クリマイ世莉が解説!
クリミナルマインド10第7話「サドワース・プレイスの少年たち」。
ボストンで名のしれた敏腕弁護士が何者かに誘拐される!
犯人はマフィア、裁判に負けた人間、その身内…?
仕事がらみの怨恨の線で決まり
と思いきや、捜査すればするほど見えてくる"ミスター・パーフェクト"の正体!
クリミナル・マインドシーズン10第8話「サドワース・プレイスの少年たち(The Boys of Sudworth Place)」のあらすじと感想です。
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ボストンで、ジャック・ウェストブルック(Jack Westbrook)という敏腕弁護士が、何者かに誘拐される事件が発生する。
ジャックは、コンビニに停めた自分の車が何者かに壊されていると通報している最中に連れ去られたのだ。
通報している音声を聴いたロッシは、犯人は2人組と指摘する。
さらにJJは、犯人は偶発的ではなくジャックを狙っていたと分析。
モーガンは怨恨が理由ならその場で命を奪っているはずだが、誘拐した犯人の意図に着目する。
誘拐されたジャックは学生の頃から優秀で、ロースクールを主席で卒業、アシスタント検事として各地で経験を積んだ後、その実績が評価されトップ検事にまで上りつめた。
刑事事件の検事として活躍していたが、突然検事から犯罪者の弁護士に転身。
高い確率で裁判に勝利し、被告に"第2の人生"を歩むチャンスを与えたり、ボランティアの仕事も受けるなど、金銭に関係なく弁護士として活動していた。
私生活では7年前に妻と結婚、妻は妊娠中で、第1子の誕生を控えている。
過去に何度も引っ越しをしており、報復を恐れてのことと考えられた。
ジャックが誘拐された現場を検証するロッシとケイト。
ひどく壊されたジャックの車を見たロッシは、ジャックに対し、個人的に相当な憎しみを持った人間による犯行と見る。
ジャックの上司に話を聞くモーガンとリード。
上司によると、ジャックは残業をするほど大きな仕事を抱えておらず、ここ1ヶ月ほどは6時になると退社していたという。
これは、「ジャックは残業続きで、帰宅が遅くなる」と言っていたジャックの妻の証言と食い違う。
モーガンとリードは、ジャックが不倫しているのではないかと考え、ガルシアはジャックのバックグラウンドについて深く掘り下げて調べ始めるが、やがてジャックがこっそり借りていたアパートを発見する。
そのアパートで、モーガンとケイトは、ジャックが撮影したとみられる、幼い少年たちの写真の束を見つけた。
ミスター・パーフェクトという仮面を隠れ蓑に、ジャックはペドフィリアというもう一つの顔を持っていたのだった…
【犯人のプロファイル】
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誰が被害者で誰が加害者か、ごちゃごちゃする話でしたね。
ウェストブルックがペドフィリアと分かってから完璧な敏腕弁護士というキャラがどんどん崩れていったし、一番「いい子」ぽかったブライアンが、実は全然そうじゃなかったりと、キャラが壊れていく過程にびっくりしましたね~。
まあ、ウェストブルックの場合、最初から最後まで"口達者"で"相手を懐柔する"というキャラはそのままでしたが(;・∀・)
自分もペドフィリアの被害者だったモーガンが、その悲しみをこらえるように捜査していたのが印象的でした。
ペドフィリアとそのトラウマを持つ被害者、というテーマというのもあったせいか全体的に暗い感じがしましたよね。
そして最後、ケイトの姪のメグに、今後何かありそうな終わり方。
見終わった後、気持ちがとてもどよんとしてしまいました。
今回の被害者、ジャック・ウェストブルック。
誘拐犯は、彼が過去にサドワース・プレイスでいたずらした青年たち(当時は少年)。
こんなことしてきたなら仕方ないね、しかもいたずらしたうちの一人、マシューは自殺。
それが他の青年たちがジャックを誘拐したきっかけとなったのですが、自業自得とはこの事を言うような展開でした。
始めは仕事上のトラブルで誘拐されたのかと思い、ジャックもそんな気の毒な弁護士に見えました。
でも、どんどん本性出していきましたよね。
「一番のお気に入りだ」と、ブライアンを抱き込もうとしたシーンは、本当に吐気がするほどの狡猾さを見せたジャック。
最後はブライアンに射殺されてしまうのですが、自分が巻いた種で招いた結末でしたね。
ジャックの悪行を物語ってるような出来事ですよね、ホント。
これほど自業自得な被害者って、クリマイで描かれたことがあったかな。
反対はけっこうありますけどね。
ジャックを誘拐したブライアン、チャド、そしてアンドリュー。
ブライアン・スティラー
出典
チャド・グリフィス
出典
アンドリュー・フォード
出典
3人共サドワース・プレイス時代、ジャックからいたずらされた過去を持っていました。
ジャックを誘拐したときは、チャドとアンドリューだけだったんですよね。
その後ブライアンがいやいや加わったので、チャドが主犯格ばかりと思ってました。
ブライアンに服を脱ぐよう強要したり、拷問を加えたり、ジャックを殺害しようとしたりするところをみると、チャドは主犯格と言えば主犯格かな。
でも、あのおどおどしていたブライアンが徐々に殺人鬼に変わり主導権を握っていったので、チャドの影が薄くなっていったからかもしれませんね。
まあ、その時チャドは死亡していましたしね。
しかしこのブライアン、ジャックの跡を引き継いでいるキャラに描かれていたと思いませんか?
ジャックと同じ性的嗜好を持ってますし、最後アンドリューに全てをなすりつけようとした狡猾さ!
逮捕されてよかったです。
ウェストブルックが誘拐された現場検証をしていたロッシとケイト。
犯人の一人はフットボールファンだ、と分析したロッシに対して、「(ファンは)犯人と他636,479人がこの市にいる」と答えたケイト。
あれ?誰かに似ていません?!
ロッシもそう思ったみたいで、「君らしくないな」と本音をぽろり。
すかさずケイトが「ググったのよ」と、いたずらっぽく笑いながら言いましたがキュートなケイトの一面が見れました^^
そして、ググったと聞いて、ロッシが「あ~」と、妙に納得した様子だったのが笑えました(笑)
モーガンの過去については何度かエピソードで取り上げられますが過去に、育ての親とも言える人物、ビュフォードに性的虐待を受けています。
その事実が明らかになるのがシーズン2第12話「疑惑のプロファイラー」。
信用していた人の裏切りは、ウェストブルックが弁護士という職業を生かし、少年たちに近づいた今回のエピソードと似ていますよね。
嫌でも自分の過去を思い出さずにはいられなかったでしょうし、犯人の気持ちが痛いほどわかったのではないでしょうか。
モーガンはつらい過去をバネにしてFBI捜査官になりましたが、シーズン8第18話「光と影」の犯人や、今回の犯人たちのように、トラウマとして引きずって犯罪を起こすきっかけになってしまう場合もあるんですね。
こういう事件は本当にやりきれない思いにさせられます。
弁護士を狙った事件はよくある、という話の延長で、スペンサーが例に出したのがエリック・ライル・ウィリアムズ(Eric Lyle Williams)。
「カウフマン郡殺人事件」でも知られるこの事件は、2013年にテキサス州カウフマン郡で起きました。
ウィリアムズは当時判事で、裁判所からモニターを盗み出し、法律図書館の資金を不正利用したことが発覚、起訴され2ヶ月間の保護観察処分を受けます。
判事としての評判はガタ落ち、さらに免許剥奪という処分を受け、自分を起訴した人物に対して復讐を決めます(なんつー身勝手さ!)。
そして、ウィリアムズは1月31日、アシスタント検事を殺害、その後3月30日には州検察官とその妻を射殺しました。
4月18日、ウィリアムズは自身の妻とともに逮捕。
妻はウイリアムの犯行を補助したという罪で逮捕されたんですね。
2014年、裁判所はウイリアムに死刑判決、妻に懲役40年を言い渡し、2人はそれぞれ服役中です。
プロファイリング中にスペンサーが事例として挙げたジェリー・サンダスキー(Jerry Sandusky)は、ペンシルベニア州立大学のフットボール部の元アシスタント・コーチ。
1977年に非営利組織「The Second Mile」を設立。
問題を抱える子どもや里子に出された子どもたちのケアを中心にした慈善活動を行っていました。
その活動は高く評価されていたのですが、実はそうした慈善活動を隠れ蓑にして、サンダスキーはそこに集まる8~12歳の少年たちに対して長期間に渡り性行為をしていたのです!
なんと、ジャックやカール・ビューフォードのような人物ではないですか!
サンダスキーは2011年に逮捕されますが、問題は、組織全体にあったことがわかったのです。
2002年、フットボール部のアシスタント・コーチがサンダスキーが10歳の少年と性行為に及んでいるのを目撃しました。
そして、当時のヘッドコーチ、ジョー・パターノに報告しましたが、結局大学側がこのことを捜査当局に報告せず、大学ぐるみで隠蔽を図ったのです。
これが明るみになり、世間から強烈なバッシングを受けました。
サンダスキーの被害者たちは、両親が揃っていなかったり、里親のもとで暮らしていたりと環境的に不安定な少年たちでした。
その隙につけこんで、安心させ、コントロールしてたとは、本当に腹立たしいですよね。
こういう2次被害は許せません!
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リード: Wayne Dyer once said, "How people treat you is their karma; how you react is yours."
ウェイン・ダイアー「人があなたをどう扱うかは宿命;反応するのはあなた次第」
モーガン: "Our moral responsibility is not to stop the future, but to shape it; to channel our destiny in humane directions and to ease the trauma of transition." — Alvin Toffler
「我々の道義的責任は未来を止めるものではなく形作る;我々を人道的な方向に導き、移り変わりの心の傷を和らげる」アルヴィン・トフラー