペイジの家にいて一緒にお茶を飲み自宅に戻ったという。

 

ランディは前科者で、既婚女性に露出する性癖があった。
これまでターゲットとなったのは小学生の男の子を持つ母親ばかり。

 

タラとモーガンは、「ペイジに近づいたのは、彼女の隣に住んでいる8歳の男の子を見るのが目的だったのだろう」と、ランディを追求する。

 

自分の性癖がバレて町に住めなくなってしまうことを恐れたランディだったが、ついに男の子に興味を持ってることを認めた。
事件当日ペイジの家に行ったのも、学校から帰宅する男の子の姿を見るためだったのだ。

 

 

検視から浮かぶ犯人像

ペイジの検視結果を聞くロッシ。

 

ペイジの身体には過剰殺傷の跡があり、ためらい傷も残されていなかったことから「犯人は個人的動機を持っていてしかも再犯」とロッシは見解を示す。

 

また、ペイジが身に着けていたチアリーダーの衣装は、死後着せられていており、「犯人は自分の妄想を満たすために被害者を服従させる必要があったのではないか」と、ロッシはさらに分析する。

 

 

再びチアリーダーが被害者に

やがて新たな事件が発生する。

 

被害者はビクトリア・テイラーという、チアリーダー部に所属する高校生だった。
ビクトリアはチアリーダーのユニフォームを着たまま殺害されていた。

 

ペイジとビクトリア、どちらも「チアリーダー姿」という共通点はあったが、年齢も犯行手口も署名的行動も異なる。

 

「もしかしたら犯人は2人いるのでは?」と、疑問を投げかけるロッシ。
「ペイジは身代わりで、ビクトリアが本命とも考えられる」と、モーガンは答えた。

 

ビクトリアの自宅は、グレンポートから10マイル(約16キロ)離れている。
チップを埋め込んでいて行動制限を受けている住人は、容疑者リストから外れることになった。

 

 

犯人のプロファイリング

ホッチナーたちはここで犯人のプロファイリングを発表する。

  • 犯人は30代後半から40代初めの男性
  • グレンポート・ヴィレッジ出身者でチップを外した人物
  • グレンポート付近に住んでいる可能性がある
  • 犯罪についての経験は豊か、緻密、忍耐強く、欲望を昇華(反社会的な衝動を社会的に受け入れられるものに表現すること)させるために極端までに自分をコントロールする訓練を積んでいる
  • フェティズムによる殺人ということから、犯人はのぞきや下着泥棒といった前科がある
  • 犯人はおそらくこのような事件を起こす妄想を長年持ち続けていたろう
  • 味をしめた犯人は、今後も殺人を続けるだろう

 

 

プロファイリング発表後、グレンポートに嫌悪を顕にしている人物が浮かび上がったが、容疑者特定にまでは至らなかった。

 

 

「犯人はお互いを監視しているこの町を捜査撹乱に利用している」と見たタラは、ランディにもう一度インタビューを試みる。

 

 

記憶をたどる質問を繰り返していくうちに、ランディはあることを思い出し、捜査は急展開を見せた。

 

 

 

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「牧師の過ち」感想

出所した性犯罪者たちが集まる街を舞台にした、意外性のあるエピソードでしたね!

 

 

そんな町で次は誰が狙われてしまうのか、予想できずにドキドキ。

 

犯人は町の住人だったら当たり前すぎるのでそれはないだろうな。
チアガールばっかり狙ってるから、フェチなんだろうな。
デサリオ保安官の子どもたちがけっこう登場したので危険に巻き込まれるのでは。

 

というのは容易に予想できたんだけど、犯人登場はびっくりですよね。

 

 

そして、その犯人特定に大きく貢献したのが、小児性愛者のランディでした。
といっても、タラのインタビューテクニックがあってからこそなんですけどね。

 

このエピソーでは

  • いわくつきのグレンポート・ヴィレッジのサントス牧師と古くからの知り合い
  • 服役している犯罪者に面談してきたたらの功績が司法長官の目に止まったこと
  • タラのインタビューテクニックが、犯人逮捕の有力情報を引き出した

 

というタラの活躍にハイライトを当てた小ネタが、エピソードにうまく絡み合っていましたよね。

 

日本語の原題が「牧師の過ち」なのはなぜだろう、と、符が落ちない部分もありますが

  • タラの活躍
  • オファーを受けようかどうか迷ってるタラに暖かく接するBAUメンバーたち

 

を描くことで、タラが少しずつBAUの仕事や仲間に馴染んでいるんだな、ということがわかり、とても興味深かったです。

 

 

メッセージを伝えるために程よくまとまっていたエピソードだと思いました♪

 

 

タラ、グッジョブ!

今回の事件解決の功労者といえばタラですよね~。

 

性犯罪履歴を持つ元受刑者が住むグレンポートとなれは、周りは容疑者だらけ。
当然捜査は町の中に集中しますが、「犯人はそれを狙っているのでは」と、気がついたのがタラでしたよね。

 

これがなければ捜査の方向転換がもっと遅くなったし、被害者がもっと出ていた可能性が。

 

 

それでも犯人が特定できずに行き詰まってしまいましたが「ランディは何か見ていたかも」と、再インタビュー。
過去を一つ一つ紐解くようなタラの質問に、ランディは犯人が乗っていた車を思い出したんですよね。

 

 

「犯人は中年男性」という初めのプロファイリングのままで行ったらと思うと、ゾッとします。

 

タラ、グッジョブでした!

 

 

犯人、若いのにキモすぎるフェチ

チアリーダーの衣装に執着心を燃やすキモ男が犯人でした。

 

マット・フランクス
クリミナルマインド11第6話「牧師の過ち」あらすじと感想
出典

 

 

若くしてすでにフェチって気持ち悪い。
マットは1990年生まれで、エピソード当時は25歳。

 

でも、高校生の頃からチアリーダーの子にストーカー行為をしたり、初めの殺人をしたのも高校時代でした。
被害者はもちろんチアリーダー。

 

グレンポート・ヴィレッジ周辺に住んでるのをいいことに、再び犯罪に手を染めたというわけですね。

 

衣装を見るとムラムラくるのか、一体何をしたかったのか。
動機がよくわからないけど、「こいつはキモい」ということだけはハッキリわかりました!

 

 

タラとBAUメンバー

 

ホッチ

「服役中シリアルキラーたちについての包括的な調査」のリーダーという、またとないオファーが舞い込んだタラ。
でも、BAUを去ることが条件。

 

せっかく仕事が好きになり始めたのに、と戸惑うタラとは逆に、ホッチはとても嬉しそうでした。
ホッチにとっては有能なタラを手放すことは残念ですが、オファーがタラのためにとっていいことだと考えたのでしょう。

 

ベスのために別れを選んだことをふと思い出してしまいました。
「あなたが幸せなら僕も幸せ」というタイプなんですね、ホッチは。

 

 

でも、タラの率直な気持ちを知ったホッチは、「どちらもできるよう」便宜を図ってくれました!
す、すばらしい上司。

 

タラのことをメンバーの一員として大事に思ってる証拠ですよね。
良い上司に恵まれたね、タラ。

 

 

ロッシ

オファーを受けるべきかどうか迷ってるタラに、自分の経験をもとにアドバイスしたロッシ。

 

ロッシは、毎年自分の誕生日に獄中のシリアルキラーと面会しています(このシリアルキラーについては⇒「プロファイラー入門 」を参考に)。
会いたくて会いに行くわけではないけれど、止むに止まれぬ事情がある。

 

「BAUの仕事はハッピーエンドで終わる日ばかりではない」ということを言いたかったんですよね。
それがどのくらい自分に負担としてかかってくるか。

 

そうしたことを踏まえて決断するように激励してましたね、ロッシ。

 

先輩らしいアドバイスでした。

 

 

ガルシア

タラのオファーの話を偶然聞いてしまったガルシア。

 

すぐに「辞めないで!」ってタラに懇願してましたね。
ガルシアらしいし、タラがすでにBAUに溶け込んでる様子がよくわかりました。

 

 

モーガン

ライリーの命を守るためにマットを撃ったタラ。

 

タラにとっては初めての経験で、事件解決後はどっと疲れが出たようです。

 

それを見たモーガンは、「(犯人を射殺しなければならないほど)ハードな日もあるけど、再会を喜び合う被害者と家族の光景を見ることもできる」と、BAUに残ったほうがいいとアドバイスしてましたね。

 

 

タラがこの仕事を好きなこと、モーガン知ってて言ったのかも。

 

 

その後タラはホッチの計らいで、仕事をやめることなくプロジェクトを進められるという結論に落ち着きました。

 

 

みんなホッと肩をなでおろしたことでしょう。
これからも自分の専門性を発揮して、プロファイリングに貢献してほしいですね。

 

 

期待してますよ、タラ!

 

 

「牧師の過ち」なんだろうか

今回のエピソードの邦題は「牧師の過ち」ですが、きっとサントス牧師のことを指しているんですよね。

 

契約書を交わしたり追跡チップを付けたり、住人を徹底管理するという姿勢は、確かにやりすぎという面もありますが、「そんなに監視しなくても大丈夫だったのに」ってことから「牧師の過ち」になったのでしょうか。
それとも犯罪者の集まる町を犯人が捜査撹乱で利用したから?

 

それなら少し納得もいきますが、でも、過ちとするほどのことかな?って思いますよね。

 

追跡チップのおかげでビクトリアの時に追跡チップをつけてた住人たちが容疑者リストから外れたわけですから、これは捜査に貢献したといっていいでしょう。

 

「自分がこんな町をつくってしまったばっかりに」と、嘆くサントス牧師に、「あなたがいなければ、皆路頭に迷っていた」と、タラが励ましていましたが、やっぱりそうですよね。

 

確かにこういう町の隣に住むのはちょっと、となりますが、なければ困る人もいる。
だからやっぱりこのタイトルはちょっと違うんじゃないかなって思います。

 

 

グレンポート・ヴィレッジは実在する?!

このエピソードの原題は「Pariahville(パーリアヴィル)」。

 

パーリアヴィルは、フロリダに実在する性犯罪者が住む村。
そういうコミュニティが実現したということで「奇跡の村」とも呼ばれているんですね。

 

フロリダでは、性犯罪者は出所後性犯罪者として登録されます。
スペンサーが説明していましたが、登録者は学校や公園、バス停など、子どもたちが集まる公共の場から約300メートル以内には住めないと決められています。

 

また、性犯罪者は社会的には受け入れられにくく(当たり前だけど)、出所後も普通に生活することが難しい。
そうした人たちを受け入れたのがパーリアヴィルというわけです。

 

 

パーリアヴィルは1960年代に誕生した、移民労働者向けの居住地。
現在では、200人ほどの人が住んでいますが、そのうちの100人以上が登録性犯罪者ということです。

 

詳しくはこの記事で⇒ ようこそ、パーリアヴィルへ──性犯罪者が集まる“奇跡の村”

 

 

実在する若年シリアルキラー

あれこれ妄想する期間が必要からなのかもしれませんが、若くしてシリアルキラーになるというケースは珍しいようです。

 

マットのように若い頃からシリアルキラーの芽を出していたのがハーヴェイ・ミゲル・ロビンソン(Harvey Miguel Robinson)。

 

1974年生まれのハーヴェイは、1992年から1993年にかけて3人を殺害。
5歳の少女にも暴行を加え首を絞めましたが未遂で終わっています。

 

10代で連続殺人鬼。
しかも幼女まで躊躇なく狙っているとは、末恐ろしいですね。

 

デニースという被害者がハーヴェイの手を振り切り逃げ出したことがきっかけで逮捕されたハーヴェイは、複数の殺人事件で起訴され、終身刑/死刑を言い渡されました。

 

 

 

「牧師の過ち」ゲスト

  • ウィル・バビット(Will Babbitt) トレバー・ファーソン
  • ノーラン・マーティン・ベイトマン(Nolan Martin Bateman) アダム・ジェンキンス
  • アシュリー・ビラー(Ashleigh Biller) ペイジ・リンカーン
  • マーク・チャエット(Mark Chaet) アイラ・スタイン
  • オーブリー・クレランド(Aubrey Cleland) ヴィクトリア・テイラー
  • ノア・クロフォード(Noah Crawford) マット・フランクス
  • ルーベン・ガーファイアス(Rubén Garfias) ジョージ・サントス牧師
  • ジョエル・グレッチ(Joel Gretsch) ポール・デサリオ保安官
  • キャロル・グティエレス(Carole Gutierrez) ジャコビー監察医
  • ジョン・ナップ(Jon Knapp) カイル・リンカーン
  • ローレンス・マンドレー(Lawrence Mandley) スティーヴ・ハルヴァート
  • シドニー・ミカラ(Sydney Mikayla) マギー・クレスウィック
  • ダーリック・レッドフォード(Derrick Redford) ニック・ベイルマン
  • ヤコブ・サルヴァティ(Jakob Salvati) ダニー・デサリオ
  • カート・ショラー(Kurt Scholler) ランディ・ネルソン
  • テイラー・スプレイトラー(Taylor Spreitler) ライリー・デサリオ
  • アイシャ・テイラー(Aisha Tyler) Dr.タラ・ルイス

 

 

「牧師の過ち」で引用された格言

モーガン: "I swear, from the bottom of my heart, I want to be healed. I want to be like other men, not this outcast who nobody wants." — E.M. Forster
「私はまともになりたいと心から願う。他の人のように、追放された者ではなく。」E.M.・フォースター

 

ルイス: "To remain indifferent to the challenges we face is indefensible. If the goal is noble, whether or not it is realized within our lifetime is largely irrelevant. What we must do, therefore, is to strive, and persevere, and never give up." — 14th Dalai Lama
「目の前の課題に関心を示そうとしないのは許しがたい態度だ。志が高ければ、それを生きているうちに実現できるか否かはどうでもいい事なのだ。だからこそ我々は常に努力し、困難に耐え、決して諦めてはいけない。」ダライ・ラマ14世

 

 

「牧師の過ち」で使用された曲

クリマイ挿入曲 セラ・スー「ディス・ワールド」(This World by Selah Sue)

 

 

 

クリマイ挿入曲  タブ・ザ・バンド「ビー・マイ・ヴァレンタイン」(Be My Valentine by TAB The Band)

 

 

 

 

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