本当にあった事件を紹介するリアル番組をよく観ていますが、実際に捜査にあたったFBI捜査官が登場することがあります。
今日は「Crime Story(クライム・ストーリー)」という番組で特集された、「バートンルージュのシリアルキラー」事件について。
なかなか犯人特定までにいたらず、コールドケース化しつつあったこの事件。
FBI捜査官がプロファイリングで捜査支援するのですが、ある提案をきっかけに、事件は解決へと大きく動き出したのです!
それはまるで「クリミナルマインド」を観ているようなあざやかさ。
やっぱり実在のプロファイラーはすごい、と感心せずにはいられませんでしたよ。
ということでご紹介します!
1990年代から2000年代前半にかけて、ルイジアナ州バートンルージュとラファイエットで、女性を狙った連続殺人事件が発生しました。
犯人のDNAが現場に残されていましたが、被害者の選び方、殺害方法、殺害現場などが毎回変わり、犯人を絞り込めずに捜査は難航します。
そして、事件解決にFBIプロファイラーが捜査協力をすることになりますが、そのプロファイラーがドクターMary Ellen O'Toole(メリー・エレン・オトゥール)。
FBI捜査官として28年のキャリアを持ち、その半分はプロファイラーとしてBAUで活躍していました。
そう、実際のBAUに所属していた、本物のプロファイラーなんです!
このバートンルージュのシリアルキラーは、DNAが残されていなければわからないというくらい犯行の手口が変わっていたんですね。
白昼堂々と被害者を襲うという特徴はありましたが、被害者の自宅で犯行をしたかと思ったら次は被害者を自宅から拉致して外に遺体を遺棄したり、被害者がある日突然白人だったのが黒人に変わったり、といったふうに。
聞いただけでもプロファイラー泣かせのシリアルキラーですが、オトゥール捜査官が参加した当初は、なかなか犯人につながる決定的なものがつかめず、被害者ばかりが増える、という状態でした。
番組だから必ず犯人逮捕につながるとはわかっていても、ここまで犯人に一貫性がないと本当に捕まるのかどうか、不安になって来ますよね。
事件を担当した刑事やオトゥールさんは、相当ストレスが溜まっていたのではないかと察します。
まあそれくらい捜査が難航するわけですが、事件のコールドケース化を食い止めたのはオトゥール捜査官のあるアドバイスでした。
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DNAは見つかってるのに、犯人に結びつかない!
そして、被害者だけが増えていく。
犯人がなかなか捕まらず番組を見ている私でさえもヤキモキする時です。
ここでオートゥール捜査官がひとつの提案をします。
それは、
「白昼に犯行を重ねているのだから必ず生存者がいるはず。被害者が死亡した未解決事件じゃなくて、被害者が生存している未解決事件を探して、被害者の証言から犯人像を割り出そう」
ということでした。
これがまさにビンゴ。
調べてみると、バートンルージュのシリアルキラーに自宅で襲われ、息子が偶然帰宅したため命を取り留めた被害者がいたのです!
白昼は人が動いている時間帯だから、犯人の予想に反した「人の出現」は、十分考えられます。
だから生存者の存在にピンときたのでしょうか。
言われてみればそうですが、見落としがちなことですよね。
そうした見落としがちなことを見落とさないのがプロファイラー。
職業とは言え、すごいです!
話は事件に戻りますが、警察は生存者の証言を引き出すことに成功、犯人像がより鮮明になり、ついにバートンルージュのシリアルキラーことDerrick Todd Lee(デリック・トッド・リー)が逮捕されたのです!
リーは犯行に一貫性が無いため、プロファイリングしにくいシリアルキラー。
ですが、プロファイラーのちょっとした機転で逮捕につながったわけで、もしオトゥール捜査官の提案がなかったらもっと被害者は増えていたかもしれませんね。
リーは7件の殺害事件で起訴されましたが、他の未解決事件にも関与している可能性があり、捜査が難航し続けていたら…と考えただけでもぞっとしてしまいます。
こういうプロファイラーの実話を聞くとすごいなあって思ってしまうのですが、プロファイラーのすごさは、ドラマだけの話じゃないんですね。