警察に送りつけられてきたのは犯行の一部始終が収録された映像だった!
犯人が残した「助けて」のメッセージは?
そしてカギを握る「29」の意味とは?
今回はガルシアも現地に同行!
クリミナル・マインドシーズン4 第22話「闇夜に浮かぶ観覧車(The Big Wheel)」のあらすじと感想です。
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ニューヨーク州のバッファロー。
不動産業者のMichelle Watson(ミッシェル・ワトソン)が、何者かに刺殺される事件が発生した。
事件が発生したのは1週間前。
そして昨日その犯行の一部始終が収録された映像が、バッファロー警察に送りつけられた。
映像は犯行の一部始終だけでなく、路上の様子、通行人との会話の様子、車内から見た外の風景、犯人の自宅内と思われる場面や、モニターに映っている別の殺人事件の映像が収録されていた。
そして、映像の最後は、犯人とみられる人物が、赤いペンで「”HELP ME”(助けて)」と壁に書く所で終わっていた。
バッファロー周辺で過去10年間に30代前半の女性が刺殺された未解決事件を調べると、なんと22件にも及んだ。
そして、被害者はみなワトソンと同じ、30代全般のブロンドの白人女性であることがわかる。
ワトソンの書き残した当日のスケジュール帳を調べていたリードは、彼女が几帳面な左利きの女性であると分析。
しかし、”29”という数字を二重丸で囲った赤いペンで書かれた書き込みは、右利きである可能性が高く違和感を覚える。
これはワトソンではなく犯人が書き込んだものである可能性が高まった。
29は何を意味するのか。
「明日は29日」というガルシアの言葉に、ホッチナーたちの間に緊張が走る。
その後の捜査で、犯人は自分の眼鏡に小型のカメラを仕込み撮影していたことがわかった。
さらに犯人は、毎年春に1名ずつ殺害しているという規則性があることにも気づく。
一人の黒人女性の他殺体が発見された。
女性はホッチナーたちが追っているシリアルキラーの被害者のタイプとは一致しなかったが、刺殺という殺害方法は酷似していたため、同一犯である犯行だとロッシは推測する。
身元がわかるようなものを何も身に付けておらず、両腕を胸の前で交差させられ、毛布でくるまれて外に遺棄されていたことから、この女性は犯人と顔見知りの人物で、突発的に殺害された可能性があった。
ホッチナーたちは
という犯人のプロファイルを発表、カメラ店の映像を元に犯人の情報を得るよう捜査員たちにアドバイスする。
ワトソンの刺し傷は1箇所に対し、他の被害者は無数の刺し傷があった。
さらにワトソンが殺害された時期は、毎年春に殺害する、という犯人の規則性からも外れることから、犯人の中でなにか大きな心境の変化があるはずだ。
その変化について調べを進めていく内に、10番目の被害者Joyce Wolcott(ジョイス・ウォルコット)に目撃者がいたことがわかったが、それはジョイスの息子Stanley(スタンリー)少年だった。
スタンリーは生まれつき目が見えず、杖を使う代わりにエコーロケーション(反響定位)を頼りに現在里親と暮らしていた。
ロッシとモーガンが訪ねた時は引越しの準備をしているところだった。
モーガンがスタンリーに、母親が殺害された時のことを質問すると、スタンリーは昨日のことのように当時のことを話しだした。
スタンリーは、母親ではない、何者かが母親のそばに立っていることを感じ取っていたという。
おそらく犯人はスタンリーの姿を見ていた可能性がある。
男が刺されたという通報を受けて現地に急行するホッチナーたち。
目撃者の証言によると、自分の仲間を指した男は、刺す前にエコーロケーションを発したということがわかった。
自分たちが追っている犯人に違いない。
そして、29日がスタンリーの誕生日であったことに気がついたロッシは、もしかしたら犯人の最終目標はスタンリーかもしれないということに気がつく。
胸騒ぎを覚えながらスタンリーの家に急ぐロッシとモーガン。
しかしすでに遅く、スタンリーは自宅から姿を消していた…
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犯人が起きてから身だしなみを整えるシーンがエピソードの冒頭に登場します。
ほぼ完璧にベッドメイキングするとか
黒くおおった鏡をみながら歯を磨くとか
車のハンドルをラップで巻いてるとか
一つ一つの動作に異様なまでのこだわりを持っている犯人がすごく不気味でした。
こいつが犯人です、って言われなくてもスグわかるような怪しい男^^;
そして舌打ちするような、「チッチッ」という音を殺害前に発するんですが、それが殺人するサインに感じられてすごく気持ち悪かったです。
あとでその音がエコーロケーションということがわかりましたけど。
なんでエコーロケーションを発するのか、後でどんどん謎が明らかになっていくんですが、明らかになればなるほど悲しいエピソードでした。
「闇夜に浮かぶ観覧車」というのは、犯人がスタンリーの望みを叶えるために観覧車に乗せるシーンが有るんですけど、そこから来ているのだと思います。
題名になるくらいだから、エピソードの中では重要な場面ですし、エピソードの最大の見せ場でしょうね~。
ここでのスタンリー少年の言動には泣かされました(TOT)
モニターに映っていた別の殺人現場の映像ですが、これは犯人のお母さんなんですね。
犯人が子供の頃に撮影したものです。
いつもこっそり撮影していて、偶然殺人シーンを収録してしまった、といったかんじです。
母親似の被害者を選ぶのは、こういう異様な経験があったからで、スタンリー少年を殺害することができなかったのは、スタンリーが盲目だからというより当時の自分との姿を重ねてしまったのかもしれません。
エピソードの中でロッシが、「サイコパスは普通同感情を感じることはない」ので、壁に書いた「助けて」に違和感を感じるといってましたが、サイコパスで殺人を起こしてきた犯人が、スタンリーと出会ったことによって殺人をしていることを罪に感じたのかも。
でも、人を刺すときのホッとしたような、何かから開放されたような犯人の表情を見ると、犯人には殺人に対する耐え難い衝動がある。
自分で止めることができないから、「誰か自分を止めてくれ、助けてほしい」という気持ちが”HELP ME”に込められていたのかもしれませんね。
そう考えると連想するのが「リップスティックキラー」ことウィリアム・ハイレンズ。
1940年代シカゴで発生した連続殺人事件の犯人で、壁に口紅で殺人を犯す前に「自分を捕まえてほしい」といったメッセージを殴り書きしたことから、「リップスティックキラー」と呼ばれるようになりました。
ちなみにプロファイリングで有名なロバート・K・レスラーさんは、このハイレンズの事件をきっかけに、クリミナルマインド(犯罪心理)に興味を持ったと言われています。
ハイレンズは後「性的サイコパス」と診断さたそうですが、殺人に対して抑えられない性的興奮を覚えている反面、そんな自分をコントロールしようと試みた行動があったことから、少なくとも殺人の衝動がないときは人の感情を感じていたのかもしれません。
お母さんが「セックスは汚いもの」と教えこんできたから、性衝動を起こす自分は悪と思い込んできたというのもあるのかも。
でも今回の犯人とハイレンズと重なるのは、壁に書かれた「助けて」のメッセージ以外ないですね~。
もう少し犯人がなぜ母親と似た女性を殺害するのか、その動機となる強い要因が欲しかったです。
母親を盗み撮りしてる理由とか
母親からひどく虐待を受けていたり
性衝動が歪んで殺人に走ってしまったとか
それがちょっと残念な気がしました。
珍しくBAUメンバーとともに現地に同行したガルシア。
映像に収録されていた「殺人事件」の映像を分析していたその映像は、20年以上は経っていると結論。
理由は、被害者の女性(犯人の母親)が来ていたセーターが、映画「フラッシュダンス」(1983年)以来観ていないからとのこと。
ちょっとこの答えには笑ってしまいました。
ガルシアらしいですよね^^
全体的に悲しい雰囲気ただようエピソードだったので、こうしたクスッとできるところは余計面白かったのかも。
ガルシアってひまわりのような存在ですよね~。
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ホッチナー: "In order for the light to shine so brightly, the darkness must be present." - Francis Bacon
(「光が明るく輝くためには、闇の存在が不可欠である」フランシス・ベーコン)
モーガン: "No matter how dark the moment, love and hope are always possible." - George Chakiris
(「どんな闇の中にも、愛と希望は生まれ得る」ジョージ・チャキリス)
ジェームスブラント「ティアズ・アンド・レイン」(Tears and Rain by James Blunt)