今回ご紹介するのは、ロッシがクリミナルマインド4第8話「死の数列」でのワンシーン。
ナルシストを自負する「ロスチャイルド教授」ことヘンリー・グレイスと、ロッシの取り調べの場面なんですが、印象に残っているんですよね。
ナルシストじゃない、お前は超ナルシストだ!
と、指さしたくなるロスチャイルドは嫌いだけど、なぜか好きなんですよね、この場面。
そして、得意になってるロスチャイルドにロッシがぶちこんだ、強烈な一言!
ロッシの名セリフは、面白さや言葉のセンスの良さが特徴ですが、今回は、「魂の一撃」のように、破壊力がありました。
ということで、ご紹介しますね。
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リードとロッシがFBI入局のリクルートセミナーで訪れていた大学で
近づいてきたのがグレイスでした。
その時は「ロスチャイルド教授」と名乗ってました。
見るからにインテリぶったナルシストーって雰囲気プンプンですよね~^^;
超ナルシスト+サイコパスらしく、自ら自分の犯行をリードとロッシにばらすんです。
まあ、それほど絶対見つからない、って自信ありありだったわけですが。
「なぬっ?!それは聞き捨てならねぇ」ということで、ロスチャイルドは取調室へ。
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ロスチャイルド(グレイス)の取り調べにはロッシがずっと応じました。
取り調べが進む中、グレイスが、自分は生まれながらの殺人者だと言い出すんです。
なぜかというと他の人より染色体のYが一本多いから。
(゜Д゜;)
い、意味わかんね~(汗)って思いますよね^^;
でも、一昔前、それが本当だって信じられたことがあり、グレイスはその理論を信じきっているんですね。
グレイスは彼の元を去った婚約者を深く憎むようになり、この頃から殺人願望に目覚めます。
「自分は染色体Yが普通の人より多い、そして自分の兄はシリアルキラー。」
「この抑えきれない殺人願望は遺伝からきてるのだ!」
まあ、そういうふうに根拠付けたとしても不思議ではありませんが。
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遺伝だからどうにもならない、と、信じて疑わないグレイスに対して、ロッシのカウンターパンチが始まります。
グレイスの主張を、「ジャンクサイエンス、ジョークだよ!」と、ばっさりと切り捨てました。
え?殺人は遺伝によるものじゃないの?
と不思議そうにロッシに聞くグレイス。
ここでロッシははっきりとグレイスに言うんですね。
「生まれつきかどうかなんてどうでもいいことで、それは真実ではないよ」と。
そして続けます。
"Killing someone or not killing someone is a choice. If these people die, it's because you chose to make it happen."
(誰かを殺す・殺さないは(その人の)選択さ。その人達が死んだら、それはお前がそうなるように選んだからさ)
う~ん、真実をついたセリフですね!
たとえ100歩譲ってグレイスが生まれながらの殺人者だったとしても、殺害に至るまでには、何度か選択肢はあったはずですから。
兄も殺人者、自分もその遺伝子を持ってるから殺人者なんだと信じたのも、グレイスの選択ですよね。
「Born to kill」というドキュメンタリー番組があります。
実際のシリアルキラーを検証して、この人物は生まれながらの殺人者かどうか、専門家が最後に意見するのですが、「あ、この人間は生まれつきかも」と納得できたのは、これまで1件だけ。
ほとんどのケースに関しては生まれつきかどうかは、どう考えてもわかりませんでした(専門家の先生たちの答えも、わからいない、か推測の域を超えていないのがほとんど)。
でも、結局それはどうでもいいことなんですよね。
というか、一生解明できないと思います。
それよりも目を向けるのは実際にその人間によって、猟奇的な方法で誰かが殺されたという事実。
「なぜこの人間は殺人行動に出たのか、それを左右した選択肢はなんだったんだろう」ここに焦点をあわせるのが大事だと思います。
サイコパスは、遺伝子的な要素も影響していますが、だからといってすべてのサイコパスがシリアルキラーになるわけでもありません。
やっぱりそこには、妄想を実行に移すかどうか「選択」があるわけで。
そう考えると、プロファイリングは遺伝子学よりも行動科学なんですね~、やっぱり。